勉強するぞ

※現代パロディ(学パロ、受験ネタ)

「死んでしまいたい…」
机に突っ伏して、aaaは小声で呟いた。
机の上のノートに、シャーペンで黒く塗り潰された公式。
「もう少し頑張れ」
家庭教師をしてくれているサンジがシャーペンをくるくると回しながらaaaの背中を叩いた。
「もうやだ…」
aaaが半ベソで首を横に振ると、サンジは大きく溜息を吐いて、aaaの頭を撫で回した。
「うわっ、何!?」
ぐしゃぐしゃになった髪を整えながら、aaaがサンジを見ると、サンジはイスから立ち上がって背を向けていた。
「コーヒーもらってくる」
「…ココアか紅茶がいい」
「わがままだなァ」
サンジはひらひらと手を振って、部屋から出ていった。

今、二人はaaaの部屋で受験勉強をしている。
別に漫画によくあるような、彼氏と同じ高校に通いたいとかそんなわけじゃなくて、aaaはただ近場の高校に行きたいだけだった。
近くでサンジを見ていたいがために、近場の難関の高校に行くと決めたのだ。
ちなみに、サンジはaaaの受験高校よりももっと難関で、そんな高校には入れないからという理由でもあったのだけれど。
そんなこともあり、平均の点数、真ん中あたりの順位を取る普通の女子中学生のaaaはサンジに勉強を教えてもらっているのだった。

「…漫画読みたいなぁ」
受験が終わるまで封印しろ、とサンジに言われてダンボールにしまわれている漫画に目をやるaaa。
「ちょっと…だけ…」
そうっと手を伸ばしていると同時に、がちゃりと部屋のドアが開いた。
aaaとサンジは固まって、お互いを見つめ合っている。
「……」
「…何してんだ」
先に口を開いたのはサンジだった。
「な…なんでもないです…」
サンジは両手に持ったカップを机に置いて、イスに腰をかけた。
「漫画は読まないって決めたんだろ?、読み出したらキリがねぇよ」
そう言われて引っ込められたaaaの手をサンジが掴むと、ちゅ、と可愛い音を立ててキスをした。
「うっひゃあ!なに!?」
aaaはサンジの行動に驚き、がたがたがたんと大きな音を立ててイスから転げ落ちてしまった。
「aaaちゃん、大丈夫?」
「う、うん…」
aaaはイスに座り直すと、横に座るサンジを見た。
「へ、変なことしないでよ…」
「これくらいいいじゃねぇか」
「…こ、これくらいって……」
キスされたところが熱い。
顔がだんだんと赤くなっているのがわかる。
「変なこと考えてんのはaaaちゃんの方だろ?」
そんなaaaを見て、サンジが言った。
「ちっがうもん!」
照れているのを隠して、aaaはシャーペンを握りノートを見た。
「ほら、サンジくん、やろ」
「ん?、あぁ」
サンジもシャーペンを持って、問題が書いてある冊子に目を向けた。

夜の九時、今日のサンジとの勉強は終わり。
「今日もありがと」
「別にいいって」
向かい側にあるサンジの家の玄関で話す二人。
「ちゃんと復習しろよ」
に、と笑ったサンジにaaaの胸がどきりとした。
「うん、ちゃんとする…」
「ん、いい子だ。……応援してっから」
サンジがaaaの頭を優しく撫でて、唇を重ねた。
「頑張るね」
「ん」
aaaの頬を撫でるサンジが、たまたまaaaの耳を触った。
「クソ冷てぇ、aaaちゃん!」
そう言うと思ったらサンジは急にaaaの耳にかぶりついた。
「ひょわあ!」
「冷てェ…」
「さ、サンジくん…!!」
やわやわと舌で耳を温めると、もう片方も同じ様に温めた。
「これでまだマシだろ」
「う、うん。そうだね…」
ばくばくと口から飛び出しそうな心臓を押さえて、aaaはサンジを引き離した。
「ちゃんとあったかくして寝るんだよ」
サンジはにっこりと微笑んで、家に入った。

aaaは拳を握り気合いを入れて、勉強するぞ、と夜空に叫んだ。



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