Blue Exorcist | ナノ



04




「名前なんていうんですか?」


可愛い大人の女性を見つけた。

かいらしい人を見つけたらナンパせぇへんなんて男やないやろ?

そのかいらしい人は俺に微笑みを返して、


「ナマエよ。」


と返してくれた。

俺はいつも緩んでいる頬を盛大に緩める。


「となりに座ってもええですか?」


「どうぞ。」


そういって席を勧めてくれる女性はごくわずかで、俺はもちろん座った。


「あなたの名前は?」


「俺、志摩廉造っていいます。」


「そう、シマ君ね。シマ君は、ここの生徒?」


「あ、はい。そうです。」


柔らかい笑みをこちらに向けてくれる彼女に俺は鼻の下を伸びっぱなしやった。

ほんま、かいらしい人や。しかも優しい人ときとる。

それからいろいろと話をした。

もう塾の時間やなとちらりとナマエさんの後ろの時計をみてそろそろ終わりにしてどこかデートにでも行く約束をしようかと思ったら。


携帯の着信を知らせる着信音がなった。


「あ、電話。ちょっとごめんなさい。」


彼女の携帯だった。

彼女は携帯を取り出し通話ボタンを押すとそれを耳にあて、「もしもし。」と電話の向こうの人物と話し始めた。


「・・・・・これから、ですか?・・・・はい。今日はそれほど忙しくないので大丈夫です。
・・・・・はい、それではまた後ほど。」


ピ、と通話を切る音が聞こえた気がした。

電話を切った彼女はどこか悲しそうに見えた。

手短に終わった通話を切った彼女は申し訳なさそうに俺に笑みを向けた。


「ごめんなさい、これからちょっといくところがあるの。」


「ええですよ、今度どこか行きません?」


「・・・・できるなら、行きましょう?」


先ほどまでの柔らかい笑みじゃなくて、もっと大人っぽい妖艶な笑みを浮かべていった言葉はどこか含みがあった。


「・・・・へ?」


「じゃあ、またあとで。」


「え、それってどういう・・・・」


聞き返そうとする前に、軽く手を振って彼女はいってしまった。




その日の塾で。


「こんにちは。今日は剣技と魔印を担当していたシュラが急に任務が入ったので私が教えることになりました。
ナマエ、なまえです、よろしく。」


「なっ・・・お前!!」


「なんでここにおるんや!!」


「えぇ!?なんでナマエさんが!?」


俺は、思いもよらぬところでナマエさんと会った。





詐欺師みたいな女


(こんにちは、志摩君。)


(志摩もこの女にあったことあるんか!?)


(え、勝呂も志摩もこいつに会ったことあんの!?)





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