Blue Exorcist | ナノ



13

「・・・・どうしよう。」


――――私は今、悩み中である。


私には大きな秘密がある。それはそれはとても大きな。

悩みというのは、その私の秘密に関連していた。

それは遡ること昨日、私は金造くんに京都案内をしてもらった。

京都出張所周辺や、京都の観光スポットなど、金造くんは昨日一日をかけて私を案内してくれた。

金造くんが昔から通っていたという近所の駄菓子屋から、少し遠出して京都の観光スポットまで、彼はせっかくの休みを私のために使ってくれたのである。

彼と京都の町を歩いて、とても楽しかった。

それが悩みだなんてわけはない。私が悩んでいる原因はもっと別のところにあった。

それは、彼に京都を案内してもらう以前の時である。

出発しようという時に、金造くんが私のあまりの服のセンスの無さに、可愛らしい服を選んでくれた時のことだ。

選んでもらった服を着替えるときに事故が起こってしまったのだ。

そう、あれは事故。金造くんに非などなかった。

彼が着替え中の私を誤って目撃してしまったのは事故なのだ。

もしかすると、私の秘密が見られてしまったかもしれないことが何だというのだ。

かもしれないなんだから彼は私の秘密を見ていないかもしれない。

そう、だから大丈夫。普通に接すればいいんだ。

けれど。


「なまえー!」


「っ。・・・金造君。」


やはり金造君がくると、どうしてもぎこちなくなってしまう。

私はなるべく、いつもどおりに振舞った。


「昨日は京都案内してくれてありがとう。それで、どうかしたの?」


「急いで任務や。いくで!」


「わかった、すぐいく。」


いつもどおり。いつもどおりと心の中で念じて笑みを見せてみる。

すると金造君はどこか不思議そうな顔をして、


「なまえ、なんかあったんか?」


「え?」


どきりと心臓がはねた。金造君はどうしてこんなに鋭いのだろう。


「なにもなかったけど。」


少し警戒してつっけんどんになってしまった。どきどきと心臓の音が早くなる。落ち着いてと頭の中で繰り返した。


「・・・・そうか。」


金造君はそういったあと、にかっと笑って、「ほな行くか!」と歩いていった。

私もその後をついていった。



抱える秘密



(なまえ・・・もう少し俺の出番残せや!)


(ご、ごめんなさい・・・・)



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