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似た者夫婦


『ほら〜大悟、服着なさいっ!風邪引くでしょ!』

八戒と大悟がお風呂から出てきた
まだ濡れている大悟は、スッポンポンで部屋の中を楽しそうにキャッキャと笑って走り回る
そんな大悟をななし1はバスタオルを持って追いかける

「捕また!ほら、風邪引きますよ?」

八戒は大悟を捕まえてバスタオルで体をわしゃわしゃと拭いていく
ななし1は隙ありと言わんばかりに、パジャマを大悟に素早く着せていった
ななし1にとっては毎日戦争だ
大悟の遊びの矛先がまだ着替えていない八戒に向く前にしなくてはいけないので、大悟をくすぐる隙に八戒を脱衣場へと誘導する

「八戒、今のうちに着替えてきてね!!」
「はい、わかりました」



ーーーーーーー



「パパ、おやちゅみさい!」
「はい、おやすみなさい」

お風呂も入り、歯も磨いた
寝る準備が整うと、ななし1と大悟は寝室へと行く
八戒はそれを見送るとキッチンに立ち、夕飯の片付けを始めた


ーー小一時間後、


『やっと寝てくれたぁー…』
「お疲れ様でした。」

寝室から戻ってきたななし1は、腕を上げて身体を伸ばす
未だにキッチンにいる八戒に近き、何しをしているか覗けば、そこには弁当箱が並んでいた

大悟がななし1としか寝ない事もあり、その間に八戒は次の日に持って行く自分の弁当を作るのが日課になっている

『これ、明日のお弁当の準備?』
「そうですよ。テーマは愛妻弁当です。」

ニコニコとした顔で八戒はななし1を見れば
ななし1は目を細めて八戒を睨む

『………喧嘩売ってる?』
「あはは、すいません。冗談ですよ。」

嫌味か、とななし1が口を開こうとする
タイミング良く八戒からこれ味見して下さい。と口に入ってきたのは玉子焼き
丁度いい味付けに、美味しい!と答えれば、八戒からはよかった、と返ってくる

