■狙いを定めて(チェスリド)
普段、リッドやチェスターが狩りの場として重宝している森に
今日は単なる狩りだけではなく、チェスターがリッドに弓での狩りを教える、という目的で二人は足を運んでいた。

「なかなか筋は悪くねぇな、これだけ出来れば十分だろ」
「んー・・そうかぁ?」

最初は手近な樹から始めたが、今では随分遠くの樹をマトとして狙えるようになった。初心者としては上出来だ。
しかしリッドは微妙に不満顔である。
チェスターはリッドの構えを訂正しながら、リッドの様子に首を傾げた。

「どうかしたのか?」
「なんかこう・・自分の身体を動かせないってのが、ムズムズしねぇ?」
「なーに言ってんだよ、静かに息を潜め、獲物を狙ってジッと待つ・・これぞ弓でやる狩りの真骨頂ってもんだ!」
「でもなぁ・・・」
「あ、腕の角度はもっとこうだな」
「んー・・・」
「オイ、聞いてんのか?」
「ひぁっ」
「・・・・・・・・え」
「いっ・・今のは、チェスターが急に耳元で喋ったりするからっ!」

慌てて言い繕うが意味もなく、チェスターは未だ呆然としたままだ。
この空気に堪えられなくなったリッドは、弓をチェスターに半ば押し付けるように返すと、剣を手に駆け出した。

「兎に角!オレにはやっぱ剣での狩りが性に合ってるからっその、教えてくれてサンキューな!」

何処へ向かうのかと思えば
リッドが声を上げた瞬間、つがえられた矢は放たれ、それは運良く獲物(=運の悪いウサギ)を仕留めたので、それを取りに行ったようだ。
というのは建前で、声を上げてしまった自分が恥ずかしくて逃げたのはバレバレである。
残されたチェスターはすこぶる対応に困った。
そんな真っ赤になって反応されたら、流せるものも流せなくなってしまう。


(さて、どうしたもんか・・・)

据え膳喰わぬはなんとやら?しかし一歩間違えば火傷を負うのはこちら側だ。
チェスターはともすればにやけそうになる口元を手で覆い隠した。

--オワリオワリッド--
チェスターの口調が行方不明☆(反省しろ)
狩りにおける剣と弓の違いはなんというかふんわりしたイメージでしかないので、適度にスルーして下さい。
そもそも何がしたかったかと言うと、弓での狩りを教わるリッド⇒チェスターがリッドの構えを訂正する際に耳元で喋った為、リッドが変な声を上げてしまうってだけです!それだけです!(誇るな)

prev back next
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -