27.終焉と始まり



英瑠は光の中にいた。

まるで雲の上のような、見知らぬ世界。

ああ、とうとう『来た』のか。

彼女は全てを悟った。

同時に、今すぐ元の世界に自分を帰せと叫び出したい気持ちになった。


《――元の世界とは。あの落日の城か。》

『声』が唐突に英瑠の脳内に滑り込む。

音ではない。文字でもない。
何か、形容出来ない意思のような――
とにかく、気味が悪い感覚だった。

まるで、心臓を直接撫でられているような。
脳に直接、情報を書き込まれているような。

「違う……!
たった今までいた世界、バクラが地下神殿で闘っていた世界……!!」

声の正体は何か。
英瑠は薄々気付いていた。

それは、歩み寄りたいのに拒み拒まれる、千年宝物のような存在とは真逆の。

触れたくないのに嫌でも心に馴染む、図々しいような、押し付けがましい存在だった。

英瑠は眉根を寄せると、奥歯を噛み締めて苛立つ気持ちを抑えこもうと苦心した。

分かっている。
この、心底うんざりするような声は。

英瑠の世界ではきっと、神と呼ばれているものだ。

彼女に宿る獣の性質を持つ神などではなく、もっと圧倒的に上位の存在の。


《そう。私は神と呼ばれるモノ。
人と神獣との間に生まれし者よ、もう充分だろう。
帰るがいい。あの落日の城へと――》

「なっ……!!」

神とやらは勝手な事を宣った。

英瑠の頭が、背筋が、腹の底が、全て怒りで塗り潰されていく。

バクラもこんな気持ちを味わったのだろうか。
胸が痛んだ。


《お前が足掻いた、あの終焉の地で。
敵に囲まれ、後は捕らえられ処刑されるしか無かったお前に、『我々』は慈悲を与えた。
そうしてお前を、まるで暫定的に『除外』することで破壊から守るように――
お前を別の世界へと『除外』した。》

《だが、時は来た。
充分この世界を楽しんだだろう。
元の場へ帰れ、英瑠。》

《あの落日の城、お前が行き詰まった時間軸より少し前へ戻してやろう。
そうして、無駄な足掻きをやめて早めに降伏しろ。
さすればお前は必ず助かる。
これは確定された運命だ。違えることはない。
新たな軍で思う存分武を奮え。》

《これは慈悲だ。
神獣の血を引くお前への。
『我々』に従え英瑠。
さもなくばもはや慈悲は与えぬ。》

抗えない声が、次々と英瑠の中に流れ込み、そして勝手な事を言っては消えていった。


「…………ざけ、ないで」

《ざわめく、声》


「ああああああああ!!!!!!」

英瑠は絶叫した。

獣の力は出なかった。
ここでは強制的に封印されているのだと確信した。


「要らない!! そんな慈悲は要らない!!
やり直したいなんて思ってない!!
失敗も、成功も、不幸も、幸福も、生も死も、私が生きた世界で経験した全てのことは、今の私だけのものだから!!!

だからもういい、殿の死も、自分の終焉も受け入れる!!
もう、終わったことなの……全て!!!

だからお願い、今すぐバクラの元へ帰して!
『除外』されたままでいい、私はバクラと共に生きたい!!!」


《あの大邪神に利用された男か。》

「っ……!!」


《教えてやろう。
彼は死ぬ。殺される。
あのバクラという男は力尽きる。
これは決定事項だ。》

《別世界の神には干渉出来ない。
それが人々の天の神であろうと、邪神であろうと――》

《諦めろ。
お前を彼の世界へ帰したところで、お前の力ではあの男は救えない。
『我々』がそれを許さない。》

《『我々』は慈悲深い。お前の力は奪わない。
だがそれだけだ。
お前の神獣の力を『ズラす』。
決してあの千年宝物や精霊、魔物に干渉出来ないように。
または、されないように。》

《お前はあの男が死ぬ様を、ただ眺めて居ることしか出来ない。
唯一残った獣の膂力で足掻くしかない。》

《それでも、戻るか?》


静寂。


英瑠の心臓が、凍りついたように冷たくなり、それからドクリと大きく胸を打った。


――何が。

何が慈悲深いだ。

無慈悲な神は、まるでそうすることが当たり前だと言うように。

一分の交渉の余地もないと言った様子で、英瑠の心を撫で回していくのだ!


英瑠の全身から、体温が急速に失われていく。

膝を付き、彼女はどこを見つめるでもなく、焦点の合わない瞳で放心していた。


バクラが、死ぬ…………


それは英瑠の全てが終わることを意味していた。

まるで、この世の終わりのような空虚感。

何も無い。彼のいない世界など。
生きる、意味すら――――



いまさら落日の城をやり直したいなどとは思わない。
あそこで見たもの、感じたもの、全てが現実だ。
どんなに苦しくても、哀しくても、腹立たしくても、無かったことになんて出来やしない。

武将という生き物は、死を受け入れて進まなくてはならない。

それがどんなに辛いことであっても。

もし仲間の死を受け入れられないなら、共に戦場に果てるか、誰かに殉じて自害するしかない。
または自分の死を受け入れられないなら、武器を奮って足掻くしかない。

一人殺せば、その分だけ味方や、自分の死が遠ざかる。
そんな修羅の道をくぐりながら。

ともかく――自分の生き死には、自らの手で決めなければならないのだ。


だから英瑠はやり直さない。

殿の死も、自軍の滅亡も受け入れる。

バクラが、惨劇の夜を受け入れて復讐に身を捧げたように。
その結果、逃れられない死が彼の上に降り掛かったとしても、歩いて来た道に背を向けなかったように。


でも、でも。

バクラの死は。

それだけは。

それだけは――


気付いていた。
破滅の足音が迫っていることに気付きつつも逃れられない、そんな既視感。
英瑠は、きっとこの結末をどこかで予感していた。

けれど、こんなに早く。
こんなに、突然。


「うっ……、うぅ……っ」

彼女はぽた、ぽたと大粒の涙を零した。

ずきずきと痛む胸の内。
滅茶苦茶に暴れ回る感情。


いやだ。
いや、だ――!!!!


