たばこくさいご褒美

※学パロ、名字使います!

「古文ってむつかしい…」
「勉強しねぇからだろ」
教科書でパコンと叩かれた。
結構痛いよ、先生。

「補習があるから出来ねェやつは自主的に出ろよ」
眼鏡をかけた古文教師のサンジがポーズを決めながら言った。
「えぇー、出ようかなぁ」
きゃっきゃっと笑い合っているのはサンジの取り巻きの女子たち。
「……」
aaaは頬杖をつきながら、早くも出ようと決めていた。
「出来ねェやつは、出ろ」
もう一度、サンジがはっきりと言った。
「先生ーっ、私、個人指導でお願いしまーす!」
女子たちの笑いに溜息を吐きながら、aaaはサンジを見ると、サンジもくだらないと思っているのか、目が笑っていなかった。

放課後、古文の補習のためaaaが教室に残っていると、教室にサンジが入ってきた。
「…これだけか?」
サンジが教室を見渡してから、aaaを見つめた。
「これって、……私はこれじゃありませんけど」
突き放すような言い方に、サンジはむっと顔をしかめたけれど、すぐに無表情になって、aaaの前の席にやって来た。
「aaa…だったな?」
「はい」
「…誰かが言ってた個人指導だな」
サンジはにっと笑いながら、席をaaaのテーブルにつけた。
「あんまり嬉しくないですけどね」
はっ、と渇いた笑いをしてみせたaaaは古文の用意をして席に座った。
「へぇ、じゃあもう止めとくか?」
にやっと笑ったサンジに、aaaはどきりとしながら、ふるふると首を振った。
「そろそろテストだし…、勉強しなきゃです」
教科書とノートを広げたaaaの頭を、サンジがぽんぽんと叩いた。
「へー…、えらいんだなァ」
サンジは自分の持っていた教科書を開くと、教科書を読み始めた。
「ここの訳、やってみろ」
「えっと…、その…風流で?」
aaaはノートをじっと見た。
「間違ってる」
サンジがaaaのノートを覗き込むと、サンジの開いたシャツから見える胸元が色っぽくて、aaaはすぐさま目をそらした。
しかし、その行為はいかにもあやしく、サンジはそっぽを向いたaaaを凝視した。「aaa?」
「……サンジ先生、あの、先生って、たばこ吸うんですか」
とりあえず、aaaは話題をそらした。
「なんで?」
「先生からいつもたばこの匂いがするから…」
「まぁ、確かに吸ってるけど」
サンジは内ポケットからたばこを取り出し、机に置いた。
「たばこって、体に悪いですしやめた方がいいと思いますけど…」
「んー…、でもやめようと思っててもやめられねんだよなァ」
aaaはノートをちらりと見てから、サンジに目をやった。
「…aaaはやるなよ?」
「ハァ、しません」
aaaは小さく頷いた。
「aaa、…勉強するか」
「…はい」
サンジは冬で寒いというのにシャツを一枚で、そのシャツをまくって教科書を指差しながら勉強を始めた。

一時間経って、午後五時半。
「古文ってむつかしい…」
「勉強しねぇからだろ」
教科書でパコンと叩かれた。
補習が始まる一時間半前よりかは打ち解けた二人。
「お、もうこんな時間か。…終わるか」
サンジは振り向いて壁掛け時計を見ると立ち上がり、窓際に行ってたばこを吸い始めた。
「…先生」
「ン?」
ふぅ、と煙を吐き出しながら、サンジは向こう側にいるaaaを見た。
「たばこ…」
「ん?、あぁ、悪い。たばこ、イヤか?」
「…サンジ先生の、体調が悪くなったらイヤです」
小さく呟いたaaaの台詞を、サンジは耳をすませて聞いていた。
「…ふぅん?」
サンジはズボンのポケットから携帯灰皿を出して、たばこをぽいと放り込むと、サンジはaaaに歩み寄った。
「…aaa」
サンジはaaaの後頭部に手を添えると、顔を近寄せ、aaaと唇を重ね合わせた。
「ご心配ドーモ。aaaがテスト頑張ったらやめてやってもいいぜ?」
サンジはすぐに唇を離すと、唇をぺろりと舐めて、自分を教科書を持った。
「あ、これは補習のご褒美だからな」
サンジは踵を返すと、手をひらひらと振って教室から出て行ってしまった。

「…うぅ」
ほのかに残った熱い唇とたばこの匂いが、aaaの顔を真っ赤にさせていた。



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