うれしい

「おれのプリンセス、こんなところで寝ていると風邪をひいてしまいますよ」
サンジはそう言って上着をaaaにかけ、姫抱きをした。
「んん…、サンジくん…」
サンジの胸に擦り寄ると、サンジがくすりと笑った。
「aaaちゃん、もう、可愛いなぁ」
「サンジくん、今何時ー…」
「四時くらいだね。そろそろご飯作らないと」
甲板で昼寝をしていたaaaを、サンジがキッチンのソファに横たわらせた。
「えー…やだー!」
「やだって…、子どもじゃないんだから」
苦笑いをしながら、サンジはキッチンに向かおうとした。
「あ、や……サンジくん!」
aaaが手を伸ばしてサンジのシャツを掴むと、サンジは「うおっ」と声を出してつんのめっていた。
「aaaちゃーん…、そんなことしたらこけちゃうだろ…」
サンジはaaaに向き直ると、屈んでaaaと目線を合わせた。
「どうしたんですか?、おれのプリンセス」
「待ってサンジくん。……ちょっとだけ、ぎゅってして」
aaaがサンジの胸に倒れ込むように抱き着いた。
「仕方ないなぁ」
サンジはソファに座ると、aaaを抱きしめたまま横たわった。
「ねぇ、サンジくん……、好きだよ」
「…おれもだよ」
aaaがサンジの唇にキスをすると、そのまま深く繋がり、舌を絡め、卑猥な音を奏でる。
「はぁっ…サンジくん…」
「したくなるから、そんな顔しないでよ」
頬を染めたaaaに笑いかけるサンジの顔こそ、したくなるからやめてほしい。
「…そっちこそ」
「…へ?」
聞こえていなかったのか、サンジがaaaの顔を覗き込むけれど、aaaはなんでもないと言って首を振るだけだった。

「……サンジくんってかっこいいよね」
腕枕をするサンジと向き合って、そしてサンジの髪を撫でているのはaaa。
絹というのか、綺麗で細くて金色なさらさらの髪が、一本ずつ光っている。
「きれい」
「aaaちゃんの方が」
サンジはaaaの髪を撫でながら言った。
「……サンジくん!」
じっとサンジを見つめると、サンジが愛おしげに見つめ返してきているのがわかる。
「うん?、どうしたの」
「大好き!、あのね、本当、なんて言ったらいいかわかんないんだけど、サンジくんのことが好きなの。かっこいいのも優しいのも、全部ぜんぶ…!」
だんだんと恥ずかしくなってきて赤くなる顔。
「…おれもだよ」
ふ、と笑ったサンジが、aaaの胸をいっそう高鳴らせた。

ああ、だめだ、くらくらする。

「…愛してる、aaaちゃん。夕方じゃなかったら、してるところだったぜ」
aaaを抱き寄せて言ったサンジ。
「ば…バカ!」
「仕方ないよ、おれはaaaちゃんにメロメロだから。可愛いaaaちゃんをいっぱい見たいの」
「もう…!」
サンジは立ち上がって、キッチンに向かった。
フライパンや鍋を用意し始めるということは、夕飯を作るということだ。
「今日のデザートは何がいいですか、おれのプリンセス?」
真摯にお辞儀をしたサンジ。
「…サンジくんで」
少しニヤけながら言うと、サンジが「はい」と答えた。

一時間くらい経って、サンジの料理も完成するくらいの頃。
「aaaちゃん。みんな呼んできてもらえる?」
いつの間にかエプロンをしていたサンジがaaaに言った。
aaaが頷いてキッチンから出ていこうとする。
けれど足を止めて、aaaは叫んだ。
「サンジくん、大好きだよ!」
最上級の笑みを浮かべたaaaはそのままルフィたちを呼びに行った。
「…クソ可愛いなぁ、もう」
そう呟いて、サンジは鍋の中のスープをかきまぜた。

君を好きでいることがうれしい。



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