『声』は何も言わない。

それは先程告げた内容が全てであり、それ以上絶対に譲歩しないことを示していた。


英瑠は声を上げて泣いた。

主君や仲間を失った時とはまた違う哀しみだった。


バクラという存在が消えてしまう。
あの世界から。

褐色肌に白銀の髪を持つ、まだ少年でしかない男。

赤い外套を翻し、大胆不敵に嗤い、茶化すような軽口を叩きながら英瑠の肩に腕を回す、彼――

その温もりが何よりも好きだった。

彼と身体を重ねた時は、このまま時が止まってしまえば良いのに、と思った。

そんな彼が、バクラが――
消えてしまうなんて。


英瑠はそれから、目を閉じると、あらゆる彼の姿を思い出しながら、じっとその場に座り込んでいた。


どれくらいの時間が経っただろうか。

この世界には恐らく時間の概念がない。
ここでいくら悩んだところで、いずれかの世界に戻る時は、時を指定することは出来ないだろう。
そんな確信があった。


『武将という生き物は、死を受け入れて進まなくてはならない』


先程自分でなぞった言葉が、胸を刺す。


「死を、受け入れて、進まなくてはならない……」


そうだ。

バクラはきっとそうするだろう。

今の英瑠のように、めそめそと泣いて捨て鉢になってしまうようなことは絶対にない。


英瑠が無念にも、命を落としたら。

それが敵の手によるものならば、彼は復讐に走るかもしれない。

復讐……それも悪くないだろう。

だが英瑠の力はもはや、千年宝物にも精霊にも魔物にも干渉出来ない。

それに、誰に復讐すれば良いのか。
全ての元凶、大邪神か。
それとも、バクラの上前をはねていった老神官か。
はたまた、始末し損ねたファラオと残りの神官たちか。

全て、なのだろう。

けれども、到底それがかなわないことも分かっている。


英瑠は、茫洋とした光の世界で、ぼんやりと考え続けた。


バクラを、愛しているならば。

彼という人間の生き様を、目に焼き付けておきたいならば。


やはり、見届けなければならないのだ。

彼が生を終える、その時まで。

バクラという存在の、最後の最期まで。

それからどうするかは、後で考えればいい。

そうだ。

そうするしか、ない。


(バクラ……)



それから、彼女は『声』に呼び掛けた。

『声』が応え、英瑠は己の選択を告げる。

《二度とお前が生まれた元の世界には戻れないぞ、それでも良いのか?》

英瑠は、力強くコクリと頷いた。


《愛する男が死んだらお前はどうする。
後を追って命を絶つのか。
それとも別の男を探すのか。》

『声』が詰問するように問いかけて来る。

何様のつもりだ。

ああ、神様か。

英瑠は意地の悪い笑みを浮かべると、力いっぱい叫んだ。

「教えてあげなーい!!
余計なお世話!!!」


それきり、『声』が彼女に語りかけることは無かった。
二度と。

光が満ちて、意識が遠くなって、そして――!!



**********



「はぁ……、はぁ……!」

バクラはディアバウンドを失って膝を付いていた。

アクナディンの不意を突いて一撃を食らわせたときは光が見えたと思った。
だが、それが最後の有効打だった。

闇の奥で復活を待っている大邪神は、千年宝物と冥界の石盤を通して露骨にアクナディンに肩入れしているのだ。
バクラの魂が十全の状態ならともかく、ファラオとの激戦で消耗した体では、勝負は始めから見えていた。


ギシギシと音を立てて軋み、激痛に苛まれる全身。
血を流しすぎて、朦朧とする意識。
力の入らない四肢、ぼやける視界。

限界だった。

反攻を重ね、命の一滴すら残さず魂を使い切ったバクラ――

大邪神の加護を受けた老神官は、先程と変わらない様子で石盤の前に立っている。

千年輪と千年眼以外の宝物を石盤に収め、何かを待つように。

勝敗は決した。


バクラという盗賊は、もうすぐ死ぬ。

それが、現実だった。


たった一つ残った千年輪を握りしめ、バクラは覚悟を決める。

四肢を折られた哀れな動物でも見るような眼で、バクラを見下ろしているアクナディン。

そんなアクナディンを睨め上げ、不敵に嗤うバクラ。



多分どこかで分かっていた。
バクラは既に知っていた。

闇の力を手に入れるという衝動――
復讐心に甘く囁きかける、邪悪な声。

それは、幼かった少年の心に入り込む誘惑の声だ。
死霊さえも取り込んだ大邪神の魂が、徐々に少年の心を蝕んで、利用していく――

全ては、石盤に千年宝物を揃えさせ、自身を復活させるために。

バクラはそのことに、薄々気付いていた。
ただ、目を向けようとしなかっただけだ。

それどころか、逆に、大邪神の思惑を利用してやろうとすら思っていた。

だが敵わなかった。
バクラは大邪神とのパワーゲームに敗けた。
人の身である以上当然なのだが、大邪神の方が存在も力も上位だったのだ。


騙される奴が悪い。
盗られる奴が悪い。
食われた奴が悪い。
負けた奴が悪い。

それは悪党の論理。強者の論理。

闇に呑まれた哀れな少年。

そして――哀れな大邪神。

何故ならば。
御大層な大邪神サマとやらも、結局ちっぽけな人間の力を借りなければ、現世に顕現出来ないというのだから!


(上等じゃねえか……!)

