以心伝心ってやつ




ふと目が覚めた
物音とかそういうのじゃなくて自然と意識が浮上してきた

「ん……、まだ暗い……、夜中じゃんか」

でも不思議と頭が冴えちゃって今から寝る気もしない(然程寝ていないが)
どうしたものかと、ふと枕元に置いてあるポケギアが目にはいった

「今から電話したら……流石に迷惑だよね」

誰に、なんて聞くのも無駄だ
こんな風にレッドが顔をにやけながら思い浮かべるのは一人だけだから

「でもアイツのことだから今の時間も起きてそうだなぁ」

ちらっと見た時計の単身は2を少しばかり過ぎていた
だが、眠っていたらどうしよう
レッドは苦笑いしながらポケギアを手にとる
アドレスの中からその名前を見つけて見つめる

「声、聞きたいなぁ」

それだけ呟いて、無理にでも寝てしまおうと枕に頭を埋めた時だ
マナーモードになっているポケギアが小さなライトを点滅させて着信を知らせる
こんな時間に誰だ、と置きかけたギアを覗き込む

そしてそこに表示された名前を見て目を見開き、頬が緩むのがわかった

「もしもし?」

『起きていたのか』

そっちもね、と返せば向こうから鼻で笑うような声が聞こえた

どうしたの、て聞いたら耳元からは好きな人の声が聞こえる

『声が聞きたくなった』

心が満たされるようだ
この際だ、我が侭を言ってみよう

「会いたいな」

すると窓から羽ばたくような音が聞こえた
耳元からは『奇遇だな』と

「『俺もだ』」

機械を通じて、そして直接好きな人の声が聞こえた
レッドは微笑みながら窓を開け、客人を招き入れる

「こんばんは、グリーン」

これは一種の以心伝心






スランプで上手くかけないわ
これからラブラブ甘い大人の時間もいいし、一緒に甘甘リア充添い寝もOK


prev next
- ナノ -