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策士、策に溺れず



皆が寝静まるのを待って八戒はななし1の布団に入る
気配を感じたななし1が目を覚ますと八戒に後ろから抱きしめられていた

『…八戒?』
「起こしちゃいました?」
『大丈夫、どうしたの?』
顔だけを八戒の方に向けみんなが寝ているから小声で話すななし1達

八戒は首筋にキスを落とし
突然、八戒が服の中に手を入れてくる

『え?待って!みんな居るし!』
「大丈夫ですよ、ななし1が声を我慢すれば」
『いや、そういう問題じゃなくてっ!』

八戒が後ろから抱きしめられる形で胸の突起を器用に弄る

『…んっ、…あ、はっ、八戒…』
「声、聞こえちゃいますよ」
八戒はななし1の耳元で囁く

その声と吐息に身体をビクっと震わせ
声が漏れるのを手で押さえる

『ダメっ…みんな、起きっ、…ちゃう』

八戒の方に身体を向けたいが、身体を抑えられている為叶わなかった



事の発端はーーーー

村に到着し、買い物も終えた一行
今回は部屋の空きがなく一部屋しか取れず、雑魚寝が確定していた

そんな中、八戒は買い忘れがある事に気づいて一人買い物に行った
宿に戻ると部屋の中から楽しそうな声が聞こえてくる

「なんか、楽しそうで…」
八戒は荷物を入った紙袋を抱えて部屋に入ったが、部屋の中の光景に紙袋を落とした

『あ、八戒おかえり!』
「ななし1!?なんて格好してるんですか!」

ふぇ?と自分の姿を確認する
キャミソールに短パン姿だったななし1
着ていたと思われる服はに無造作に落ちていた
八戒は部屋にあるタオルケットをかける

「貴方達もですよ!何してるんですか!」

上半身裸の悟空と悟浄と三蔵は法衣の上だけ脱いでいたが、さほどいつもと変わらない状態だった

八戒が何をしていたか問い詰めると
暇になったななし1達は悟浄の提案で野球拳をしていたのだった

「ななし1、仮にも貴方は女性なんですよ?
自覚がないわけじゃありませんよね?」

八戒は大きなため息をついてななし1を諭す

「悟浄達もですよ!ななし1を巻き込まないで頂けますか?」

八戒は普段見せない鋭い目つきで悟浄達を睨む



そんな事があり、冒頭の状況に至る



『…あっ、…もぉっ、八戒、…ダメっ、』
ななし1は身体をビクビクと震わせる
我慢をしていても八戒から与えられる快感に声が漏れる

「ななし1、とても可愛いですよ」
『…ひゃぁ!』

ななし1の首をペロリと舐める八戒を睨みつければニッコリ笑う彼がいた
少し解放された腕から八戒の方へ向きを変え頬に手を添えた

『昼間の事怒ってる?』
「いえ、怒ってはないですよ、
ただ、ななし1は僕のですから、ちょっかいを出さないでください、って思っただけですよ」
『…?急にどうしたの?』
「気にしないで下さい」

今まで小声で話していたのだが、突然普通に喋る八戒に驚くななし1
そして、ななし1は気づいていないが
三人の肩がピクッと動いたのを八戒は見落とさなかった

八戒の頬に添えられた手を握ぎりグッとななし1を寄せ覆い被さる様に体重をかけて唇を合わせる


『…んっ、…あ、はぅ、ん…』

角度を変えながら何度も口づけられ、ななし1は声が漏れない様に必死に耐えるも、小さい吐息が漏れてしまう

唇を離せばどちらのか分からない糸が二人を繋ぐ

耳にキスをされ頬に首、胸へと下がる八戒

『んっ、ちょっ、…待って!』

ななし1は慌てて八戒の肩を上に押し上げる
みんなのいる前ではさすがに嫌だと思ったななし1は涙を溜めた目で訴える

ななし1の必死な姿に八戒は笑った

「あはは、冗談ですよ、さすがに僕も公開プレイは趣味じゃないですし…
けど、もう昼間みたいなことはしないで下さいね、次は本気でヤリますよ?」

『やっぱり昼間のこと気にしてたんだ』
ごめんなさい、もうしません、と言うななし1に
チュッと音を立ててキスをする

八戒は上から横に移動してななし1を引き寄せ自身の腕をななし1と枕の間に滑り込ませる

八戒に頭を撫でられ腕の鼓動に段々と瞼が重くなるななし1

『おやすみ…』

スヤスヤと寝息を立てるななし1を八戒は愛おしいそうに抱きしめ眠りについた



ーーーーーーー



「ふぁああー!!」
大きな欠伸をする
昨日の出来事によく眠れなかった悟浄

目を細めて八戒を見れば気持ちが悪いくらいニコニコと笑顔で三蔵にコーヒーを差し出していた

三蔵はまだ寝惚けてるのか、煙草咥えたものの、火を点けずにボーっとしている
八戒からコーヒーを受け取り、煙草に火が点いていなかった事や、八戒のわざとらしい笑顔に舌打ちをする

悟空は悟空でいつもなら起きてすぐに腹減った!と騒ぐのに今日はやけに静かだった
そして時折何かを思い出したように顔を赤くする

「あれ?皆さん、寝不足ですか?」
「「「テメェーのせいだろッ!!」」」

八戒の言葉に全員が口を揃えた



END

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