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妄想注意報



『…あっ!…いっ、痛いから、ヤダ!…
……っ、だ、だめ!ホント、ダメっ!……
…、…あっー!痛いー!!そんなッ、触らないで!』


八戒と悟浄が買い物から帰ってきて
部屋のドアノブに手を掛けた時、部屋の中から聞こえてくるななし1の艶めいた様な叫び声

八戒と悟浄は顔を見合わせる

「……何してるんでしょう?」
「ナニってひとつしかねーだろ?」
「けど、三蔵と悟空ですよ?」
「だとしても、アイツらも男だぜ?」

ニヤリと笑う悟浄に八戒は眉を下げて笑う

『もー、ヤダッ!やめてよ!』

勢いよくドアが開き、ななし1が出てくる

『あ、お帰りなさい!』
「ぉ、おう」
「ただいま帰りました、遅くなってしまってすいません」

悟浄はななし1を見れず、自分の口元を手で隠して目を泳がせる
八戒は笑顔でななし1を見ながら悟浄の足を踏む

「ーー!!!」
声にならない声を上げる悟浄はキッと八戒を睨む

「ドアの前で何やってんだ?早く入れよ?」

悟空もななし1の後ろから顔を出した
悟浄と八戒が部屋に入るとななし1はジープと遊んで来るね、と部屋を出て行った


ーーーーーーーーーーーー


ななし1が部屋を出てから、静まる部屋に悟浄が痺れを切らして声を出す

「おい、悟空!さっき、ななし1と何してたんだ?」
「さっき?何してたっけ?」

なー、三蔵と悟空が聞くと三蔵は新聞を読みながら、あぁ?と答える

「テメェらが部屋でうるせーから説教されてたんだろうが」

「それで、正座させられて…ななし1、足痺れたって言うから…」

つついたら、すげぇー嫌がってさー!と思い出しながら喋る悟空

「悟空って意外とSなんですね」
「それであの声が聞こえて来たのか…」

悟浄が何か納得した様にタバコを吸う

「どうせ、くだらん想像でもしてたんだろ…」

三蔵は新聞から目線を逸らさず話す

「あはは、バレてますね…」
「あれは…勘違いするだろーよ」

八戒は三蔵の湯呑みにお茶を注ぎながら悟浄を見た
悟浄も八戒同様、苦笑いをする



「ななし1って案外、可愛い声出すよな!」


「「「…は?」」」


悟空の発言に三人の動きが止まる

「猿、言ってる意味分かってんのか?」

悟浄はタバコで悟空を指しながら目を細める

「…たしかに、悪くねェーな…」
「マジかよ…三蔵まで」

悟浄は項垂れ額を手で覆う
まさか、三蔵までこの話に乗ってくるとは思ってもなかった悟浄

「僕は寝ぼけてる時の声がイイと思うんですけど」
「ーー分かるわ、八戒」

お前もかと言わんばかりの悟浄だが、
八戒や三蔵の気持ちが分かるだけに否定出来ない

「ですよね、あの"おはよう"はなかなかですよ」
「俺も聞きてぇー」
「早起きしろ、猿!」
悟空に八つ当たり同然に一撃の蹴りを入れる悟浄


ーーーーーーーーーーー

『……入りにくいじゃん…』
「キュー?」

ななし1はジープの頭を撫でて部屋の前に座り込む

せっかく、ジープも部屋に入れてもいいと宿主から許可が出たのにと呟くななし1だった


END

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