誰にもあげない



グリーンはモテる
そんなの出会ったときからわかってる
顔はイケメンだし、頭は良いし、運動神経も良いし、性格はクールだ
誰が見ても理想の男だろう

だからといって

「キャー、グリーン様Vv」

「カッコイイVvこっち向いて!」

何がキャーだ、そんな黄色い声はうるさいだけだ
女の子達がグリーンの周りに集まっては騒ぎ立てている
グリーンはかなり嫌そうで眉間に皺を寄せているし、邪魔だなんて言っちゃってる
しかし、女の子達は離れる様子を見せない

「……おもしろくない」

非常におもしろくない
グリーンとオレは付き合ってる、だから絶対、きっと、たぶん、グリーンが他の子に笑いかけることなんてない
だからといってグリーンにベタベタ触られるのは嫌だ

ピカがオレの顔を見て一歩引いた
それほど今のオレの顔が険しいことになっているんだろう

そして目の前のグリーンの頬に女の手が触れた

あっ、もう無理だ

半分無意識にオレはその集団に近寄る
女の子達がこちらを見てきたが気にしない
オレはこれでもかっていうくらいの満面の笑みを浮かべた「グッリ〜ンVv」

いつもより高めの猫撫で声でグリーンの腕の自分の腕を絡めた
今のオレは知ってる奴が見たら「お前誰だ」ってツッコミ入れたくなるくらいのぶりっこだ

「ちょっと!!アンタ何なのよ!!」

「私?」

私ってなんだ、一人称が違うぞ
たぶん後から恥ずかしくなるんだろうなと思いながらも女たちの方を向いてニッコリ笑って

「私はグリーンの彼女で、グリーンは私の、ダーリンでぇすVv」

この台詞どこかで聞いたことがあるような
目の前の女の子達は目を丸くしている、オレの頭上からクスッと笑い声が聞こえてきた
上を向こうとしたときだ、頬に柔らかいものが触れた

「焼きもちか、ハニー?」

「「「キャーーー―///」」」

今の叫び声はオレのも含まれる
今グリーン何て言った?えっ、もう一回言ってほしい、録音したい
というか、今何した
もしかしてキキキキキキキキ……///

グリーンは顔を赤くしているオレを軽々と抱き上げてこう言った

「悪いが、オレはこいつしか興味はない」

なんでこいつはこんなにカッコいいんだ
悔しいくらいオレは惚れ込んでいるようだ

「一生ついてきます///」

「よろしい」


大好きです、私だけの王子様






嫉妬赤ぷめぇぇ
ダーリン、ハニー呼び禿げる
皆もっと緑赤増やして、ベタベタに甘いリア充増やして


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