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快楽と意地悪




ガチャリと玄関を開け、家に着いたのは深夜だ。

ここのところ八戒は多忙で、日付を跨いでから帰宅する事が多くあった。
今日もいつもに習って、遅い帰宅だ。

おそらく、睡魔と闘いながら待っているであろう愛しい恋人を抱きしめるべく、リビングに向かうと。



「…………………?????」



ななし1が、居ない。

もしかすると寝ているかもしれない。と静かに寝室のドアを開くも、ベッドにそれらしき膨らみは無かった。

それだけではない。

風呂場やトイレ、ベランダも覗いて見たのだが、彼女の姿が何処にも見当たらないのだ。

時計を見れば、時間は深夜の2時だ。

こんな時間に家に居ないだなんて。とケータイを取り出すと、手慣れた様にななし1のアドレスを開き、すぐに電話をかける。


『おかけになった電話は、電波の届かない所にいるか、電源が…ー』


聞こえたガイダンスは、彼女の声ではなくて。


同棲を初めてから、こんな事は初めてだ…と八戒は焦った。
彼女の身にもしもの事があれば…と嫌な想像ばかりしてしまいそうで。
とにかく、探さないと。でも、探すにしたって、何処を??

八戒は焦る気持ちを抑え、ななし1が行きそうな場所を思い出す。



悟浄の家??…彼は今日、恋人の家に居るはずだ。

三蔵と悟空の家??…何の為に…?

一緒に行くお気に入りのバー……可能性はある。

近所のコンビニ……は、今しがた通った帰宅路だから、居たら分かるはずだ。


とにかく。入れ違いの可能性を信じ、出掛けてみよう。
そう思った時、玄関の鍵がガチャガチャと音を発てた。



急いで玄関に向かうと、ななし1がヒールを脱いでいて、八戒を見るなりへらり、と笑って駆け寄った。


「八戒ぃ〜、たっだいま〜っ!!」

「、ななし1……貴女、今何時だと思ってるんですか…!?」

ポスッ、とななし1は八戒の胸に飛び込んだ。
八戒は彼女が無事で良かったと安心はするも、こんな夜遅くまで出掛けているのは感心しないと眉間にシワを寄せる。


「……ななし1、どれだけ飲んだんです…??」

「…ん〜と、楽しく、なっちゃって、ねぇ〜八戒ぃ〜っ…怒ってるのぉ??」

「…………、」


八戒は眉間にシワを寄せて彼女を見ているものだから、顔を上げたななし1が八戒の顔に手を伸ばし、シワを無くす様に眉間を指で押す。
悪気も全く無いようにケラケラと笑うななし1に、とても心配していた事が少し怒りに変わる勢いだった。


「………、八戒ぃ…怒るの、ヤダ!」

「………心配かけなければ怒りませんよ。」


甘えた声で八戒にすり寄るななし1。
普段であれば、こんなにも積極的に甘えてくれる行為をとても嬉しく感じるのだが。
今の八戒は若干の怒りと呆れで、少し当たりが強くなってしまう。
そんな八戒を見たななし1は彼の手を引き、リビングに連れて行くと、急に八戒の胸板をドス、と押した。

「……っ!?!」

押された衝撃で、八戒はソファーに転ぶ様に倒れ込んだ。
急に何事かとななし1を見れば、彼女はトロンとした目で、まるで八戒を見下げるように見下ろしているではないか。

「……っななし1!?貴女本当にどうしたんですか…っ!?」

「ん〜〜…ぅ??」

八戒の質問に、ななし1は回答になっていない返事をすると、あろうことか八戒に馬乗りになる形で座った。


八戒のネクタイを緩め、シャツのボタンをプチプチと開ける。

はだけたシャツから見えた首筋に、ななし1が唇を寄せる。

「……っ!?」

キツく吸われ、恐らく赤い跡になっているだろう首筋。
普段恥ずかしいと言ってやらないことの数々を、次々にやっていくななし1。

いつもと様子が全く違うななし1に、八戒は焦り、彼女両腕を掴んで引き離す。


「ななし1!!貴女、いつもと…ん!!?」


引き離された時、ななし1は一瞬うつ向いていたのだが、顔を上げると妖艶に笑っていて。
押さえられた腕など、気にしないと言うかの様に、八戒の唇に飛び込んだ。

そんな勢いに八戒はソファーの背もたれにドサッと倒れ、彼女のキスを受ける。


「んぅ……ん、はぁ………ん…っ」


彼女の荒い息遣いが、八戒の耳を犯す様だった。

されるがままのキスを受け止めていたが、八戒も舌で彼女の唇を舐めれば、お互いの舌が自然と絡み合う。
角度を変えながら長時間行われるキスに、二人とも抱き合い、背中や身体をまさぐり合う。

