03
なんなんやこの女・・・・・!!!!
ぎろりと睨みつければ女はそんなの怖くないと言いたげに笑みを返して来た。
「素直に頭を下げてそのあとどうするつもりなのかと聞いているのだけど。」
「そのあと、どうするつもりて・・・・」
俺は先ほど目の前にいる女にぶつかり手に持っていた飲み物を女にぶちまけてしまった。
最初は俺もこんな態度や無かった。
素直に謝って幸い、こぼしたんは水やったからハンカチを差し出そうとポケットを探っていたりしていたのだ。
ハンカチは、確かポケットに入れたはずやったが見当たらないのでカバンの中を探した。
そのとき女が、
『素直に頭を下げたのはいいけれど、貴方はそれからどうしようとしているの。』
そう俺にいやみのように言ってきたのでカチンと来てしまった。
俺はいらいらを抑えるために静かに深呼吸した。
そしてその間にまた女が一言。
それが冒頭の言葉だった。
俺はイラつきながらもタオル生地のハンカチを取り出し(幸い、まだ使っていなかった。)それを女に渡した。
「・・・・これ、どうぞ使ってください。」
少し照れくさかったが、きちんと渡した。
女はそれを受け取り、柔らかく微笑んだ。
「近頃の男の子って、きちんとしてるのね。」
ありがとう。
ハンカチを差し出してそういわれたのは初めてだ。
俺は先ほどのいらいらを忘れて、「・・・・はぁ、」と曖昧に返事した。
「・・・名前、教えてくれる?」
「あ、勝呂です。」
「そう、スグロ君ね。ハンカチどうも。私はナマエよ。
たぶん近々会えそうだからそれまでハンカチは預からせてもらってもいいかな。」
「どうぞ。返さなくてもいいです。」
「・・・とにかく、ありがとう。」
そういってナマエと名乗った女は去っていった。
近々会えそうて、どういうことや・・・・・?
不思議な女
(最初はいらいらしてたのに、)
(今ではこんなに静かな気持ちになっとる。)
(あの女はいったい、何者なんや。)