異能学園デゼスポワール


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『研修の班』



 説明会が終わった後、学園の中央広場にて研修の班の発表がある。中央広場に幾つか設置されている掲示板全てに、研修の班のメンバーを書いた紙が貼られていた。

 ヒロは、一番空いてる掲示板を覗き込む。人の名前の隣には、その人が何年生か書いてある。1グループ10人で構成されているようだ。
 ヒロの名前は、左上に書かれていた。そこから下に並ぶヒロと同じグループの者の名前を見る。

「一部顔見知りだな…えっと」

 見たこと(聞いたこと)のある名前がいくつか見つかり、少し安心する。綾部の名前を見つけてしまった時はどうなるかと思ったが、翼や春樹が一緒ならまだ良かった。仮令とシェアスも、まあ案外まともだし。他の見知らぬメンバーが、まともなことを祈りつつ後のメンバーの名前を見る。

「高等部三学年に、荒噛 丁。高等部一学年に、四ノ宮 千秋、イリス・レイン。中等部の三学年に、ティーア・リーベか……」

 一人だけ中等部って。ティーアという子を緊張させないように、空気をほぐしてやるべきだろう。それにしてもこのグループは二年生が多い。個人的には知り合いも多いし、ありがたいのだが。

「よっ、一緒の班だな」

ポンと肩を叩かれる。後ろを振り向くと、同じクラスの春樹と翼が。

「一緒に頑張ろうね! ヒロ君!」

 翼が笑顔でそう言ってくれるだけで、疲れなんて吹き飛びそうだ。そうだな、と返事をして微笑んだ。

「おー! 結城! 同じ班だなー!」
「どちら様でしょうか」
「ひでえ!」

 向こうで開脚してる綾部のことは放っておくことにした。仮令とシェアスはどこ行ったのだろうか? 辺りを見回すと、仮令が居た。仮令も気づいてこちらへやってくる。

「お、結城〜! 同じ班になれたな!」

ぶんぶんと手を振るのが子供っぽく見える。何だかおかしくて笑ってしまった。仮令は「何で笑っとると!?」と少し拗ねたように言う。

「お前が子供っぽいからだろ、仮水」

 春樹が腰に手を当てて、呆れたように言う。二人の言い争いが始まりそうになった時、翼の隣にシェアスが居たことに気づいた。電話をしているようだ。

「うん! それじゃあね!」
「誰に電話したんだ?」

 電話を終わらせたシェアスに尋ねる。シェアスはこちらを見て、ニコッと笑って答えた。

「私の幼なじみだよ! あ、研修の時よろしくね!」
「お、おう」

 何だか勢いよく片付けられた。研修か……面倒くさいな。


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