バクラは今際の際に、そんなことを考えた。

アクナディンという神官は瀕死の虫けらが絶命する瞬間を眺めるように、バクラの最期の行動を待っていた。


利用された、哀れだったと嘆いても意味などない。
己の半生を全て否定して何になる。

嫌だ、こんなはずじゃなかったと泣きながら死んで行くのは真っ平御免だった。

そう、今バクラの後ろで横たわる英瑠だってそうだろう。

めそめそ泣いて、己の人生を悔いながら、命乞いをして死んでいくなどあの女は絶対にしないはずだ。

命すら、武器にして、最期まで足掻くはずだ。
きっと。

もし彼女がめそめそと泣くことがあるとしたら……
それはバクラが死ぬ時だけだろう。


「クク……、ククク……」

バクラは嗤う。
人間としての最期の時を、愉しむように。

「血迷ったか、盗賊よ」

アクナディンの声がバクラの頭上から降りかかる。

「まぁ待てよ神官サマ……!
ちょいと面白ェこと考えてんだからよ」

血を流し、目の焦点はぼやけ、肩で息をしながら、それでもバクラは不敵な笑みを崩さない。

最期の瞬間まで。


バクラは考える。

復讐を決めたきっかけも、目的も、通った道全てが、利用されたものだとしたら――

全て、大邪神の意志だと言うのなら――

ならば。

ならば、その目的全てを奪ってやる!!


盗賊王としての自分が、大邪神を全部呑み込んで、オレの意志を以て大邪神の目的を完遂させてやる!

歩いてきた道全てを否定して、哀れな自分を受け入れなければ成仏出来ないというのなら、いくらでも怨念として彷徨ってやる!

何千年でも。

いつか大邪神とやらが消える日まで!!!


「ククク……ヒャハハハ!!!」

バクラは千年宝物を握りしめて、嗤う。

そして、最期の力を振り絞り、己の魂を千年輪に込めて行く。

千年輪は形あるものに己の念を封じることが出来る。
であれば、己の念を千年輪自体に封じることも出来るはずだ。

「貴様、何を……!」

アクナディンが眉を顰める。

「別にたいしたことじゃねえよ……!
大邪神様の壮大な目的に、オレ様も一枚噛ませてもらおうと思ってな……!」

息子の未来にご執心している老神官には、決して理解出来ないだろう。

盗賊王としての矜恃。
バクラという男の生き様。


(見てろよ、大邪神サマ……老いぼれ神官よ!
貴様らを導くのはオレ様だ……
このオレ、バクラ様の自我だ……!)

バクラの握った千年輪から、闇が噴き上がる。

闇はバクラの全てを吸収していく。

血塗られた半生も。
怒りも。憎しみも。無念も。
そして、ほの甘い想いまで――


「バクラ!!」

背後で発せられた声。
たしかな質量を持つ、たった一人の女の声。

「オマエ、どこ『行ってた』んだよ……っ」

千年輪を握りしめたまま、バクラは背後を振り返った。
瞬間、目を覚ましたらしい英瑠が飛びつくように、バクラを抱き締めてくる。

「ってーな……!
ちったぁ手加減しやがれ、化け物女」

「ごめんね、バクラ、ごめん……!
……ちょっと神様に嫌がらせされちゃって。
私、もう、あの力……この世界では意味が無いの。
もうバクラを守って、あげられないの……!」

