バージン

リビングのソファで、aaaとヒソカは深く腰を掛けて酒を飲んでいた。

「ボクさぁ」
ヒソカが不意に口を開いた。
「んー?」
ヒソカはワインを、aaaはチューハイを飲んでいる。
「aaaのことが好きだよ、愛してるんだ◆」
「……うん」
ヒソカの告白にaaaは動じず、ごくごくとチューハイを嚥下する。
それは勿論、aaaとヒソカは何年も前から恋人同士で、今は同棲中。
そろそろ結婚もおかしくないくらいの交際期間は経ている。
「え?それが、え?なに?どうしたの?」
改まって言うヒソカに何か含みがあるのかと思い、aaaはヒソカに尋ねた。
「ん、いやね、ボク、aaa以上に人を好きになったことがなくってさ◆」
ヒソカはワイングラスを揺らしながら、グラス越しにテレビを見た。
「ふうん…、嬉しい」
「うん。人を好きになるのがこんなに嬉しいことだとは知らなかったよ◆」
はぁ、と甘い溜息を吐くヒソカ。
「それは、…私もだよ」
aaaの初恋はヒソカで、初めてを捧げたのもヒソカだった。
「…初めて、恋とか愛ってやつを知った気がするよ◆」
ヒソカはワインを飲み、aaaはローテーブルに置いてあるつまみの干しイカを食べた。
「じゃあ、私、ヒソカのバージンもらっちゃったね!」
aaaはチューハイをローテーブルに置き、ヒソカを見て笑った。
「そうだね」
ヒソカはaaaに、ちゅっとわざと音が鳴るようにキスをして、重なっていた唇が離れるときにaaaの唇をぺろりと舐めた。
「aaaのバージンはボクがもらったから同じだねぇ◆」
「うん」
aaaはテレビのリモコンを取って、ポチとボタンを押してチャンネルを変えた。

「そういえばさ、ヒソカ」
「なんだい?」
aaaは干しイカをぶちんと噛みちぎった。
「イカの匂いってアレの匂いと似てるってほんと?」
「……んー、確かめてみるかい?」
「えっ、ちょ、ん!?」
ヒソカはワインを飲み干して、ワイングラスをローテーブルに置き、そして、自分の股間を指差した。
端的に言うと、膨らんでいる。
「さっきの会話でどうやってそんな状態に!?」
aaaはヒソカの股間と顔を何度も繰り返し見た。
「え?、あったじゃないか。バージンのくだりとか◆」
喉を鳴らして笑うヒソカ。
「いやいや!そんな馬鹿な!」
「ボクは馬鹿じゃないよ。ひどいな、aaa…」
そう言いながらヒソカはズボンをくつろげようとする。
「こっコラ!開けるな!」
aaaはヒソカの腕を掴む。
「いいじゃないか。フェラしてよ◆」
ヒソカはaaaの頭をわし掴みすると、股間に引き寄せた。
「ほら◆」
「えええ遠慮しておきます!!」
「いいから◆」
ヒソカはジッパーを下ろすと、下着から立派なそれを取り出した。
「どんな匂い?これと似てるかい?」
ヒソカはつまみを摘んで、aaaの目の前に置いた。
aaaは依然としてヒソカの股間に顔を寄せたまま、どうしたらいいのかわからず目をつむっている。
「…aaa」
「ひ、ヒソカごめんなさい。もうやめて…」
「…仕方ないなぁ」
aaaに見せていたつまみのイカを口に放り込んで、ヒソカはaaaの頭を撫でた。
aaaはフェラが許されたと思い目を開けると、勃ち上がったそれが目の前にあり、「ひっ」と短い悲鳴を上げてしまった。
「でもフェラはして◆」
「う、うぅ…」
aaaはいつまでも馴れないフェラが嫌だったけれど、ヒソカの命令は絶対、背いたら何をされるかわからないので、aaaは諦めてヒソカの勃起したそれの亀頭に唇を寄せた。
「あぁっ、イイよ…aaa◆」
うっとりとした表情をしたヒソカを時々見上げながら、aaaはフェラを続けた。


〇おまけ
「aaa、フェラ下手だよね◆」
「イイとか言ったのはどこのどいつだ…、私はイヤなのに…」
「普通だったら殺してるレベルだよ。ボクはキミがしてることすべてに興奮するからいいんだけど、上手いに越したことはないんだから練習しようね◆」
「や…やだ…」
「拒否権はないよ」
「あ…アイスでさせてください、せめて…」
「それってアイス食べたいだけじゃない?」
「…うん」
「仕方ないなぁ」
二人でコンビニに行って、大量のアイスバーを買いましたとさ。

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