小説 | ナノ

炭水化物大量摂取


ほかほかの炊きたてご飯。その横に並ぶおかずたち。
正直おかずは要らない。白米だけあれば問題ないんだけど…。シズちゃんは俺みたいに白米だけで大丈夫派じゃないから、毎日必ずおかずが付いてくる。わざわざ俺の分のおかずまで作ってくれなくても、俺には輝く白米だけでいいのに…。

「おかず残すなよ」
「…米ラァァブ!!」
「うるせぇ!!!」

そんな怒鳴らなくてもいいじゃん。ただ俺はお米に対する愛を叫んだだけなのに…。
あ、ごめん。冷蔵庫持たないで。だからといって自販機持って来ようとするの止めて。シズちゃんと俺の愛の巣(笑)が壊れちゃうだろ。

「早く食うぞ」
「おかずは丁重にお断りし「食え」
「………はい」

丁重にお断りしようとしたらシズちゃんが凄い勢いで睨んでくるから、つい敬語で返事してしまったじゃないか!…ちょ、怖い!その顔怖い!

…それにしても減らないなぁ…。
ちっとも減らない野菜炒めに溜め息を吐く。ご飯は一粒も残さず綺麗に食べたんだけど、どうにもおかずの野菜炒めが…。

「皿洗えねぇだろ。早く食え」
「もう無理……」
「臨也、俺はテメェをずっと待ってる」
「そんな真っ直ぐな瞳で見られても…」

とうの昔に食べ終わったシズちゃんは、俺が食べ終わるのを至近距離で待っている。どうしてそんなに近いのか、っていうツッコミはしないでおく。つうかちょっと離れてほしい。

「もう無理だってば!」
「ちっ…半分食ってやるから半分食え」
「はい野菜炒め。ご飯おかわり!」
「人の話聞いてたか?」

シズちゃんに野菜炒めを全て渡して白米をおかわりする。文句を言いながらも白米をよそってくれるシズちゃんは優しいと思う。シズちゃんラブ。

「ほら飯。それと一緒に野菜炒め食え」
「ふぅ…。お腹いっぱい」
「人の話聞いてたか?」

これだけ白米を食べたんだから、そろそろ白米の神様になってもいいと思う。今みたいにご飯を渡された瞬間に瞬食出来る技術を身につけたし、これ白米の神様になる日はそう遠くないんじゃないかな。

「白米の神様になったら…」
「どっか悪ぃのか?精神科行くか?」
「失礼な」

シズちゃんには解らないんだよ。白米の美味しさ、素晴らしさが。白米は俺の全てなんだ。

…とりあえず、この野菜炒めをどうにかしようと思う。



End.
私の気持ちを折原さんが代弁してくれました。



  
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