青い薔薇よりも




「ブルー!」

レッドに名前を呼ばれて後ろを振り向くと誰かが顔に向かって手を伸ばしているのが見えた
咄嗟に目を閉じるがそれがグリーンの手だと気づく

「なぁに?」

「少し大人しくしていろ」

言われた通りにじっとしていると横髪辺りで何か弄っているのだと気づく
手が離れていくと今度は柔らかく笑うレッドが手鏡で現状を見せてくれた
そこに映るのはブラウンの髪に可愛く咲く一輪の青い薔薇の髪飾り

「ブルー誕生日おめでとう!」

「レッド、グリーン覚えててくれたのね!」

「まぁな」

「当たり前だろ!」

その言葉に胸が熱くなった
二人とも忙しいのにわざわざ祝ってくれたのだ

「今日はグリーンもオレもフリーだからさ、ゆっくり誕生日プレゼント選ぼうぜ」

「えっ、でも髪飾りが」

「それで俺達が納得いくと思うか」


さぁ、お姫様

そう言いながら二人はブルーの両手をそれぞれ握る
その姿はまるでお伽噺に出てくる王子のようだった
そうすると自分はお姫様かと苦笑いを浮かべた
一人の姫に二人の王子様の話など聞いたことない

それに、こんな素敵な王子様達と私では不釣り合いではないだろうか

でも、とブルーはその手を握り返す

「じゃあ全部二人がおごってくれるのね!何買ってもらおうかしら」

「調子にのるな」

「あはは、お手柔らかに」

プレゼントなんていらない
ただ私が欲しいのは



「王子様を独り占めする時間をください」

いつまでも二人が私だけの王子様でいてほしい
無理だけど、それが私の一番の望み





青姉さんHappyBirthday!
いつもは緑赤+青が好きだけど、やっぱりマサラがすき
それぞれがもう二人のことが大切っていうのが好き



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