オジサンに、恋

こんにちは、NEXTです。
今、トレーニング中です。


「わ、ワイルドタイガーさん…」
「虎徹でいいって言ってるだろ!」
ばしん、とaaaの背中を叩いたのは虎徹だった。
最近ヒーロー入りしたaaaはいつもテレビの中で活躍しているヒーローたちに囲まれ、aaaはどう接していいかわからず毎日あたふたしていた。
「もー可愛いわね、あんた!」
横から入ってきたのはファイヤーエンブレムであるネイサンだった。
ネイサンがaaaの頬を突っつくと、aaaは驚きすぎて目が飛び出そうになっていた。
「うひゃあああファイヤーエンブレムさんだぁああ!!」
「何よ、昨日も一緒だったじゃない。ひどいわー」
はぁ、と頬に手を当て溜息を吐くネイサン。
「どうしたのよ」
「どうした」
ひょっこり現れたのはブルーローズことカリーナとロックバイソンことアントニオ。
「わあぁぁああブルーローズさんとロックバイソンだぁあ!」
ひたすら叫ぶaaaの目は見開かれたまま。
「俺のことは呼び捨てなんだな…」
苦笑いをしたアントニオの肩に、虎徹の手が置かれた。
「……で、なんの用だったんだ?」
虎徹が首を傾げて聞いた。
「あ、あの…いや、なんでもないです」
「なんだそれ」
はは、と笑いながら、虎徹がaaaの頭を撫でた。

「わ、わいる……虎徹さん!!」
「うん?」
トレーニングでかいた汗をタオルで拭く虎徹を、aaaが呼び止めた。
「なんだよさっきから」
きらきらと光る汗が、髪から滴って落ちた。
「……ちょっとこっち来てください!」
ほかのヒーローたちはもうトレーニングをし終えて着替えをしていて、トレーニングルームには人がいないけれど、念のため部屋の隅へと虎徹を連れていった。
「なんだよ!」
「……虎徹さん、好きです」
勇気を振り絞ってaaaは言った。
「お?、おお」
虎徹は微妙な表情をしてaaaを見た。
「…で?」
「……だけですけど」
「あれ?」
虎徹は眉を八の字にした。
aaaは虎徹の考えていることを読み取り、口を開いた。
「私は、ヒーローのワイルドタイガーじゃなくて虎徹さんが好きなんです!」
「…!」
「私は、その…あの…」
手を口元に持っていって、口ごもるaaaと、呆気にとられている虎徹。
「…え?、なに、大学生のaaaが、バニーちゃんじゃなくアントニオ…は、ないか。キースじゃなく、オジサンの、俺?」
「……はい」
「嘘じゃねぇよな!?嘘だったらヘコむんだけど…」
「そんな、ベタな罰ゲームとかイマドキありませんから…」
aaaが俯きながら言う。
虎徹が首に手を当てて、んー、と唸った。
「……なぁ、勘違いしてね?、こんなオジサン、絶対嫌だろ」
「…そんなことないですよ!私は虎徹さんのこと、本当に好きなんです…!!」
き、とaaaが虎徹を睨むと、虎徹は照れているのか、ニヤけていた。
「…なんですか」
「いやー、あのな、俺も好きなんだよ…なー…」
はは、と笑いながら虎徹がそう言った。
虎徹の顔が紅潮していく。
「…はい?」
「だから、俺も……aaaのこと好き、ってこと…」
「……嘘」
ドキドキと高鳴る鼓動が急激に速くなって、aaaは体が震えるのがわかった。
「嘘なわけねーだろ」
虎徹の顔が、唇が近寄って、aaaの唇と重なった。
「オジサンだから、気が急くんだよなー…」
ぺろ、と虎徹の唇が離れて、舐められたaaaの唇が唾液で濡れた。
「虎徹さん…っ」
aaaが虎徹の胸に飛び込んだのは、言うまでもなく。




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