後輩です、あの日から
「おいっ、来てやったぜグリーン先輩!!!」
中等部の一年の教室に盛大な叫び声が響き渡った
呼ばれたグリーンはいかにも迷惑そうな顔をしている
「呼んでない」
「えっ、誰?」
レッドがグリーンの肩から顔を出して音の方を覗き込む
そこに立っていたのは前髪が特徴的に跳ねている金目の少年
そして自分もよく知っている赤髪、銀目の少年がいた
「シルバー?」
「こんにちはレッド先輩、すみません騒がしてしまって」
こちらも迷惑だと言いたげな目で隣で騒いでいる少年をにらんでいる
眉間に皺を寄せ、細く目を釣り上げる姿は他者から見れば背筋が冷えるだろう
せっかく綺麗な顔をしているのに勿体無いと思う
「で、そっちの子は?」
一番気になる質問をしてみるとグリーンに向けられていた眼光が此方に向いた
「俺様か?俺様はな「小等部5年ゴールド、頭の出来は悪いけど実技試験ではそれなりに優秀な成績を出してるただの悪餓鬼」」
ゴールドと呼ばれる少年の言葉に重ねて彼の代わりに紹介してくれた声も聞き覚えがある
それと同時に背中に重みと微妙に柔らかいものを感じた
「ブルー?あの子の事知ってるの?」
「反応無し?冷たいわね。ゴールドはウチのシルバーのクラスメートよ」
「ちわっス、ブルー先輩。今日もフェロモンむんむんッスね」
なるほど、頭が悪いのは理解した
そんなことより背中が重い、二人分の体重がかかってるグリーンはより思いだろうが
表情を見てみればゴールドに対する鬱陶しさ以外は涼しい顔をしている
「でも、ブルー先輩、少し説明が足りないッスよ。俺はグリーン先輩の永遠のライバルッスから」
「「自称な」」
グリーンとシルバーの声が見事にハモった
そして何故かレッドの腕が引っ張られる
「俺がライバルだと認めているのはこいつ、レッドだけだ」
こうも改めて言われると照れるものがある
しかし目の前にこちらを睨んでくる金目
「こんなナヨナヨしたような細っこい奴がかよ、呆れた」
「あぁ〜、えっと」
「しかも女みたいな顔してよ、なっレッドちゃん先輩?」
その瞬間、頭の中で一本糸が弾けるような音が聞こえた
後ろであぁ〜といったブルーの声よりも響いた気がする
そして気づいた頃にはレッドはゴールドの腕を掴んでいた
「ちょっと良いか、ゴールド君?」
目だけ笑ってない笑顔である
有無を聞かず、彼はゴールドを引きずってどこかに行ってしまったただいまと教室に戻ってきたレッドはどこかスッキリしたような顔をしていた
そして変わったのはゴールドの態度
「レッド先輩、貴方には惚れました!!ぜひ弟子にしてください!!!」
この日からグリーンに付きまとうことはなくなった
しかしレッドへのベクトルが増え、ある意味ライバルが増えたと言えるだろう
青+緑→←赤←金+銀的な話
金がラチられた後の話はご想像に任せます
女顔気にしてる赤可愛いよね