「ちょっと待て英瑠、」

バクラは少しだけ彼女を引きはがすと、千年輪を首から外し、視線を寄越さぬままアクナディンの方に放り投げた。

「千年輪はコイツが嫌がるからな……貴様にくれてやるよ!
とっとと大邪神を呼び出すんだな、老いぼれ神官サマよぉ」

「バクラ……!?」

「いいんだよ、まぁ聞けや英瑠……
っ、神官が邪魔くせぇな、あっちの方行こうぜ……」

「バクラ……」

「体が痛ェんだよ……!
肩貸せよ、英瑠。
最期の瞬間にあんな老いぼれジジイを視界に入れときたくねえんだよ」

「っ、バクラ……!」

「、泣くんじゃねえよ……!
っておま、オイ、何してやがる……!
ってーな……! おい!」

「何って……抱っこだよ。
向こうに連れてけって言ったのバクラじゃない」

「オマエ……
なんで盗賊王サマが女に抱っこされなきゃならねえんだよ……!
肩でイイんだよ、おい……!」

「だって最近のバクラに肩貸すと、絶対胸……れるんだもん」

「あァ? なんつった?」

「なんでもない!!」


血塗られた歴史を持つ地下神殿で、まるで数日前と同じように、じゃれるバクラと英瑠。

二人は冥界の石盤とアクナディンから離れると、柱の影に腰を下ろして身を寄せあった。


「…………、」

唇を震わせ、黙りこくる英瑠。

その目には大粒の涙が浮かび、うるうると目を滲ませていた。

「泣くんじゃねえよ……」

弱々しい息を吐き出したバクラが、そっと英瑠を抱き締める。
その力が驚くほど弱いことに、バクラ自身も驚いて内心嗤ったのだった。

「なぁ、英瑠……よく聞きな」

彼女を抱き寄せた耳元で、そっとバクラは己の最期の野望を口にした。

千年輪に込められたバクラの念。
いずれゾークと一体化するだろう己の魂。
肉体が滅んでも、成仏出来ないだろうこと。

それらを、バクラは嗤いながら英瑠の耳元で囁いた。

英瑠は、涙に濡れた双眼を瞬かせ、バクラを抱き締め返しながら、彼の言葉に頷いていた。

ひとしきり聞き終わったあと、英瑠もバクラの耳元に唇を寄せ、密やかに言葉を紡ぐ。

「私……待ってるね。バクラのこと……
あの世だか冥界だか分からない世界で、待ってる。
何百年でも何千年でも。
だからきっと来て、バクラ」

そうして彼らは、唇を重ねながら、彼らにだけ聞こえる声で、最期の会話を交わす。

互いの温もりを腕の中に感じながら――


「ああ……行ってやる。
もしもオレ様が、先に成仏できたら……っ、
オマエを待っててやる……
別の世界に行きやがったら、承知しねえぜ」

「行かない……!
この世界で生きるって神様に言ったんだもん……
神様怒らせちゃったみたい。
でも知らない、私は大丈夫……!」

「そうかよ……、英瑠……っ
オマエ、本当イイ女だな、英瑠……っ」

「バクラ、好き、愛してる、バクラ……!」

「ああ……、愛してるぜ、英瑠……」

「っ、嬉しい、バクラ……、バクラ……っ
ね、もっとちゅー、して……っ」

「ん……、ほらよ……、…………っ、……、
チッ……、もっとヤっとけば良かったぜ、っとによ……っ、勿体、ねぇな……」

「んっ……やぁだ、バクラ……、でも、私も、そう思う」

「だろ……?
なぁ……他の男に、触らせんなよ、その身体……っ
……とはいえ、オレが相手してやれねえんじゃ、仕方ねぇか、……」

「そんなことないよ……!
誰ともしない……、バクラだけをずっと想ってる……!」

「ハッ、嘘でも、そう言ってくれると……
悪かねぇ、な……
オマエ、本当可愛いよ、」

「ありがとう、バクラ……!
バクラ、全部、ありがとう……!」

「ああ……、オレ様の方こそ……、
礼を言うぜ、英瑠……っ」



かつて、住民たちの命を使って生み出された千年宝物。
七つの千年宝物はその日、一人の老神官の手によって冥界の石盤に収められた。

噴き上がる闇。
開かれる、冥界の扉――

その日、大邪神ゾーク・ネクロファデスは復活し、神官は闇の大神官となって現世に降臨した。


ファラオと神官団が盗賊村に駆けつけた時――

かつて王宮を騒がせた盗賊の姿も、獣の力を持つ女の姿も、そこには無かったという――




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