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そんなのつまんないよ


「消えろ!二度と俺の前に現れんな!」

皆が見てる昼間の池袋で、シズちゃんの叫び声だけが響いた。

その日は特に何もすることが無くて、何となく池袋に立ち寄った。
池袋は人で溢れかえってて酔いそうになる。俺は人ラブだけど人混みは苦手なんだよね。
まあそんな話は置いといて、これまたいつも通りシズちゃんが俺を見つけて、ゴミ箱やら自販機やらを投げつけてくる。
それを交わしていると、シズちゃんは何の前触れもなく冒頭の言葉を叫んだ。

消えろと、二度と現れるなと。つまりは、俺に関わるなって意味で。もう俺との鬼ごっこは飽きたって意味。
そう解釈すると何だか胸の辺りがチクリと痛む。
チクリチクリと止めどなく刺激してくる胸の痛みは、ゴミ箱に当たった時の痛みより遥かに痛い。

「つまんないなあ……」

無意識に口に出した言葉は誰にも届くことはなく、真っ青な空に吸い込まれていった。


end.
折原さん泣いてくれなかった…。



  
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