■この想いがsideC(クレリド)


>>sideC

「ねークレス」
「ん?どうしたんだい?」
「あのバンダナ、あげちゃって良かったの?」

ブルームをもてあそびながら、アーチェはクレスに尋ねる。

観客達も興奮が冷め切らないのだろうか
背後の闘技場から、未だ止まない歓声が耳に届く。

自身の手に残る感触を確かめるように、クレスは拳を握り、目を閉じて先の試合を思い返す。
赤い髪に、空色の瞳をした少年・・いや、青年か。歳はさほど変わらない様に見えた。
実力もかなりのものだろう。対する自分も日頃の修行の成果を発揮し、良い闘いが出来たと自負している。

「ちょっとクレスー、聞いてんの?」
「あぁ、ごめん、聞いてるよ」
「クレスのお父さんの形見だったんでしょ?あげて良かったの?」
「うん、良いんだ。きっと・・・彼を守ってくれる」

見上げれば、異世界の青空が広がる。
だが、自分は決してこの日のことを忘れないだろう。
どんな世界(ばしょ)に居ても、空を見上げる度に、きっと思い出すだろう。
そして、この想いが、いつか


「じゃあ、そろそろ皆の所へ戻ろうか、アーチェ」
「オッケー!」

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