社内恋愛6
2013/11/23 09:20

それと同時に激しい憤りを感じた。
溝山は冷やかしでこんな暴挙に及んでいるのだ。
いくら男同士という世間に顔向け出来ない事をしているとはいえ、他人にこのような辱めを受ける謂れはない。
それも、職場の後輩に。

「だったらどうだっつーんだ?お前がしようとしてることだって、その馬鹿にしてる俺達と同じじゃねえか。馬鹿にするのもいい加減にしろよ……っ」

頭をベッドに押さえ付けられたまま、それでも渾身の力で睨みつけた。
目頭が熱くなってしまう。
許せなかった。自分だけならまだいい。しかしまるで、東堂まで馬鹿にされたようで。
そして───あんなに信頼して可愛がってきた後輩に、こんな裏切り方をされるなんて。

溝山が、片眉を上げる独特の表情をする。
普段から目尻の下がった怠惰そうな半眼。
それが意外そうに僅かだけ見開かれる。

「馬鹿にしちゃあいねぇよ、修吾。……ただな、俺と楽しもうぜっつってんだ。ここの使い方は知ってんだろ?」

「……!!よせ!触るな!」

口調をいくらか落ち着かせた溝山が、尻を揉んでくる。
冗談じゃない。東堂以外とそんなこと、出来るわけがない。
想像するのも嫌だった。

「やめろっつってんだろ!?触るな!放せ!!」

「っ思ったより力強えな……っあんま暴れるなよ、ロクに準備出来ねぇだろが……!」

「嫌だ!嫌だ……!」

とにかく逃げようと、がむしゃらに暴れた。
しかし最終的にはそれが仇となり、溝山に無理矢理両手を縛り上げられてしまう。
仰向けにされ、頭上で一まとめにしてベッドヘッドに繋がれた両手。
この攻防で十分に息切れしていたが、脱力しているわけにはいかなかった。

「うう……っ」

正面から覆いかぶさってきた溝山が、首筋に舌を這わせてくる。
シャツの下に入り込み、胸や腹をまさぐる手。
嫌悪感しか湧かない。
瞭毅……!無理だと分かっていても助けて欲しいと、思わず心中で名を叫んでしまう。

「んだ、全然無反応かよ、随分嫌われてんなぁ俺」

「………っ」

全く反応を見せない川田のモノを一瞥し、溝山が笑う。
川田は視線を横に逃がし、ひたすら唇を引き結んでいた。
下手をすれば、この歳にもなって泣き叫んでしまいそうだ。

「おいおい、東堂とはヤってんだろ?何で俺とじゃダメなんだよ」

溝山の的を外した言い分に、カアアッと頭に血が上る。
何でだって?どうして分からないんだお前は……!



 



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