――――――――――――それは死?
…………………………………………けれども。
「………………………………ッ、」
それは光であり、熱であり、
――――――――――――いのち、だった。
「…………………………………………、っ」
いのちが流れ込んでくる。
サキュバスのいのちの源となるチカラが。
やわくて、ぬるくて、とても心地よい感触とともに。
「……一度だけだ。二度目はないぜ」
温もりが離れた後に、そんな台詞が聞こえた気がした。
「あぅ、あっ、あっ…………、
なぜ、なっ、何故、なんで――――、ッ!?」
「……言ったろ。最後までイケたら慈悲をくれてやるってよ」
「…………ッッ」
「……ま、お前が作った食事はなかなか悪くないしな。
別に本気で殺したかったわけじゃねえよ」
「ッ…………!!!!
ぁ……、あ………………、う、うそ…………っ
だって、……だって………………!! ンゥっ」
夢ではなかった。
サキュバス少女、桃香は生きていた。
それどころか。
「それに…………ククク。
オマエが弱りきってくたばりそうになったのを見て、こっちもそれなりにクるモンがあったんだよ」
サキュバスも驚く性癖暴露があった。
にしても。
キスで最低限の性的なオーラを流し込んで
これが慈悲と言うのなら、あまりにも唐突で、そしてサキュバスにとっては幸福でしかなかった。
「…………うぅ、信じられない…………っ
夢、みたい……っ」
桃香は彼と繋がっていた。
比喩表現ではなく、物理的に、生物的に。
人間のオスにとっては生殖行為で、サキュバスにとっては食事行為に等しい、しかしどちらも至福の快楽を感じられる行為を。
彼に身体を揺さぶられるたび、全身に生気が満ちていくのがわかる。
半分生身、半分オカルトの悪魔が存在を丸ごと肯定されるような、えも言われぬ恍惚感と充足感。
「あっ……、あっ……こんな、こんな…………っ
ん…………っ、気持ち、い…………」
ビリビリと甘く痺れる四肢。
サキュバスを形作る人ならざる部分が、行為によって生み出される性的なオーラをぐんぐん魔力に変換していく。
最後に精液を吸い取るまでの一連の行為全てが、サキュバスの栄養となるのだ。
さらに、それだけではなく。
「……サキュバスのくせにそんな顔するのかよ、……ッ
いや、サキュバスつっても趣味は様々ってワケか…………
フフ、割と嫌いじゃないぜ、オマエみたいなタイプはよ……、」
「ん…………!」
淫魔と言えば積極的とだいたい相場が決まっていて、まぁたしかに上に乗っかって自分のペースで搾り取った方が効率が良いのかもしれないが。
でも、死にかけていたので彼の上に乗っかる力もなかったのだから仕方ない。
彼が唇を重ねて、舌を絡めた上で唾液を流し込んで、ようやくぼんやりと目を覚ました彼女を半ば無理やりひん剥いて、寝込みを襲うような形で犯してくれなければ始まらなかったのだ。
それに、桃香は生物としての自分がいわゆる
だからこの状況は願ったり叶ったりだったし、さらに…………、
「バクラ、さ……あっ
うれし、うれしい…………っ
私、なんだかとても嬉しいです……っ
怒られるかもしれないけど、でも……っ
バクラさまに会えて、良かった…………あっ!」
眼を潤ませ、ハートマークを瞳の中に浮かべ、蕩けるような眼差しでバクラを見上げる彼女は、人間に喩えるなら好きな人に抱かれて悦んでいる少女にしか見えなかった。
何となく色々察してしまった彼は内心呆れつつ、でも意外と悪い気がしない自分がいることに目を背けながら、
「会えて良かっただと……?
死にかけたくせによく言うぜ……!!
おめでたい女だな、まったくよ……っ!
オラ、首絞められてさらに嬉しそうな顔してんじゃねえよ……!!
