夕飯を食べましょう

「こんばんはー、虎徹さん」
ガチャリと開いた虎徹の家の扉。
「aaaっ」
玄関にぴょーんと飛んできたのは家の主である虎徹だった。

「aaaー…遅いー」
aaaに抱き着き、ちゅ、と額にキスをする虎徹が言った。
「ごめんなさい、バイトが長引いちゃって…」
「俺に会うよりバイトなのかよ!」
唇を尖らせる虎徹に、aaaはしょんぼりと肩を竦めた。
やりすぎた、と内心虎徹は思いながら、aaaを抱きしめる腕の力を強めた。
「嘘だって、早くメシ食おうぜ」
軽く唇にキスを送って、虎徹はaaaに笑いかけた。
「…はい」
aaaは虎徹の首に腕を回した。
虎徹は当たり前のようにaaaを姫抱きにして、リビングに向かった。

「aaa、メシこれくらいでいい?」
「えっと…、うん」
aaaが食器を用意していると、虎徹は茶碗にご飯をよそっていた。
虎徹は自分の分のご飯を大盛りにして、aaaのと一緒にダイニングテーブルに置いた。
aaaはメインディッシュを大皿に盛ると、ふ、と笑った。
「どした?」
虎徹がaaaの顔を覗き込む。
「新婚さんみたいだなって思って…」
照れながらそう言ったaaa。
「……」
虎徹はふるふると体を震わせ、俯いていた。
「ど、どうしたの?嫌だった?」
aaaが虎徹の肩を叩くと同時に、虎徹がaaaを抱きしめた。
「かわいーこと言いやがって!」
虎徹の唇が、aaaの頬や唇に吸い付いた。
「ん、虎徹さん…」
「…好きだ、aaa。愛してる」
おちゃらけた雰囲気なしに、虎徹がaaaに囁いた。
「虎徹さん、私も…愛してます」
はぁ、と甘い息を吐きながら、aaaは虎徹の肩に顔を埋めた。
「aaa…」
ぽん、と撫でられたaaaの頭。
暖かい、虎徹の手。

「今日バニーちゃんがなぁ」
虎徹は巧みな箸使いで、魚を摘んだ。
「そんなことがあったんですかー」
「そうなんだよ!俺のことオジサン扱いしてさ!そりゃオジサンかもしんねーけどまだ体力は衰えてないぜ?」
腕に力を入れ、上腕二等筋を撫でる虎徹。
「なぁ、そうだろ?」
ぱくり、と魚を食べながら虎徹はaaaに振った。
「え、それってどういうこと…」
「そりゃあ、夜の営みっていうかセック――」
「わー!わー!!」
虎徹の口を慌てて塞ぐaaa。
「駄目です駄目ですー!」
「なんでだよー」
ブーブーと虎徹が唇を尖らせる。
「そ、そんな言葉駄目です…!」
aaaは顔を真っ赤にして虎徹を止める。
「……セックス」
「そんな言葉っ、駄目ですってばー!」
「俺とセックスした時はそんなでもなかったくせに、変なところで恥ずかしがるなよ」
ははは、と笑う虎徹。
「だって、あれは…っ!」
「あれは?」
ん、とaaaに顔を近寄せた虎徹。
「……流れだった?」
「違います!私はちゃんと、虎徹さんのこと好きで…っ」
「好きで、何したんだ?」
ぱく、とご飯を頬張って虎徹が聞いた。
「……えっちを」
「子供みたいだな!」
「なんで言わせるんですか!」
だん、とテーブルを叩いたaaaに、虎徹が笑った。
「いじめたくなんの!、aaaを」
虎徹は箸で魚を摘んで、aaaの口元にもっていった。
「はい、アーン」
「あー…ん」

なんだかほだされちゃったけど、虎徹の作ったご飯おいしいから、いっか。



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