計画は、簡単だった。
キラと俺が普段より遅くまで添い寝をするようにする。そうすれば、キラが俺の部屋を出ていくときに人目につくようになり、噂が広まる。
じわじわと、その噂は広まり始め、いつか誰かがキラに疑問をぶつけるはずだと俺たちは踏んでいた。
そうして、俺たちの予想通り、俺とキラに噂の真偽を訪ねにやってきた人物がいた。コナーだ。
わざわざ俺とキラが一緒にいるところにやってきたから、二人同時にその噂は本当だと言ってやった。付き合っているのかと聞かれたことにもはっきり肯定してやった。恋人だと言うことは気が進まなかったはずだったが、コナーにたいしては、言ったお陰でざまあみろと心の中で嘲笑えた。
コナーがやってきたのは科学班だったので、お陰でしっかり宣伝ができた。
この日を境に、キラの神話は崩れた。これは俺にとってもキラにとってもよいことと言える。
キラはそれ以来、憑き物が落ちたかのようにすっきりしている。
少しずつ不安定なところは薄れているから、俺がいなくても眠るようになった。これまで感じていた無力感も受け止められるようになっている。
あまりに崇められていたから、キラも少し個人の力を過信していたところがあった。ただの人間として見られるようになってからは、個人の力などたかが知れているのだとわかるようになったみたいだ。
こうしてキラの問題は解決された。
俺たちは、恋人という嘘の肩書きで、夜を共にしている。
- 22 -[*前] | [次#]
top main novel top