『ごめんね、本当は私が作らなきゃいけないのに…』
「気にしないで下さい。ななし1は大悟の事で大変なんですから、少しでも楽して欲しいだけですよ」

八戒の優しさに甘え過ぎているとななし1は思えば、なんだか完璧すぎる八戒と自分の差が激しくて、八戒の顔が見れなくなる
気まずさを感じたななし1は、下を向いた


「……ななし1、愛してます」

八戒はななし1の顔を優しく上げるとキスを落とし、手を引いてリビングにあるソファーへと足を運んだ

寝室に大悟が寝ている事もあり、ソファーに腰を下ろす八戒
自分の膝の上に向き合う形でななし1を座らせる


何度も口づけを交わせば、その内ななし1は八戒の首に手を回して熱い舌に応える

八戒はななし1の服の中に手を入れ、背中を指で滑らすとななし1の身体がピクンと反応した

そのまま服を脱がし、八戒はななし1の細い首筋にそって舌を這わせる

『…ンッ、ぁんっ……、八戒…、』

腕の中で喘ぐななし1に八戒の欲望も大きくいきり立っていく

「可愛いですよ、ななし1」

八戒は既に主張した乳首を指で愛撫すれば、甘い喘ぎ声を出すななし1

『…ひゃぁ、…アッ、……ダメっ、あぁっ、』

久しぶりの快感に、ななし1は涙目で首を横に振った
八戒はななし1のズボンに手をかけ脱がす

下着の隙間から指を入れればクチュ、と音を立てて八戒を待っていた

「……ッ、そろそろ挿れますよ?」

八戒は亀頭をななし1の秘部に押し当てる
待ち望んだそれに、ななし1はコクリと一度だけ首を縦に振る
じゅうぶんに濡れたソコはヒクヒクと八戒を誘っているようだ

慣らすようにゆっくり腰を動かして、根元まで挿れていく

『…ンッ、…ぁっ、はぁ、…』

身体の上でゆっくりと八戒のモノを受け入れているななし1に八戒は満足そうに目を細めて見つめた

そして、ななし1が後ろに倒れない様、背中に手を回して支えて下から突き上げる

『やあんっ、…あっ、…八戒ッ、はっ…あぁっ』

ななし1は声を上げ顎を仰け反らせた
久々の行為と目の前の興奮する姿に、八戒はゴクリと喉を鳴らす

苦しそうに上下に動かしながら、ななし1のイイトコロを突けば、もっとと言わんばかりに濡れていく

『…やぁ、……ぁんっ、…もぅ、無理ッ』
「……ッ、…僕も、です…」

腰を浮かせるたび、さらに激しく責め立てられ、ガクガクと揺さぶられるななし1

『…だめっ、イク、……あぁぁっ!』

ビクビクと身体を震わして逝ったななし1だが
達したばかりの敏感な身体に、八戒は休む間もなく突き上げて快楽を貪る

『ひゃぁん、ダメッ……あっ、…やぁッ…』
「ーーーーッ!!」

そのまま八戒はななし1の中に欲望を吐き出した

八戒の肩に顔を埋めるななし1
まだ息が整わないのか肩を大きく震わせる

八戒は優しくななし1の背中を撫でながら、落ち着くのを待つ


しばらくしてななし1が落ち着いたのが分かると、ななし1を抱きしめたまま話を始める

「ななし1は、僕の事どう思ってますか?」
『……へ?』
「ずっと不安だったんです。ななし1は、僕の事を異性として見ていないんじゃないかって」

ななし1は驚いた様に顔を上げて八戒を見た
まさか八戒からそんな事を言われるとは思ってもなかったからだ

『そんな事ないよ!………八戒だって、私の事を女として見てないのかもって……。』
「僕がですか?」

ななし1の言葉に今度は八戒が目を丸くして驚く
ななし1は思っていた事を八戒に話した

『だって……大悟が産まれてからは…スッピンに近いし、服だって動きやすい格好ばかりだし。』

「それはななし1が頑張っている証拠じゃないですか。それくらいで、僕がななし1を女として見れなくなる事はありませんよ」

『……けど、今日だって八戒が夕飯の準備してくれてたし、お弁当だって……』

妻としての自信がなくなり、八戒を見れず俯くななし1

「それは…出来る時に出来る人がやればいいと思ってます。
お弁当に関しては、大悟がななし1としか寝てくれませんし、その間、僕は暇ですから」

『…………。』

諭す様に八戒が言えば、ななし1はまだ腑に落ちない様な表情を浮かべていた


「ななし1?こっち見て下さい…

僕はななし1の事を愛しています。
それは何があっても絶対です。忘れないで下さいね?」
『………ぅん、ありがとう』

優しく頬を撫でる八戒の手が気持ち良く、ななし1が目を細める

「さて、夫婦の愛も確認出来た事ですし、大悟に弟か妹をって思いませんか?」

『………え?……今、何て?』


「もう一回シましょう」

『え、ちょっ、……んッ、ゃっあ、待って!』
「待ちませんよ、お互い誤解していた分、埋め合わせしないと…」

八戒の手がななし1に伸びると、まだ敏感になっているななし1が小さく喘ぐ
それを良いことに、八戒のがまた熱を持ちはじめるのだから、ななし1は断る事なんてできなかった

久々に夫婦としての夜が過ぎていった


ーーーーーーーーーーーーーーーー


ーーーーーーーーーーーー


ーーーーーーーー


ーーピーンポーン


「ヘイヘイ…お、どうした二人とも、」

悟浄がドアを開けると、そこにはななし1と八戒が居た
突然の訪問に珍しい、と悟浄は二人を部屋へと招き入れた

「今日は報告があって来たんです。」

報告?リビングでまったりしていたななし2と、二人の後ろをにいた悟浄が首を傾げれば、
ななし1はカバンからゴソゴソと何かを取り出した

ピラと見せられたそれを覗き込む二人


「「………あ。」」


そこにあったのはエコー写真
黒白の写真に映った、小さな影が二つ


「双子だそうです」
『ななし2と悟浄には、一番最初に報告したくて…』

「ちょっと前に相談してきたのに?」
「ヤることヤってんのかよ。」

『え、八戒も相談したの?』
「そう言うななし1こそ…」

八戒とななし1はお互いに顔を合わせる


「「……それくらい二人で解決しろよ」」

ななし2と悟浄が口を揃えた


(……似た者同士ですね、僕ら)
(……うん、そうみたい!)


END

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