ドMのサキュバスが居るなんざ知らなかったぜ!」
「……ッッぁう、んく……
……はっ、んんん、んふ…………っ」
めくるめく至上の快楽に浸りつつも、生命力を取り戻したことによりようやく頭がクリアになったサキュバス少女は、ふとあることに気付いてしまう。
「………………ッッッ!!」
彼から吸い取れるエネルギーが、思いのほか大きいことに――バクラと名乗る邪悪なる意思が
その事実が示す意味とは…………。
「ッ…………バ、クラさま…………?
なんか、なんか…………、すごく…………、すごいの……、どうして……」
「ケッ……、くだらねえこと気にしてんじゃねえよ……!!
……まぁ、オレ様の魂はともかく、この肉体はあくまでも生身だからな。
一応カラダの方はちゃんと反応してんだよ……サキュバスの
カラダだけはよ」
………………………………………………。
桃香は驚きすぎて思わず言葉を失ってしまった。
正確には、心臓をギュッと握りしめられたに等しい衝撃を感じていた。
だって。
だって、それってつまり。
たとえば、お尻を振って彼をあざとく誘惑してみた時も。
食べかけのパンをくれた時とかも。
気付いてしまった直後、ぶわりと全身に広がる熱があった。
それは喜びで、熱情で、純粋な性的衝動や食欲とは少しだけ違う感情だった。
きっと人間の少女だったら、この感情をこう呼ぶのだろう。
恋、と。
「ァ…………、あぅ…………、あっ
ァ、ぁ、あ…………」
客観的に見れば、男性の性と精を食い物にする悪魔が捕食対象である男子に精を恵んでもらっている状況でしかないが。
だが、見方を変えれば、人間とほとんど変わらない感情を持った淫魔の少女が、恋した男性に抱かれているとも言えるわけで…………?
「ぁ、あの、ああ、あの…………っ!
ゃ、うれしい、ケド…………っ
こ、こんな……っっ
わたし、困る…………ッ!!
だって、こんなの…………初めて、」
「はぁ……? ッ、なんだよ急に、お前が死ぬほど欲しがってたモンだろうよ!
どういうつもりだ、その態度は……、」
「ァ、ちがう、違うんです…………ッッ!
だって、だって、……ンっ
だって、だってぇ…………っ」
「何だよ、」
「だって、こんな気持ち初めてなんです……!
わたし、バクラ様のことが、本気で、す、好きになっちゃった………………
だから、好きな人から頂けるとか、こんな風に好きな人とするの、初めてで
……頭がおかしくなりそう……っ
もう、だめ…………っ
あなたが、好き…………、好きです…………ッ!!」
恋する淫魔による盛大な告白だった。
カラダを繋いだまま。
顔を真っ赤にして、ちょっと眼を潤ませながら。
バクラの首筋に絡めるように腕を回して、どこまでも熱っぽく愛を囁くサキュバスの女がそこにいた。
「………………………………………………、」
彼は。
サキュバス少女桃香の決死の告白を、いつものように鼻で嗤って罵倒する――かと思いきや。
へぇ、という一声だけ発して、それから。
真っ赤になった彼女の両耳を手で覆うように包み込むと、
「そりゃあどうも」
囁くように呟いて。
それから、一度だけ彼女の名前を口にした。
「桃香」と。
悪魔の魂を掌握出来るはずの真名は、しかし、何の命令も呪縛ももたらさなかった。
彼はただ、目の前の女の名を呼んだに過ぎなかったのだ。
彼のことを好きだと言った女の名を。
女の眼を見つめて、どこか熱っぽく。
そうして、桃香と呼ばれたサキュバス少女の心臓がどくりと甘く鳴った後。
バクラは貪るように、彼女の唇を塞いだのだった――――
嘘か誠か、こんな言い伝えがある。
即ち、『人間に恋をしたサキュバスは幸せになれない』というものだ。
ではこの場合――
まあ、少なくとも、飢えたサキュバスに生気を与えることが出来たのは彼≠フ人間部分である肉体のおかげなのだが…………
ともかく。
男の精を吸収し命の渇きが満たされたばかりか、恋心というオマケまでついてきてしまったことに、
――が、魔力が戻って体力が復活したこともあり、その戸惑いはたちまち縮んで存在感を失い、恋という名の魔物にぱくりと飲み込まれてしまった。
端的に言えば『このヒトが好きだからもうそれ
でイイの……』である。
何がそれでイイのだ。
それは良くないだろうサキュバス……!?
