■誼と言えば聞こえはいいが(クロリド)
謎の警察要素うっすら漂う現パロ


「無事か!ハーシェル!」
けたたましい音を立て、目の前の扉が文字通り蹴破られる。
拳銃を構え部屋に押し入って来た人物の姿に、リッドは軽い頭痛を覚えた。
そういう事はズボンを穿いてやれ、少なくとも膝上のタイトスカート(制服)+市販のストッキング+支給品の靴でやることじゃねぇ。
つかヒールで現場くんな、どうせ後先考えずに飛び出してきたんだろうが。
以上の突っ込みが脳内を駆け巡り、リッドはどんよりとした面持ちで溜息を吐いた。

「お〜、無事だよ」
生憎両手が身体ごと縄で縛られているので、諸手を挙げて彼女を迎える、なんてことは出来ないが、兎にも角にも自分の無事を伝える。
「助けが遅くなって申し訳ない。無事で何よりだ」
閑散とした部屋に年代もののデスクが無造作に置かれ、その脚に括り付けられる形でリッドは拘束されていた。
「つかお前、見張りとかうじゃうじゃ居たと思うんだけど」
ここアイツらのアジトだし、敵の本拠地ってヤツじゃん?廃墟同然のボロビルだけど。
嫌な予感をヒシヒシと感じながら、リッドは一応問う。
「あんなならず者共、ヴァレンス家直伝の剣術があれば、棒切れ一本で壊滅させられる」
「さいですか・・」
クロエは問い掛けに答えながらリッドを拘束する縄を解き、そしてリッドに頭を下げた。
「この度は本当にすまなかった。私の早とちりでハーシェルをこんな目に合わせてしまって・・」
「あー・・もう良いって、慣れてるし、これが初めてって訳でもねぇし」
その指摘にう・・とクロエは言葉を詰まらせる。
「オレもヘマしちまったしな。だから社内食堂の一番高いスペシャル定食、今度奢りな。それでチャラだ」
「・・恩に着る」
彼の対応につくづく自分は助けられているなとクロエは言葉に出さず、苦笑の混じった笑みを浮かべた。

話も一段落した所でさて脱出を、そう考えた時、クロエは首を傾げた。
「ハーシェル?行くぞ、もうこの施設は制圧済だ、後は貴殿の帰還を待つばかりなのだが」
しかしリッドが立ち上がる気配はない。
「・・だから、言っただろ?オレもヘマやらかしたって・・」
「まさか足が・・、なるほどハーシェルともあろう者がこんな脆弱な組織に捕らわれたのはおかしいと思っていたんだ」
素早く原因を突き止める観察眼は流石だが、本当にどうして、こうも猪突猛進なお嬢様に育ってしまったのか、とリッドは嘆かずにはいられない。
「ま、そういうこった、悪ぃけど肩貸してくれねーか」
「ああ、任せてくれ」
クロエは自分の肩にリッドの腕を回し、その身体を支える。リッドも負傷した足に負担を掛けない様に気をつけて立ち上がろうとした。そのつもりだった。
「ちょ、お前なにやってんだよ!」
「大丈夫だ、人を一人担ぎ上げるくらいの訓練は受けている」
「そうじゃねーって、そこまで頼んでねーし!肩貸してくれたら自分で歩けるって・・」
「いや、ハーシェルの負傷も偏に私が招いたこと、遠慮など無用だぞ」
「遠慮とかそういう・・・あーもー始まった!こうなったら人の話なんて聞きゃしねぇ・・」
「私の首に腕を回してくれ、その方が運びやすいからな」
何が悲しくて、同僚の女性警官に担ぎ上げられて、他の同じ課の面々が待つ場所へ向かわなければならないのか。緊急事態や危機的状況でもあるまいて。

「リッド・ハーシェルの救出に成功したぞ!」
フハハハハと高笑いが付きそうな勢いでクロエは胸を張り、姫抱きの状態のリッドは今度こそ片手で顔を覆った、頬が熱を持つのを止められない。
二人を出迎えた同じく同僚のセネルと後輩のシャーリィはポカンとした後、リッドの予想通り噴出した。

--オワリオワリッド--
何故突然警察ネタ?いやその理由は聞かないで下さい(お前・・)
最初は、巻き込まれで補導されちゃうリッドさんとかどうよ⇒巻き込むのは誰、ルークとか?いや、逆転の発想でクロエとか⇒しかしクロエ×リッド要素の決め手が見出せない⇒Σはっ!なんか組織に捕らわれたリッドさんをクロエが救出に行く!⇒タイトスカート+ヒールで扉を蹴破り、銃を構えて突入してくるクロエの図が浮かぶ!二人は同僚設定!で、こういう感じになりましたw
しかし仕上がってみると警察要素薄いwwwしかし警察要素関係は完全に妄想(イメージ)ですのであしからず!

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