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泡とお風呂と君と



「なぁー、これって何だ?」
悟空がポケットから取り出したのはピンクの小さなボトルに入った液体

三人部屋の三蔵、悟浄、八戒は
悟空の見せたソレに一瞬動きが止まる

「悟空?それはどうしたんですか?」
最初に口を開いたのは八戒だった
八戒は悟空に笑顔を見せるが、目は笑っていなかった

「さっき、買い物に行ったら貰ったんだ!
たしか、バ…バス…なんとかって言ってたぞ」
「貸してみろっ!」
悟浄は悟空の手から取り上げてピンクの瓶の裏をよく見る

「バブルバスじゃねーかよ!」
悟浄は正体が分かりポイッと悟空に返し
悟空は何だそれ、食いもんじゃねーのかと少し肩を落とす

「シャボン玉をたくさん集めた様な風呂が出来るんですよ、悟空」
八戒が悟空にでも分かる様に説明すると
なら、今日ななし1と使おう!とウキウキしながら部屋を出て行った

「あの猿本当に分かってんのか?」
「…放っておけ」

ーーーーーーーー

「なーなー、ななし1一緒に風呂入ろうぜ!」
『はぁ?!悟空、自分が何言ってるかわかってる?』

夕飯も終わりそれぞれの部屋に戻り、落ち着いた頃に悟空はななし1に話を切り出す
ななし1はまさかの言葉に悟浄みたくイヤらしさが無いだけに戸惑う

「これ、貰ったんだ!
八戒は泡が出て楽しいって言うからななし1と入りたくて…」

ピンクのボトルを見せてくれた悟空は捨てられた子犬みたいでななし1はバスタオルを巻く条件で一緒にお風呂に入る事にした




『わあー、すごい!見て見て〜』
案外、入ってしまえば恥ずかしくないな、と思うななし1は頭に泡を乗せて悟空に見せる

湯船がどこかわからなくてなるほど、大量の泡が出来ている
用量を確認しなかった悟空が、ボトルの中身を全部湯船に入れてしまい、もこもこと泡が増えていってしまった
そんな泡の中で動けば、弾かれた泡がシャボンになって宙を舞う

『たまには、こーゆーのも悪くないね!』
「だろっ!ななし1は絶対、喜ぶと思ったんだ!」

ニカッと笑う悟空にその自信は一体、何処から来るのやらと思うななし1
内心、そう想ってくれる悟空に嬉しくもなる

ななし1は沢山の泡を持って悟空の頭に乗せてクスリと笑う
先に上がるね、と言って湯船から出た
それを追うように、悟空も風呂を上がるのだった




お風呂から上がったななし1と悟空
ブラトップに短パン姿でななし1は悟空の頭をタオルで拭いてドライヤーをかけてる

悟空は椅子に座って気持ち良さそうにしていた
髪が乾いてはい、終わりとななし1が言うと

「サンキューなっ!ななし1は俺がやってやるよ!」
『ホント?ありがとう』

悟空はドライヤーのスイッチを押して意外と器用に髪を乾かしてくれる
ある程度、乾いた髪を撫でる様に触る

「髪サラサラだな、すっげぇー綺麗…」
『…悟空?』
「なんかさ、俺…ななし1と居るとドキドキしてここがキューってなるんだ」

悟空は自分の胸に拳を当てる
それを鏡越しで見たななし1は悟空の方へ体を向けて悟空の腰に手を回す

『多分、それは恋、かなぁ?
私はそうだったら嬉しいなって思うよ』
「…恋?俺、ななし1に恋してんのか?」

素直に聞いてくる悟空に可愛いなぁーなんて思うななし1

「じゃぁさっ、コレで俺のだからな!」
そう言う悟空はななし1の肩に手を置いてゆっくり近づき、首に赤い印を付けた

『……っ!ど、どこで覚えたの?!』
「三蔵が「テメェーの大事モンには、印付けとけ」って、言うから…」

いや、違う、そうじゃない、と思いつつも
それ以上聞くのをやめようと思うななし1でした


END

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