※シズイザ&来良組
何の変哲もない午後。平和でのどかだった池袋の街中は、二人の青年のおかげで一気に危険な場となった。
「い〜ざ〜やああああぁ!!てめぇ、なんで池袋にいるんだよぉ!」
「しょうがないじゃん、仕事なんだし。」
標識を引っこ抜いて振り回す、金髪のバーテン服を着た平和島静雄と、それをひらりひらりとかわす、黒づくめで紅い瞳の情報屋折原臨也。
この二人が街中でばったり会ったとき、池袋は戦場と化すのだ。
「今日こそボッコボコにしてやるよ、臨也!!」
「うわ〜、そりゃ大変。」
静雄が空いているほうの手でコンビニのゴミ箱を持ったのを見て、臨也はポケットから2、3本ナイフを取り出す。そして静雄に向かって、一気に切り付けた。
「うわーー!!またやってるよ、あの二人!」
明るい茶パツでピアスをした少年、紀田正臣が二人の喧嘩を野次馬になって見ていた。
「ちょっと、正臣。あんまり近づくと巻き込まれるよ。」
その隣にいた黒髪の少年、竜ヶ峰帝人は正臣の腕を引っ張りながらため息をつく。その様子を大人しそうな少女、園原杏里は戸惑いながら見ていた。
「だって、帝人!!こんなに近くで見られる機会なんて、滅多にないだろ?今しかないんだって!」
「もう、どうなったって知らないから・・・。園原さん、行こう。」
帝人は正臣を軽蔑した眼差しで見つめ、杏里の手を引く。
「ちょっ、なんで杏里まで連れてくんだよ!杏里だって二人の喧嘩見たいだろ!?」
「えっ・・・、私は・・・・。」
「おいっ、園原さんを巻き込むな!!」
今にもバトルが勃発しそうな帝人と正臣に焦った杏里は、あわてて口を開いた。
「あの・・・・・なんか楽しそうじゃないですか?」
「「え?」」
杏里の突然の質問にきょとんとする二人。
「俺と帝人が?」
「いえ・・・、静雄さんと臨也さんがです。」
激しくぶつかり合う二人を見ながら、杏里は呟く。それを聞いて、帝人と正臣も二人の様子に目を向けた。
「・・・・確かに、二人とも生き生きしてるね。笑ってるし。」
「もしかして、デキてたりして〜。」
正臣の言葉に、帝人は持っていた携帯を落としそうになる。
「な、なんでそうなるの!?」
「だって、めっちゃ仲良さそうじゃん。はたから見れば、痴話喧嘩みたいじゃね?」
「こんな痴話喧嘩が、この世にあってたまるか!!」
「あはははっ、冗談だって!」
正臣は声をあげて笑った。
いつもはそんな二人を見て笑う杏里だが、なぜだか静雄と臨也のほうをずっと見ている。
「どうしたの、園原さん。」
「・・・・・あの、二人揃ってこけちゃいましたよ。」
「「えぇ!!」」
帝人と正臣は、再び二人のほうを向く。すると、まるで静雄が臨也を押し倒したかのように覆いかぶさっていた。それを見て帝人は小声で囁く。
「・・・・てゆうか、二人とも顔赤くない?」
「・・・・・ほんとだ。あっ、臨也さんなんか逃げちゃったし。すげー速さ。静雄さん、固まったまま動かないな・・・。」
「「・・・・・・。」」
顔を真っ赤にして全力疾走する臨也に、同じく真っ赤にしたまま動かない静雄。帝人と正臣は、二人を見て同じことを頭に思い浮かべたが、あえて言わなかった。いや、言ってはいけない気がした。
「なんか・・・好き同士の二人って感じですね。」
「「っ!!」」
まさに今、心の中に思い浮かべたことを杏里に言われて、帝人と正臣は揃って声を失う。
「やっぱり、第三者から見たらよくわかるって、本当なんですね。」
なぜか嬉しそうに話す杏里に、帝人と正臣はただ頷くことしかできなかった。
They love each other!!
(気づいていないのは、彼らだけ。)
ーーーーーーーーーーーー
初めて第三者目線で書いたかもww
来神組も好きだが、同じくらい来良組も好きです!
でも、激しくキャラ崩壊してる気が←
なんか杏里が最終的に腐女子っぽくなってしまいました(笑)
雑ですいません(泣)
from西瓜