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月が綺麗ですね


「なぁー、ななし1ってどうやってコッチに来たんだ?」

ジープに揺られながら悟空がそういえば、とななし1に聞いた

『え?なんか、こう…時空のひがみ?みたないなのに飲み込まれて…』

ななし1は両手を使ってバタバタと悟空に説明をする

「ななし1?ひがみ、じゃありませんよ、歪み、です」
「……僻んでどうする…」

八戒に直され、三蔵にツッコミを入れられる
悟浄には豪快に笑われ、お前、最高と頭をポンポンと軽く叩かる
悟空にも俺より馬鹿じゃんと笑われた

ななし1は俯き、顔は茹でタコみたく真っ赤になっていた

『うるさいー!ちょっと間違えただけだもん!』

ななし1は恥ずかしさを誤魔化す様に声を上げた



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今夜は野宿となった五人
軽く食事も終えて焚き火を囲む様に座る


「ななし1、月が綺麗ですよ」

八戒がななし1を見てニッコリと笑う
それに三蔵が素早く反応して八戒を睨む

「…あぁ、たしかに月が綺麗だな」

三蔵までもななし1を見ながら八戒の言葉を返した

『月?……って、出てなくない?』

ななし1は空を見上げて月を探すが見つからない
どこ?と月を探すななし1の姿に八戒はクスクスと笑う

「オイオイ、お前らだけズルくねぇーか?」

悟浄は何かを理解した様に話に入ってくる
そして、ななし1に月が綺麗だぜと言った

ななし1はみんなして出てもいない月を綺麗だって言うから訳が分からなくなっていた

「ななし1が困ってんだろっ!」

悟空が立ち上がってななし1の手を引く
よろけたななし1は悟空の胸に収まる

「だぁあー!このチビ猿、何してやがる!」
「うっせぇー、エロ河童!」
「猿が色目使ってんじゃねぇーよ!」
「使ってねぇーし!」



「ーーいい加減にしろッ!!」

三蔵は銃を構えて悟浄に向けて発砲する

「あっぶねー!なんで俺だけなんだよ?!」

怒る悟浄に三蔵はななし1に当たったら困るだろと言い放つ

三蔵と悟浄が言い争いをしている中、
「悟空、いい加減、離してもらえますか」
と黒いオーラ全開で悟空に笑顔を向ける八戒

悟空はななし1から離れて八戒の横に座る

ななし1は顎に手を置き、何かを考えている
あ!と何かを閃いたように、



『今日は暖かいですね!』

ななし1が不意にそう言ってみんなに笑顔を見せた

全員の動きが止まったの見てななし1はクスクスと笑って
おやすみなさいと、ジープから毛布を取り出し、後部座席に寝転んだ

その姿に、やられた!と思う三人と
ななし1の笑顔に可愛いと思う悟空だった



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オマケ

「なー三蔵、月が綺麗ってどーゆー意味?」
「……愛している。だ」
「なら、暖かいですね、は?」
「……あなたが傍にいてくれて幸せです。だ」


END

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