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身長差



『よいしょっ……もう少し!』

ななし1は自分より高い位置にある本を取りたくて目一杯背伸びをする

「コレですか?」

突然、後ろから声がした
ななし1が振り返ると八戒が立っていて
目一杯に背伸びまでして取ろうとしていた本を簡単に取ってしまった

『あ、ありがとう、八戒!』

どうぞ、と渡してくれる八戒にお礼を言う
けれど、自分があんなに背伸びをして取ろうとしたのに、と少しだけ悔しいと思うななし1

「クスクス、背伸びして頑張ってるななし1はなかなか可愛かったですよ」
『〜〜っ!』

不意にそんな事を言われ顔が赤くなる
恥ずかしさを隠すように、受け取った本を握りしめる

『八戒が大きすぎるの!』
「そうですか?……ほら、ぴったり」

そう言って八戒はななし1を抱きしめた
突然の事にななし1の顔が更に赤くなる

『〜〜〜っ、ど、どこが?』

抱きしめられたななし1には八戒の胸しか見えない
ぴったりどころか、八戒の顔を見るには顔を上げなくてはならない

八戒からすれば、胸の中にぴったり収まるななし1が上目遣いで自身を見てくれるのが嬉しくてたまらない。

一方、抱きしめられたままで返事が返ってこない八戒に、ななし1は不思議に思って顔を上げる


『八戒?』

(ーー自覚して無いんですかねぇ今、自分がどんな顔で僕を見ているのか…)


急に黙って、どうしたの?と首を傾げななし1が聞いた

「いえ、ちょっと考え事を」
八戒は眉を下げて笑顔を返す

(ーーそんな顔で見られたら、抱きしめている手を離したくなくなりますね)

『大丈夫?』
「大丈夫ですよ、ななし1はずっと僕と一緒いて下さいね?」

ななし1は当たり前じゃん!と言って
背伸びをして八戒にキスをした




END

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