ななし1は唇を離すと、満足そうに見下ろした。
少し乱れた髪に、紅潮した頬。

それがとても扇情的で、思わず八戒は喉を晴らした。

ななし1はプチプチ…と残りのシャツのボタンを
全て外していく。
八戒のシャツが羽織っただけの状態になると、中のインナーを卷繰り上げる。
そっと唇を近付け胸板にキスをすると、シャツの間から見える八戒の乳首に、唇でついばむようにキスをする。

「……っく、………っ」

くすぐったさと小さな快感で、八戒の口から吐息が漏れると、ななし1はまるでしてやったり…と言うかの様に、唇に弧を描いて、舌を出した。

舌先で八戒の乳首をチロチロと舐めると、八戒は待ち望んでしまった快感に腰が浮いてしまう。
下着の中で潜んでいる一物をアピールする様に、衣類越しのななし1のソコに擦り付ける。


ななし1はニヤリと笑うと、八戒の身体を指先で触れるか触れないかのもどかしさでなぞっていく。

空いている手で、反対側の乳首を指先でそっと撫でてやる。小さくながらも主張するそれに、ななし1は唇を這わせるとカプリと甘噛みをした。八戒の身体が小さくくねれば、乳首を弄っていた手を腹筋へゆっくり下ろしていく。

つつ、と感じるもどかしさに、八戒の口から再度快楽の吐息が漏れる。
それを楽しむ様に、ななし1の足がもぞもぞと動けば、衣類越しに一物を刺激され。


「……はぁ………、ななし1…」

八戒が、より悩ましい声を上げるのだ。

ななし1は身体を離すと、自分の服を脱ぎ始める。自身のシャツのボタンを外し、スカートのファスナーを下げればスルリと脱いでいく。

彼女の開かれたシャツから見える下着と素肌に、八戒は酷く興奮した。



ななし1は八戒の足の間に割り込み、床に膝を立てると、八戒のパンツを脱がそうとベルトに手をかけた。
カチャカチャ、と言う音が部屋に響く。

八戒はこれ以上主導権を握られるのも癪だと止めようと思うのだが、愛しい恋人がここまで積極的にコトに及んでくれる事が初めてで、無理させたくないと思う気持ちの半面、これからされるコトの期待半面、どうしようかと葛藤がある。

それでも、情熱的なななし1に、身を任せてみたい…と期待してしまうのだった。


ななし1がベルトに夢中になっているスキに、八戒は自身のネクタイを外し、乱雑に衣服を脱いだ。

ななし1は八戒のパンツのファスナーを下げると、パンツと下着を一緒に脱がそうとする。
八戒もななし1の肩に手を置き、脱がせやすい様に腰を浮かしてやる。ずるり、と脱がされた衣服から、姿を現す八戒の一物。


「…、八戒の、も…おっきぃね…?」

「そりゃ、アナタが興奮するようなコト…してくれますからねぇ……。」


上目遣いで聞いてくるななし1は、八戒の内腿から恥骨を指で優しく撫で上げた。
このまま指を上に向かわせてくれれば、完全に勃起した一物を触ってもらえる…と期待してしまうが、彼女の指はまるで迂回するかの様に、肝心な肉棒には触れてくれない。
もどかしい…と思う程、八戒の肉棒はピク、と勝手に動いてしまう。

切ない顔で息を荒くする八戒の表情なんか気にもせず、ななし1は腹のキズにキスをした。
そのまま唇を下半身に下げ、道を作るようにキスを落としていく。


そして八戒の待ち望んだ、快感。


ななし1は八戒の肉棒を指でそっと触ると、先端にチュ、とキスをした。

そのまま舌先で先端を舐め、根元まで舌を這わしていく。
指でゆるゆるとシゴかれる感覚と、気持ちイイ所を知っているかの様に舐めてくるななし1が堪らなく可愛く見える。
一生懸命奉仕をするななし1の髪の毛が顔にかかると、八戒はそんな彼女の顔がもっと見たくて、髪の毛をそっと流して耳にかけてやる。
そうすれば、ななし1は肉棒を舐めながらニコッと見上げて笑うのだ。


「……このシチュエーションで、その笑顔は反則……ですね…っ」

「…、八戒は、こーゆーの、嫌い…?」

「………ふ、…こんなになるんです、嫌いな訳、くっ…ないじゃないですか…っ」


八戒、苦しそう。とななし1は肉棒を口に咥えると、根元まで押し込む様に口に含む。
エグい形をしたソレは、ななし1の喉を苦しく犯す様で、やり過ぎればえづいてしまうのを我慢して、喉奥まで咥えこむ。

「……く、はぁ……っ、、ななし1、あぁ…っ」

「んう"……っん、ふぁ…ん…っ!!」

気持ちイイです、と続ける八戒は、ななし1の頭を両手で押さえ、自身で腰を振り始める。

「んぅ"……っんー!!んぅ…!!」

「っく、はぁ……ぁっ…!」

八戒の一方的な快楽は、ななし1にとってはまともに息が吸えず、えづきに耐え、その苦しさから自然と涙が瞳から溢れる行為だった。
喉が限界を迎えそうなななし1が、無理矢理八戒の肉棒から口を離す。

「……っ、ごほ、ごほっ、」

「っあぁ…すみません、苦しかったですよね……?」

手の甲で口を押さえながら、ななし1が咳き込む
と、八戒はななし1の背中に手を回し、抱きしめてやる。
しかし、射精感を感じていただけに、八戒が苦しそうな表情を浮かべた。

そんな八戒はななし1の下着を脱がすと、そのまま馬乗りになるように座らせた。
指で局部を触れば、ななし1のソコは十分な程に濡れていて。


「なんだか、今日のななし1はとてもエロくて…、興奮しちゃいました…」

「……八戒…、」


八戒は一物を手で支えるとななし1のソコに宛がい、くちゅくちゅと亀頭で入り口をかき分ける。

「……んぅっ…」

ズプリ、と亀頭を挿入すれば、ななし1の口から吐息混じりの喘ぎ声が漏れる。

「ぁん……っんぅ……八戒ぃ…!」

「ななし1も興奮してくれていて、嬉しいです……、」

充分に濡れたソコが、どんどん八戒を咥えていく。
少し抜いては腰を進め、根元が入る頃にはななし1の良いところに八戒の亀頭が当たる。

「や、あっ、…んぁっ…!」

体勢的にいつもより深く入る圧迫感に、ななし1が苦しそうに喘ぐと、八戒はななし1のブラを卷繰り上げ、胸に口を寄せた。
既に主張している突起物を口に含み、舌で転がしてやる。

「……ふぁっ……はっ…かぃ……んぅっ………っ」

今度は八戒がななし1を上目遣いで見上げれば、快楽にもがいているななし1と目が合った。
彼女の瞳には、涙が溢れてしまうのではないかと言うほど潤っていて、頬も先程よりも紅潮していて。
腰を反らして自我を保とうとするななし1の姿はとても可愛らしく、八戒の肉棒がビクリと脈を打つ。

ユサユサとななし1の身体を揺らし、自身も腰を突き上げる。

「あぁんっ…あ、んっ、ソコ…っ好き…っ」

「…くっ、……ふ…知って、ます…よ…っ」

八戒が少し身体を反らせば、カリがななし1の一番感じる所を引っ掻き、ななし1のナカがキュンと絞まる。
八戒もソレがとても気持ちよく、ななし1の腰を掴んではガツガツと揺さぶってしまう。

「やぁ…ん、八戒ぃ、はげ、し……ぃっ」

「あぁ……ななし1っ、気持ちイイ、です…スゴく……」

八戒の背中に手を回し、イイ所が当たる様に身体をくねらせれば、八戒の口から荒い息遣いと共に快楽の声が漏れてくる。

「…はぅ、ぁんっ…、あぁ…っも、…ぁ、ダメ…っ」

「イイ、ですよ…ハッ…ぼくも…、!」

八戒もななし1の背中と腰に手を回すときつく抱きしめ、追い討ちをかける様に腰を振った。

ぴったりと密着した身体にななし1は幸福にも近い興奮を感じ、八戒の一物を誘うように自らも腰を振る。


「あ、あぁっ…イク…っあぁぁぁんぁ…っ!!」

「……ふっ、く……っ…ぅぁ…でる…っ!!」


八戒はななし1をガクガクと揺さぶれば、堪らなく気持ちイイ射精感を感じ、彼女の最奥で強く欲をぶちまける。

ドクドクと注がれる欲と肉棒の脈に、快楽に溺れたななし1が絞り採るように腰をくねらせば、八戒はうめき声にも近い吐息を吐く。

呼吸を整えるようにななし1が体重を八戒に預ければ、八戒もソファーの背もたれに倒れこむ。
肉棒が時より脈打つと、ななし1もピクリと小さな快感に身体が反応した。

未だに八戒をしっかり咥えこんで離さないななし1の中が、キュウキュウと痙攣を繰り返す。
ぐったりとしている本人を見て満足そうに笑みを浮かべた八戒は、彼女を抱えたまま、よいしょ、と立ち上がり、汚れてしまったソファーもそのままに、風呂場へと連れていくのだった。


風呂場でもうワンラウンドするのも、悪くはないと思って。


end

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