ShortA | ナノ

ついいじめたくなるんさ
私の彼氏は、よく、耳をぎゅっとひっぱる。
それにあまり規則性はなくて、あ、と思ったときにはぎゅうぎゅう引っ張ってる。
痛くないの?ときくと、いつも彼はそんなに痛くないという。もう慣れた、とも。痛みに慣れた、とでも言いたいのだろうか。なぜ、痛い思いをしてまで耳を引っ張るのだろう。Mなの?ときくと、彼はそんなわけないと大否定する。ならどうして痛いのに耳を引っ張るの?ときくと、彼はちょっといろいろあって、と言葉を濁す。
私は彼のその一点だけが今だ解明できずにいる。付き合って、もうしばらくだから、お互いのことはだいぶ知り合っているはずだ。いろいろ。その、す、みずみ?
実は最近、彼が一番耳を引っ張るのは、あの時であるような気がしている。あのとき、とはあのときだ。これ以上はちょっと恥ずかしい。
だから、もしかすると彼は、何かを我慢しているのかもしれない。その、私とのさ、最、中、のときに。
私の彼、もといラビはいろいろとオープンなようでオープンじゃないのだ。隠したいことは全部、人のいい笑顔でカバーする。それはそれで、私があばいてやろうともえるところではあるけれど。
とにかく私は今日、彼に聞いてみようと思うのだ。我慢していることがあるのなら、我慢しなくていいよと。私がたくさんわがままを言っている分、ラビももっと、わがままを言ってほしいから。

「ラビ、お話があります。」

ラビはブックマンと共同部屋だから、いつも私たちは二人っきりになるためには私の部屋へ来ることになる。その私の部屋のベッドに私とラビは腰掛けていつも話す。

「どうしたんさ?」

いつも敬語だけれど、またさらにお固くなった敬語でいう私に気がついて、ラビは私に体ごと顔を向けた。

「実は、ですね。」

私は、少し視線を泳がせてから、意を決してラビを見る。

「ラビが、よく耳をぎゅっと引っ張ることについてなんですが。」

「あぁ、こういうの?」

ラビが右耳だけぎゅっと引っ張った。
何回もしてきたからかわからないけれど、びよんびよん伸びる。

「はい、それです。」

私は団服の裾をぎゅっと握りしめて、ちょっと息を吸う。

「私としましては、そのラビの癖は、何かを我慢しているのではないか、と思いまして。というのも、その、私とあなたとの、さ、さいちゅうに、あなたがよく、引っ張っているものだから・・・」

「あー・・・」

ラビは、明後日の方を向いて、ほおを指先でちょっとかいた。

「だ、だから、あの。我慢しないで欲しいなと思っていまして。」

「へっ?」

「私が我慢させてしまっているのでしょう?だから、ラビには我慢せずに、ちゃんと言って欲しくて。」

「えっと・・・いいんさ?」

「はいっ。だって、私、ラビがすきですから・・・わっ!!」

いい終わるや否や、私はベッドから持ち上げられた。ラビは、ベッドに自分の足を乗せると、私を自分の足をまたがせるようにして下ろす。ちょうど、実は、彼の、またのうえ、だった。
顔を赤くする私をみて、彼は熱っぽい視線と笑みを見せる。

「・・・いー眺めさ。」

といって、ラビが少し体を身じろぎさせた。私が乗っているのは 彼の、その、うえで、私は恥ずかしさと同時にか、かんじてしまう。

「ラ、ラビ。」

「ん?」

「せめて、あなたが何を我慢していたのか、何がしたいのか、教えて欲しいんですけど・・・」

「わかんないさ?」

「あ、いえ、なんとなくは・・・」

「なら、俺の言う通りにして?」

「は、はい。」

ラビは、私の団服の上から、体をお尻あたりからゆっくりと撫で上げていく。腰をそれっぽい感じに撫で上げて、それから下から私の胸を持ち上げる。そして、首元の私の団服のジッパーに手を掛ける。私の団服はリナリーと似ていて、ただ、私は上下が別れたタイプだ。
私は、このまま脱がされるのだとばかり思っていたのだけれど。

「なあ。」

ラビは、そこに手を掛けたまま動かず、私にキラリと妖しくひかる視線を向けた。

「これ、自分で下げて。」

「へっ?」

「あと、俺的には俺のも脱がして欲しいんさけど。」

「あ、えっと・・・」

「今日は、我慢しなくていいんだよな?」

私は、そう言われて、ぶんぶん縦に首をふった。じゃあお願いというラビに、私は少し顔が熱くなるのを感じながら、まずは自分の団服のジッパーを下ろす。
神田さんのコートのようなものだったりと、上着のような役割を果たしている団服でなければ、大抵のエクソシストは、団服を普通の服のような扱いをしている。それは私も同じで、このジッパーを下ろすと、もう下着だ。ラビは何度も私の団服をあばいてきたから、それを承知で言ったのだ。
ラビは私がジッパーを下ろし終えると、満足そうにしていた。さあ次はこっち、といって、自分の方に視線を向ける。私は彼の団服を脱がしにかかる。そのときに、少し身をかがめなければいけないのだけれど、胸の谷間に息を吹きかけられて、初めて気がついた。かがんだことで下着から胸元が見えていた。

「いー眺めさ。」

とまた、先ほどと同じセリフを言って、彼は自分のま、またを、私に少し擦り付けるように動かした。

「ぁ・・・」

小さく声を漏らしてしまった私にラビは満足そうに笑みを浮かべる。
ラビの上の服を全て脱がし、彼の程よく鍛えられた上半身が露わになった。

「次は、何を、すればいいですか・・・?」

恥ずかしくて、恥ずかしくて仕方ない。彼の上半身が裸であるだけでどぎまぎしてしまう。何度、彼と体を重ねても、それはいつだって変わらなくて。

「じゃあ、・・・」

これからぜーんぶ、なまえ一人でしてみて?
そんなときに、こんなこと言われて、今日、私はおかしくなれということですか?


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