■せめて、今だけは(ゼロリド)
爽やかな海風が吹くバンエルティア号の甲板で、小さな押し問答があった。

「なぁー本当にやるのか?」
「何ー?やってくれるって言ったのリッド君でしょ?」
「それはそうだけど、あれは・・」
「いーじゃん減るもんじゃなし♪」
「ったく、しゃーねぇなぁ・・ほらよ」

ゼロスの謎の勢いに押されたリッドは、もたれられる場所を陣取って、ゆるく正座する。
その太ももの部分にゼロスはぽすりと頭を乗せた。

「・・・やっぱ硬いな」
「なら止めるぞ」
「うそうそ、うそだって」
「いや硬いだろ、男の膝枕だし」
「リッド君に膝枕してもらえるってシチュエーションが大事なんでしょーよ」
「そんなもんかねぇ・・」

今日は波も穏やかで、静かなさざ波の音とカモメの鳴き声が心地良い。

「はーにしても良い天気だねぇ」
「・・・・・」
「世界に危機が迫ってるなんて嘘みたいだって・・あれ?リッドくーん?」
「・・・・・くかー・・Zzz」
「・・膝枕してる方が寝ちまってどーすんのさ」

フッと笑うと、ゼロスはリッドを目覚めさせない様にそっと身を起こす。
そしてリッドの横に腰を下ろすと、リッドを自分の方にもたれ掛けさせた。
無防備に眠る姿を見せてくれるのは、自分が傍に居ることを許してくれている証と受け取って良いのだろうか?

「・・なんてな」

すやすやと眠る顔を見つめ、ゼロスは自然と口元に笑みを浮かべる。
静かに時が流れていく。例えこの先に待つのが過酷な戦いだとしても、


「俺さまに守れるかねぇ・・」



この平穏と、大切な存在を------------

静かな決意は、波風に溶けていった。

--オワリオワリッド--
ちょっと前のブーム、ゼロリド(え、今は?)
そう言えばこの二人は膝枕をしかけた仲でしたねってことでそのネタを。
文章リハビリ気味な上、いいタイトルが浮かびません・・。

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