| ※注意 ED後捏造でパロディ ジョーカーがモブと話してるだけ 心の広い方向け よお、ちょっといいか。あんただよあんた、そう、あんた。俺と目が合ってるだろ。 あのさ、あんた見たところ旅をしているみたいだけど……は？なに、怪しい？俺が？失礼だな、一体どこが……えっ、フード？ ファッションだよ、ファッション。気にするなよ。………ったく、しつこいなぁ。ま、言ってみりゃあの頃の名残さ。そう、オリエンスが戦火の中にあった頃の。悪いけど、俺は時代の変化について行けてないのさ。 ああもうそんなことはいいだろ。あんた、この先に行くってことはルブルム地方へ行くんだろう。一つ頼まれてくれないか。 ある男に伝えて欲しいことがあるんだ。 ……範囲が広過ぎる？大丈夫大丈夫、片手間に探して辿り着ける相手だから。 ああ、今あんたが考えてることを当ててやるよ。「自分で行けばいいのに」……当たりだろ。そりゃそう思うだろうな。お前は悪くない。けど、残念ながらそれは出来なくてね。ん、関係？さあね。言えるのは、あいつはかつてのもう一人の俺だったんだよ。 なあ、あんたは旅をしてきて何を感じた？今までの長い長い戦いと極めつけにフィニスの刻、この世界はボロボロだった。けれど、どうだ。人々はその辛さを乗り越えた。 人間の可能性ってのは凄いよ。その内辛さも薄まっていくんだろう。戦争ばかりの時代が消えていくんだ。平和を知らなかったあの頃のように。 はてさてこの未来を得る為に、一体どれほど費やしただろうね。……まあな、記録を見れば分かることだ。記憶は無くなっても記録は無くならない。もし可能なら、あんたはこの世界の記録を見てみたいか？……なんだ、つまらないな。本を読むより旅をしたい、ね。良いんじゃない、正直見ない方が正しいよ。なにせ莫大な量があるから、全部見ようものなら一生を使い切ってもおかしくないからな。……大袈裟？ははっ、かもな。それと、記録媒体は本だけとは限らないぜ。……俺が何を知ってるのかって？それは秘密。 苦しい時代の中、人は皆アギトを渇望し、そしてアギトになることを目指していた。アギト候補生と言えば朱雀だけど、白虎にだってアギトになるって思ってたやついたんだぜ。……どんな感じって……そ、そこは別にどうでもいいだろ……お前細かいよな。元々アギトの定義が不明瞭だから、なるったって何していいか分かんないし。つーかさ、自分達に出来ないことを押し付けてくるって酷くね？ああ、これただの愚痴。クリスタルがなんで記憶を消してたか知ってるか。要らないからだよ。思い出に引き摺られる人間を神様は求めてなかった。要らないもんはぽいぽい捨てるんだよ、神様は。老いも、恐れも、苦しみも、愛も。……酒なんて飲んでねぇよ。 今、あの頃のように戦争が起こったってきっと同じようにはならないさ。クリスタルがあった頃は、命だけじゃない、自分の存在を掛けて戦場へ赴いたからな。死の重みが違う。度胸の差が出るね。そしてそれは戦いにおいて重要だ。旅してるならモンスターに遭遇とかするんだろ？覚えておきな、戦いの中、腰が引ける奴ほど真っ先に死ぬ。弱くても度胸があれば生き残れる確率がぐっと上がる。ああ、度胸と無謀は違うからな、分かってるとは思うけど。思考停止とかパニクったりとかしないことが大事さ。強さも大事だけど……ま、それはそれ、これはこれ。 あーあ、久しぶりに長く話したな……ああ、伝言な、伝言。忘れてた。盛大に話が逸れたからなぁ。……はいはい、逸らしたのは俺ですよ。 そうだな、「朱い鳥を飛ばせ」って伝えてくれないか。ああうん、それだけ。……あー、手紙なー、お前考えるなぁ。いいんだ、そこまでして伝えたいわけじゃないし。お前が伝えられなくても別に構わない程度だから、必死にならなくていいぜ。忘れたって構わない。……こんな風に伝言を頼むなんて、あの頃は不確実であり得なかったからな、ちょっとやってみたいなって思ったんだよ。 相手？言ってなかったっけ。おっとうっかり。 伝言相手はマキナ。マキナ・クナギリ。 「ジョーカーよりマキナへ。朱い鳥を飛ばせ、4種のハーブを与えた鳥を。そうすれば、お前は七色の灯火」 んじゃ、よろしくな。また会えたら今度飯でも奢るぜ。……もう会える気がしない？はははっ、良いねあんた、気に入ったぜ。あんたの旅にクリスタルの加護がありますように。……良い冗談だろ？ さて、俺も時間だ。じゃあな、世界を楽しめよ。 (パセリにセージ、ローズマリー、タイム) (無理難題じゃないだろ、やってみろよ) (なあ、オリエンスのアギトさん) ←→ 戻る |