己の感情に忠実で、終わり良ければ全て良し――出会い方が悪くて危うく飢え死にさせられかけたけど、そのひとのこと好きになっちゃったからもう大丈夫なの。
あの時感じた恐怖も、悲しみも、僅かな怒りも、全部
つまり桃香は非の打ち所のないほど満足してしまったのである。
彼の精――いいや、彼を形作る全て、目の前にいるバクラという存在全てに。
好きなヒトができるってすごい。
好きなヒトとするのってすごい!!!!
主食である人間男性の性的なオーラ、精そのものは勿論この上ない充足感をもたらしてくれるが、恋愛感情というものはそれとはちょっぴり違っていて、どこか熱くて、切なくて、胸がいっぱいになって、己の全てを捧げてもいいと思えるどこまでもひたむきな執着のように思えたのだ。
そんなわけで桃香は、彼に念願の精を恵んでもらった後――いわゆる事後という状況で、現況を整理すると共に、睦み合いの甘い余韻を噛み締めていた。
「満足したようで何よりだ」
ちょっと大仰に、皮肉をこめて掛けられた言葉。
それもきっと、問題のサキュバス少女が体を気だるそうに横たえながら、お目目をキラキラさせてじっとりと熱っぽく彼を見つめ続けていたからだろう。
「ありがとうございます……
このご慈悲と快感は一生忘れません……」
「…………………………」
バクラが何か言いたそうな顔をして、ウットリあなた大好き最高でしたモードから一ミリも動く気配のない桃香に視線を向けていた。
そのちょっと複雑そうな表情は、『それでいいのかサキュバス……? 危うく殺されかけたのに随分呑気なモンだな』と物語っていたが、身も心も完全に満たされて何も憂いのなくなったハッピー淫魔には彼の心持ちを推し量る余裕などないのだ!
バクラは考える。
この単純さ、欠点と言ってしまうのは簡単だが――けどまぁ、下手に慎重になられて、お情けによる
にしても、まさかガチ惚れされるとは思わなかったが……。
男の精を搾り取る淫魔のくせに惚れっぽいとはどういうことだよ。難儀な性質だな、なんて呆れずにはいられない彼なのだった。
そんな彼の思いなど全く知らず、事後の甘い余韻を味わっていたサキュバス少女は、ふとある疑問と不安が湧いたためにむくりと体を起こした。
人間と同じ色の肌を晒したまま、少女淫魔桃香が持つ2つの堂々たる
バクラは一瞬だけそちらへ視線を遣ったが、彼女が縋るように彼を見つめ続けているので応えるように視線を返してやった。
それから、ハァ、と息を吐いて口を開く。
腕組みをしたバクラは、
「お前を許してやるよ、桃香。
はじめにオレ様を襲おうとしたことは不問にしてやる。
だからもう、何処へなりとも行っちまいな」
それは解放宣言であった。
待ちに待った、今まで罰を受けていたサキュバス少女にとっての、念願である
――――――――――――――――だが。
「……………………………………っ」
桃香の表情は晴れなかった。
これから自分はどう行動すればいいのだろうという彼女の疑問は解消されたが、同時に不安でもあるそれが的中してしまったのである。
まぁたしかに、ちょっと前まではこの解放宣言を心待ちにしていたのだから、今更何をと思われるのは当然なのだが…………。
「チッ……」
舌打ちをしたバクラは、サキュバス少女の顔を見て瞬時に察してしまった。
淫魔とはいえ恋する女の乙女心?
