自覚

※軽い下ネタ注意

「はぁ…、お腹痛い…」
「ン?、どうかしたのかい?」
紅茶をテーブルに置きながら、サンジが聞いた。
「んー…、言っていいの?」
「…aaaちゃんのことならなんでも知りたいけど」
「…あのね、生理痛がひどいんだよねぇ」
マナー悪く紅茶をずるずると啜りながら、aaaはサンジに言った。
「一日目って特にひどくて……お腹痛いの」
サンジはaaaの隣の席に座ると、aaaのお腹を撫で始めた。
「そっか。さすったら、ちょっとはよくなるかもよ」
「ん…」
まるで妊婦とその旦那が子宝に恵まれたお腹をさすっている様子とそっくりだ。
「生理痛ってさ…」
aaaが自分のお腹を撫でながら、サンジを見た。
「ンー?」
サンジはaaaを見つめる。
「生理ってわかると、なるんだよね。急にお腹痛くなるの」
「……オンナは大変だなァ」
サンジはaaaのお腹をひとしきり撫でると、タバコを取り出して口にくわえた。
「うん、だからいたわってね」
aaaが笑うと同時にサンジがタバコに火をつけた。
「うん」
そう返事して、サンジはaaaの頭を撫でた。

aaaはチョッパーに言って、痛み止めをもらうと、船尾に向かった。
心地好い生温い風が吹く。
きっと次の島は春島なんだろう。
潮風を味わっていると、後ろから足音がして、ゆっくりと振り返ると、そこには金髪が風になびくサンジだった。
「…なァ」
「んー…どうかした?」
そう言ったすぐ後にaaaは、はっと何かを思い出して慌て出した。
「あ!私、今日はおやつ盗み食いしてないよ!?」
「ルフィだけじゃなかったのか!?」
「る…ルフィと一緒に…」
えへへ、とaaaがわざとらしく笑うと、サンジは苦笑いをした。
「ごめん。……で?」
「あ?あぁ…、その……あ、の…な、」
どもるサンジにaaaが首を傾ける。
「おれ……、多分…」
何かを言おうとして、片手で顔を覆って、溜息を吐くサンジ。
「……サンジ」
「…aaaちゃん、待って……その」
はぁぁっ、と息を深く吐いて、サンジはaaaを睨むように見た。
「おれ、多分……、aaaちゃんのこと、好きだ」
「!」
どきん、と胸が高鳴った後、aaaは顔をしかめた。
「…多分、でしょ?じゃあ、違うかもしれないよ。家族愛かもしれないし、友情かも…」
「そういうんじゃないんだ!ただ、…aaaちゃんに触れることが、嬉しくて……、好きだなって思って…」
サンジの顔がかあっと赤くなった。
「……だって、触れただけ、なんでしょ?たまたま、好きだなって思っただけで……それは、」
言い訳のように言葉を続けるaaa。
サンジはaaaの手を掴んだ。
「違う!おれはきっと、前からずっと好きだったんだ。でもおれ自身気付いてなくて、さっきやっと……気が付いた」
サンジが掴んだaaaの手にキスをした。
「…aaaちゃんが言ってたろ?……好きだとわかると、もうどうしようも好きになって……おれァ、aaaちゃんにキスしたくて堪らねぇよ」
熱を帯びた、吐息多めの声を出したサンジ。
「…これって、家族愛だと思う?」
サンジはaaaの指をくわえ、そして舐めた後、aaaの瞳を見つめた。
「ち…違うと思う…」
「…だよな」
サンジはにやっと笑うと、aaaに噛み付くようにキスをした。
「んっ!」
「…好きだ」
口を離した途端に、サンジはそう言った。
「…こ、こんなに迫られたら、私、断れないんだけど……」
aaaは真っ赤な顔を見られないように、顔を両手で覆った。
さっきのサンジと同じ格好だ。
「…断るの?」
サンジの言葉に、aaaはかぶりを振った。
「私、サンジより前から……自覚してるから」
そう呟くと、サンジがaaaの手を握って、aaaを抱きしめてから、もう一度キスをした。

「…すきっていう、自覚」
ひゅう、と風が吹いて、サンジが笑った。



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