ジントニック

「サンジくんって未成年なのにお酒飲むの?」
「えっ、と…、ワインとかは、ね」


「aaaちゃんは飲まないよね」
「飲めないの!」
「そうだったね」
あはは、と笑うとaaaがサンジを睨んだ。
「でもま、お酒は体に悪ィんだしいんじゃねぇ?」
サンジがaaaを見ると、aaaはぶんぶん首を横に振っていた。
「ヤなの?」
「イヤ!」
サンジに抱き着いたaaa。
「aaaちゃんてば甘えん坊だなぁ。どうしたの」
サンジはaaaを抱き上げるとキッチンのソファに腰を下ろした。
「サンジくんと一緒にお酒飲みたい…」
aaaはそう言った。

一週間ほど前。
なぜかしらの理由で宴をした麦わら一味。
aaaは酒が飲めないからとお茶を啜っていたが、サンジは酒豪のナミと仲良しそうに酒を嚥下していたのだ。
それから、胸の辺りで変な気持ちが燻っている。

「おれと?……え、それって、え?」
戸惑うサンジの手をaaaが握った。
「なんでもいいからっ。お願い、サンジくん!飲めるようにして!」
「…は、はぁ」
aaaの意気込みサンジは承諾することしか出来なかった。

キッチンのソファに座った二人。
サンジは酒とジュースを、aaaはグラスを持っている。
「…じゃあまずは、チューハイから」
「うん。……えいっ」
グラスに注がれたピンクの液体を口に含んだaaa。
「っ!」
ごく、と飲み込む。
「…どう?」
「甘い…」
「まぁ、そりゃあね…」
ほんの少しのウォッカとジュースで割っているからだ。
酒よりもジュース感覚で飲める。
「…次!」
「…次。もう少しウォッカ多めにしてみようか」
ジュースも味を違うものにかえて、ウォッカとジュースを割って、aaaの持つグラスに注いだ。
aaaはそれを飲み込む。
「どう?」
「うー…お酒だぁ」
「はは…、入れすぎた?」
ウォッカ、と笑うサンジ。
「だいじょぶ。次ー」
「…次かぁ。じゃあ、ジンとジンジャーエール……ジンジャーエール飲めるよね?」
「うん」
aaaは軽く頷いた。
「じゃあ」
サンジはジンとジンジャーエールと氷をシェイカーに入れ、シャカシャカと音を立てて振った。
本物のバーテンのようだ。
といっても、バーに行ったことはないのだけれど。
「はい、ジンバック」
トクトクとグラスに注がれたジンバック。
「……aaaっ、いっきまーす!」
覚悟を決め、aaaはジンバックを飲んだ。
「ぷはーっ!」
「お、結構うまい」
サンジもジンバックを飲み、納得しているようだった。
「おいしい、かも。でもお酒の味が…」
「大丈夫、慣れるよ」
aaaの頭を撫でるサンジ。
「もう少し強いの、いく?」
「…うん」
小さく頷いたaaaの顔をよく見れば、ほのかに頬が赤く染まっている。
「……やめとこう、aaaちゃん」
サンジはaaaの持っていたグラスを取り上げた。
「なんで!やだー、まだ飲むー!」
「ダメだよ、酔ってるし」
「酔ってなーい!」
aaaはサンジに絡み付くと、グラスを取り上げようと手を伸ばす。
しかしサンジは手を上にやって、グラスは届かぬところに。
「もうちょっとだけー」
「……ダメ」
「お願い」
酔ったaaaが潤んだ目でサンジを見上げると、サンジの理性は崩壊しかけた。
「ちょっとだからね!」
「うん。…次!」
「はいはい、ちょっと待ってね」
サンジは立ち上がり、棚からトニックを取り出した。
「ほら」
aaaがすでに注いでいたジンにトニックを加える。
「わー…」
ごくごく、と飲むaaa。
「…おいし」
グラスから口を離すと、aaaはサンジに口付けた。
「aaaちゃんっ!?」
「サンジくん…」
「本格的に酔っ払ったー!!」
サンジに抱き着いたaaaはサンジの首にキスをしていく。
「サンジくん、好き…。一緒に飲も?」
「…うん」
aaaに迫られたサンジは差し出されたグラスを受け取ると、中の酒を飲み干した。
「……これ、ジントニックじゃねェ。ジンジャーエールも入れてたのか…」
はぁ、と溜息を吐きながら呟くサンジを気にせず足に跨がるaaa。
「aaaちゃん。そんなことして襲われても知らないよ?」
「…いいよ?」
aaaの甘い声に、サンジはaaaをソファに押し倒した。
「あっ…サンジくん…!!」

「こういうのって、シラフでやるもんじゃねぇかな」
「…サンジくんは私のこと好きなんでしょ?」
「うん、愛してるよ」
「愛があるエッチは許される、と、思う」
「……そっか。そういえばなんで一緒にお酒飲みたいのか聞いてなかったなー。なぁ、なんで?」
「べっべつに、なんでもいいじゃん…」
「えー…もう、今度教えてね。さて、第二ラウンド開始…」
(嫉妬してたなんて言えないよ。…あっ!)




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