の機微に敏いなどと思われるのは癪だが、それでも気付いてしまったものは仕方がない。
そもそも彼は、例の
気まぐれから来るお情けとは言え、元から全く肉体的魅力のない対象が死にかけて虫の息になったところで、何かの欲求を
ゆえにバクラは、二の句を継ぐことにした。
ほんの少し不本意だとは思えども、彼女と同じく彼の方も例の
「チッ、お前を自由にしてやるって言ってんだよ……!
もしまだ出て行きたくない、惚れた男の傍に居たいってんなら好きにしな」
笑顔があった。
パァァ、と綻んだその表情は、開いていく花のようでもあった。
「単純な女だぜ、ったくよ!
……あと前言撤回はナシだ。2度目は期待すんな。
この体を何度も欲張り淫魔にくれてやるほどお人好しじゃねえんだよオレ様は……!!
そのかわり、またお前が飢えてブッ倒れる前に
フフ、と不敵に嗤ったバクラの姿は、今の桃香にとってはどうしようもなくカッコ良かった。
人間の肉体に宿る、最上級邪神の魂。
恋する少女から見たその姿は、どこか茶目っ気のある可愛い少年のように見えたのだった――
ヴぅぅぅぅ〜〜〜〜。
ただのデジャヴである。
「あれから一週間…………
身の回りのお世話をするだけでバクラ様と一緒に居られるのは嬉しいし、合法的? に触れられるのも幸せだし、私の作ったごはんを相変わらず全部食べてくれるのも最高だけど…………
でも、サキュバス的にはちょっとお腹が減り気味かもしれない……贅沢言って申し訳ないけど…………うう……」
なぁんてつい説明口調になってしまうサキュバス少女桃香だが。
彼女は今、一人ベッドに腰掛け足をぷらぷらさせながらバクラのことを考えていた。
バクラという
「ククク……淫魔が使い魔ってのも悪くはないかもな」
それが主従関係を結ぶきっかけのようなものだった。
例の
桃香は望んでここに残ったのだ。
そんな彼女に後ほど告げられた、使い魔=オレ様のしもべ宣言は、言い換えれば今後もし彼女が心変わりしたとしても勝手に彼から離れることが出来なくなったという意味で首輪と鎖であると同時に、しもべになったからには彼女をみすみす死なせるようなことはしないという彼の救済宣言でもあったのだ。
その証拠にバクラは、翌日も、その翌日も、本番行為こそしてくれないまでも、意識的に熱っぽく触れ合ったり唇を重ねると言ったいわゆるイチャイチャ行為には少しだけ付き合ってくれた。
おかげで桃香は、直接的に得た精があの一度きりにも関わらず、その後イチャイチャオーラだけで食い繋いで来れたわけで。
「でも…………イチャイチャできて心はこんっっなに満たされてるのに、体が物足りないの…………悲しい…………サキュバスだから…………」
人間で喩えるとさしずめ人工甘味料みたいな感じだろうか。
口当たりはとっても甘いのに肝心の
……いやいや、さすがに嫌な喩え過ぎないか。
言うて人工甘味料よりはイチャイチャオーラにカロリーあるし。
ニンゲンセカイ、まだまだ知らないコト沢山あるネ!
自分の知識の無さを嘆いてしまうサキュバスなのであった。
そんなこんなで、新たな出会いは唐突だった。
「……ほらよ、前に言ってた
感謝しな!」
「こいつか…………噂のサキュバスってヤツは」
!?
バクラが連れて来た見知らぬ人物を前にして、サキュバス少女桃香は「えっ……」という声をあげて固まることしか出来なかった。
それから、遅れて合点がいく。
『
愕然とする桃香を一瞥し、バクラは言い放った。
「こいつ
外見は違うが
今後はこいつから恵んでもらいな」
「クク……よろしく頼むぜ」
そう告げた人間は元のバクラと肌の色が違う男性だった。
褐色の肌に、紫がかった眼の色。
頬には大きな傷跡があり、元のバクラよりはなんと言うかだいぶワイルドな印象だが――
「え…………、あの………………」
「細かいことは気にすんな。そいつの中身はオレと違って人間だが、心配はしなくていい。
つーか、ただの人間だと思ってると痛い目見るぜ。
男の精を貪るサキュバスが、逆に骨抜きにされないよう気をつけるんだな」
バクラ様……?
