02
「おっつかれにゃ〜。」
そういってポン、となまえの肩を叩けばなまえは正直に「疲れた」といった。
「奥村燐君、元気はつらつだった。」
ふぅ、とため息をつくなまえ。
いつもは弱音なんてはかないのに弱音を吐くなんて相当疲れたのだろう。
「あいつの炎、どうだった?」
「じゃじゃ馬だよ。まったく操りきれてない。・・・・まぁ大分増しになったと思う。」
無表情な顔に反し、声は少し明るかった。
最初はいやいやそうに引き受けていたものの、燐と会わせたのはいい影響になったみたいだ。
なまえとはあたしがエクソシストになってから知り合った。
なまえはあたしより遥かに強かった。
なのに下一級エクソシストであたしより下の位のエクソシストだった。
それが気になって、なまえを気にかけるようになり今では結構仲がよくなったと思う。
「シュラは・・・私にあの子の炎の指導をさせたかったの?」
そう聞かれてあたしは思考を中断させた。
「あれ、ばれちった?」
と、わざとふざけていってみたりする。
「あの子の面倒をみて、っていった時点でそう思った。」
「なまえには全部お見通しってわけかにゃ。」
「うん、そういうことかな。」
なまえは少し笑顔でこちらを向いた。
あたしも笑顔に笑顔を返した。
それから少し話をした。
最近のこととか、今日の燐との特訓はどうだったかとか。
なまえは少し声を明るくしてしゃべっていたからほっとした。
いろいろ話してそれからなまえはこれから任務があるからと去っていった。
私はバイバイといったあと後ろを振り返ることもせずまっすぐ歩いていくなまえの背中を見送った。
そんな後ろ姿を見ながら思う。
なまえはまた苦しんでいないだろうか。と。
苦しそうな女だ、というのが初対面の感想
(いつかあそこからなまえを救い出してやりたい)