アンタなんかよりずっと好き



掌の上でふよふよと浮かぶそれは、シャボン玉のようだ
しかし、たしかに液体である

「なるほど、レッドが炎ならお前は水ということか」

「ご名答♪」

彼の燃えるような赤い瞳は炎のようだ
逆に彼女は深い海のような青い瞳を持っている

「人間って水の中で息できないんでしょ?だったら私がアンタの息の根を止めるのも簡単ね」

「その前にお前を斬る」

「きゃー、怖い怖い」

まるで怖がっていないように棒読みで言いながらブルーは水の玉をジャグリングのように回した
彼女はいちいちグリーンに絡んでくるのにどこか無関心だ
矛盾しているようだが、グリーンの言葉にはどこか上の空なのだ

「でも、アンタみたいな無防備な人間は簡単に食べられちゃうわよ」

「お前達に人を食う趣味が?」

「そろぞれよ、アンタ達で言う、ワニを食べるか食べないか」

つまり、気違いな奴には気を付けろと言うことか
そう考えていると目の前に水の玉が現れる
この前、その水で岩を砕いていたのを見た
しまったと身構えるが水の玉は目の前で弾けて頬を濡らすだけだった

「そんなんじゃ、簡単に死んじゃうね」

「……やる気はないのか」

今はね、と彼女は新しい水の玉を出す

「アンタはレッドのお気に入りだから、アンタは大っ嫌いだけどあの子が悲しむのは見たくないから」

水の玉は彼女の掌に乗ると原型を無くし指の間から溢れ落ちる
グリーンはその様子をただ見つめるだけだった

「私はアンタのひい祖父さんが生まれる前から生きてる。私はずっとレッドの隣にいたの、大好きよ、だからあの子のためだったらなんでもするわ」

初めてブルーがこちらを見た
その瞳は深海の、さらに深いところ、そんな色をしていた

「あんたになんか負けないから」







緑→赤←青ぷまいっすわ
久々の特殊パロ
ちなみに
赤…炎 青…水 金…雷 銀…氷 紅…影
とか考えてます、自分的に青銀姉弟が組むと最強と思ってます


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