あの、この、あなたとよく似た
と言うか、あの、サキュバスには本来肉体的な貞操観念というものは無いですけれども、でもなんとなく好きになった人以外から堂々と頂くのはいささか胸が痛むと言うかなんと言うか――――そう喉元まで出かかっても上手く言葉にできないサキュバス少女桃香、困惑した表情のままあわあわと縋るような視線を
「だからそいつもバクラだ。
お前の献身はちゃんと伝わってるから安心しな」
「ッ!!」
思わずキュン……! と跳ねた悪魔の心臓の主を置き去りにし、それだけ口にすると彼は部屋から出ていった。
後に残されたのは、もう一人のバクラとやや飢えたサキュバス少女のみ。
とりあえず理屈は分かったしこれもご主人様の心遣いだと思えば嬉しいじゃ済まないのだが、でも突然すぎてちょっぴり気まずいと言うか……恥じらいという言葉は淫魔であるサキュバスに似つかわしくはないが、じゃあ頂きますといきなりがっつくのも恥ずかしいような気がするし、じゃあこのヒトとどんな風に距離を縮めようかな、なんてことを考えながら桃香がちょっと俯きがちにベッドに腰を下ろした直後。
「へぇ」
音もなくサキュバス少女の隣に腰掛けてきた褐色肌のバクラが、彼女の顔を覗き込むように息を吐いた。
「ぁ、あっ……!?」
ねぇこのバクラというヒト、身のこなしが只者じゃないしなんか声も口調も、よく見れば目元や口元なんかも元のバクラ様とよく似てるんですけど!?
心なしか熱っぽい眼差しの彼に間近でじっと見つめられ、サキュバスは思わず息を呑んでしまう。
だが彼女の動揺など意に介さないもう一人のバクラは、さらに距離を詰めてから淫魔の頬を撫で、囁くように呟いた。
「サキュバスっていうからどんな妖艶な女かと思ったら……随分と可愛らしい顔してるんだな」
再びキュンと鳴った悪魔の心臓。
いつの間にか彼のお膝の上に乗せられ、髪を指先で弄ばれる頃には、桃香はすっかり出来上がっていた。
「サキュバス……お前のことを何と呼べばいい」
「あっ……桃香、です……」
などと、再び真名をあっさり教えてしまうわけで。
「桃香……。フフ、よろしくな」
もはや恋する乙女でしかないサキュバスの心臓が、どくどくと期待に高鳴っている。
「は、はい…………お手柔らかによろしくお願いします……」
彼女がそう答えた直後、噛み付くように塞がれた唇からは、たしかに元のバクラと同じ味がした――
「バクラさまぁ…………!
あの、私すごくお腹いっぱいになれました…………
はぁはぁはぁと息を荒らげてフラフラ半裸のままご主人様の元へやって来たのは、ツヤツヤ全身が潤っているサキュバス少女桃香である。
淫魔サキュバス、完全回復魔力満タン、身も心も至福であった。
「お前の
ククク……そいつの体力舐めんなよ、ブッ倒れるまで付き合ってやりな!」
「あっ……」
背後から蛇のように伸びてきた力強い褐色の腕が、しっとりと火照った体のサキュバスを捕えて軽々と担ぎ上げた。
そのままベッドまで連れ戻す。
「あんっ!!
まって、お腹いっぱいなのにこれ以上されたら理性が飛んじゃう!
正気を保てな――――
……ていうか、イクと魔力使っちゃうんです、だから、」
「減ったらいくらでも補充してやるよ、安心しな……!!」
「あッッ……!!
あっ…………、あああぁぁん!!!!」
こうしてサキュバス少女は二人のバクラのしもべとなり、幸せを得たのだった。
彼女が夜な夜な獲物を探して彷徨うことは、もう二度と無い。
ハート目サキュバス、トロけた顔で大満足の堂々たるWピース!
めでたしめでたし、これにて終幕である。
END
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