03

晴れて恋人になったaaaと虎徹。


「あー…疲れた!」
「あなたは何もしてないでしょう」
今日も今日とて、銀行の立て篭もり事件が起き、二人を含めたNEXT達が事件解決犯人逮捕に奮闘していた。
「いや!オジサンちゃんと戦ってただろーが!」
お前の目は節穴か、とバーナビーに怒鳴りつける虎徹。
「いや、オジサンがしてたのは"邪魔"でしょう」
「なんだとー!」
しらっとした様子でバーナビーが時計を見ると、もう九時だった。
虎徹はバーナビーの後ろでなおも怒っているが、バーナビーは気にせず「さようなら、オジサン」と言って帰ってしまった。
「…ったくよ!」
溜息を吐きながら虎徹が時計を見て、それからにやりと笑った。
「あーやべ、早く帰んねぇと!」
ニヤけながら、虎徹はビルを後にした。

虎徹が家に帰ると、玄関には女の子が立っていた。
「おかえりなさい、虎徹さん」
元々はワイルドタイガーのファンで、今は恋人のaaaだ。
「たっだいまー!」
さっきの態度とは一変し、虎徹は上機嫌でaaaに抱き着いた。
「あーもー癒されるぜー」
aaaは虎徹の頭を撫で、お疲れ様です、と言った。
「今日は大変でしたね」
「んー…もう放送してんのか?」
「はい、さっき。……あ、今やってますよ」
玄関からリビングに移動して、aaaが指差した先にあったものはテレビだった。
今まさに、ワイルドタイガーとバーナビーが犯人の逮捕をしようとして、ブルーローズに先を越されていた。
「あー…」
「惜しかったですね」
くす、と笑ったaaaは、ダイニングテーブルに料理を運んだ。
「食べましょう?」
「…お、おう」
虎徹は促されるままイスに座った。
テーブルに並ぶ料理をぱくぱくと食べていく。
「うめぇなあ!!」
リスかハムスターみたいに頬いっぱいにご飯をつめ、虎徹は言った。
「…ゆっくり、どうぞ」
にっこりと笑ったaaaに、虎徹の顔に笑みが零れた。

「もっとかっこよく映してくれよなー!」
夕飯を食べ終えた虎徹はテレビに張り付き、テレビの中の自分を見て呟いた。
「私はどんな虎徹さんも、ワイルドタイガーさんも好きですよ」
洗い物をするaaaがそう言った。
「どうも。でももっと子供が憧れるように撮ってくれてもいいと思わねぇ!?」
虎徹がテレビの中の自分を指差した。
「どんな撮り方をしたらいいんですか…」
aaaはテレビの中の戦う虎徹とバーナビーを見た。
「……今日も0ポイント」
ぽつりと呟いた虎徹は肩を落としていた。
テレビには、ヒーロー達の今日のポイントが表示されていたが、虎徹だけプラスポイントはなかった。
「ポイントにはあんまり興味ないじゃなかったんですか?」
aaaは泡だらけの手を洗い、しょぼくれる虎徹に近寄った。
「そりゃあ……でもこんだけ差があるとよー……犯人も逮捕出来てねぇし」
ナーバスになる虎徹を、aaaが抱きしめた。
「…私は頑張ってる虎徹さんが好きです。誰かのために頑張ってるヒーロータイガーが」
虎徹の頬に軽くキスをしたaaaは少し赤い。
「aaaー!!」
虎徹は勢いよくaaaに抱き着き、虎徹の体重に耐え切れず床に倒れ込んだaaaはゴンと頭を打った。
「あいたっ!」
「うおっ!大丈夫か!」
虎徹がaaaの頭を撫でるが、体勢は虎徹がaaaを押し倒したままで、顔の距離が近い。
「……虎徹さん」
「aaa」
唇が重なり舌が絡められた。
テレビの中のワイルドタイガーが微笑んでいたのを、二人は知らない。

「虎徹さんってやっぱり鍛えてるから腹筋すごいですねー。六つに割れてる!」
「ちょ、やめ、くすぐった…っ」
「虎徹さんこしょばがりなんですかー」
「もう、ちょっ…やめてくれよー!」
「虎徹さん、かわいい…」
ベッドでの二人はそんなくだらないことをしていた。


Happy End!


prev next

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -