運命は交差している | ナノ
05

「てめェら、旅行に行ってこい!」
グラララ、と笑ったモビー事務所の社長、エドワード・ニューゲート。
「はぁ…」
大手事務所の社長で仲の良いロジャーからもらったというチケットを、マルコとサッチはもらった。

豪華客船一週間の旅は芸能人、とくに俳優、女優、モデルなどが参加しているらしく、各々が楽しんでいる。
マルコもそのうちの一人だ。
すでに二日目を迎えた二人は、プールに来ていた。
「たまにのんびりするのもいいよい」
「そうですね」
マルコとdddが流れるプールに身を任せ、ゆらゆらと流れていると、後ろからバシャバシャと水が荒れる音が聞こえた。
「おいっ、どっか行くなよ!迷子になるかと思ったわ!!」
人混みと水を掻き分け、サッチ登場。
「年甲斐もなくウォータースライダーで遊んでるやつが悪ィんだよい」
マルコは平然として答えた。
「いいじゃねーか、ウォータースライダー!楽しかったぞ!」
サッチはウォータースライダーを指差した。
「ふん、馬鹿が」
「んだとォ!!」
サッチはプールに潜ると、自分のことを馬鹿にしたマルコの足を掴んで引っ張った。
dddの隣からマルコがいなくなる。
「えっ!?」
プールの中を見てみると、水中でサッチとマルコが闘っていた。
「もう…」
dddは二人の腕を掴むと、水上に引き上げた。
「ぷはっ!」
「ぶへ!!」
大きく深呼吸をし、また戦闘体勢に入る二人に、dddは声をかけた。
「年甲斐がないのはどっちです。ほかの方もいるんですから、大人しくしてください」
dddが一喝すると、二人は子供のように肩を竦めた。

「なぁ、聞いてくれよー」
「はい?」
三人でプールを流れていると、不意にサッチが口を開いた。
「昨日ゾロに会って、おれの女に手ェ出すなって言われたんだよ。cccに手出した覚えねんだけど…」
頭を傾げて考え込むサッチ。
「気付かないうちにやっちゃってたんじゃないですか?」
「知らないうちに!?さすがにおれっちもそんなことは…」
ない、と言いかけて、いやあるかも、と顎に手を置いて考え出したサッチ。
「ddd、明日何するよい」
サッチを放っといてマルコはdddに聞いた。
「明日?マルコさんが行きたいところでいいですよ」
「……おれは、」
「おれは優雅に船を見て回りてーな!」
マルコが言う前に、サッチが割り込んできた。
「じゃあ散策してみますか」
「やったー」
dddはサッチの意見に賛成だった。
マルコは溜息を吐いて、サッチの背中をドンと叩いた。

三日目は船内を散策し、四日目はショッピングモールを練り歩く。
「いろんなブランドが出店してるみたいですね」
「おー、いっぱいある……ん?」
サッチがあるブランド店で足を止めた。
「そう!おれはaaaちゃんが好きなのさ!!」
そう叫んだのはブランド店内にいたサンジ。
隣にいるaaaに言っているようだ。
「うるせーぞ、サンジ」
「あぁっ!?……サッチさん」
サッチが後ろから声をかけると、サンジが振り向いて一瞬嫌な顔をしたが、すぐにいつもの穏やかな表情に戻った。
「こんにちは、aaaさん。aaaさんとサンジさんも来られていたんですね」
dddはサンジとaaaを見て微笑んだ。
「はっ、はい」
「結構来てますよね、いろんな人」
サンジがサッチとマルコを見て言った。
「そうだな」
マルコが頷いた。
「この服可愛いですね」
dddはaaaが持っていたフレアスカートを見て言った。
「えっ、あ、ありがとうございます!」
満面の笑みで微笑んだaaa。

「あぁっ、あなたはマルコさんのマダム…!」
「サンジさん、こんにちは」
サンジは目をハートにしながらひざまずき、dddの手を取った。
「いやぁ、美人でいらっしゃる」
「ふふ、ありがとうございます。あなたもあなたの恋人も素敵ですよ」
「aaaちゃんかわいーだろ!!」
体をうねうねとさせるサンジ。
aaaのことを本当に好きなのがわかる。
ふと視線を外すと、サッチがaaaに迫っているのを、マルコが蹴っていた。
「こーら、大の大人が何してるんです」
dddがサッチとマルコの背中を叩いて諌める。
「あーddd、だってマルコがaaaちゃん見て鼻の下伸ばしてたから!」
「へぇ…、マルコさんはロリコンだったんですね…」
「違うよい!」
年甲斐もなく騒がしい二人を連れ、サンジとaaaと別れた。

「明日は、私、スパ行ってきますね」
「じゃあおれは部屋でのんびりしとくかい」
「おれは何しよっかなー」


prev next


「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -