運命は交差している | ナノ
06

五日目に一人でスパに行ったddd。
六日目、のんびり出来るのは今日までだ。

「なぁ、昨日見っけたんだけど、映画見に行こうぜ」
「映画…ですか。いいですね」
見たい映画あったっけ、と考え出したddd。
マルコもサッチの意見に賛成なのか、地図で映画館の場所を探し始めた。
「何見るんだよい」
「私、サッチさんが出演してる映画が見たいです」
「やーん、恥ずかちー!!」
きゃっ、と頬を染めたサッチをマルコが殴った。
サッチの整ったフランスパン型の髪が乱れる。
「あーっ!おれの命の次に大事な髪型がっ!」
「ンなダセーもんやめちまえい」
マルコはスマホと財布をズボンのポケットに入れた。
「ダセーって、これ以上かっこいい髪型ねーよ。マルコこそそんな薄らハゲみてーな髪型やめ…どわぁ!」
髪をけなされたマルコはサッチのフランスパンを殴った。
「あーっ!!セットし直さなきゃじゃねーか、チクショー!」
洗面所に向かったサッチ。
「さ、映画行くぞ」
「サッチさんがまだですよ…」
「ほっとけい」
マルコはサッチを見捨て、dddを引っ張って行ってしまった。
「あっ、待てよー!」
サッチはすぐにマルコのあとを追った。

「なぁ、ddd、マルコひどいよな!」
「そうですね。…よしよし」
dddはよしよしとサッチの整えられた髪を撫でた。
「ddd、これでいいのかよい」
「あ、はい」
マルコは三人分のチケットを頼む。
豪華客船の乗客は、映画のチケットは無料らしい。
「なんでサッチの映画なんか見ねーとなんねんだよい」
「いいじゃないですか」
dddはポップコーンとジュースを買いに行列に並んだサッチを見た。
「マルコさん?あ…あれは…?」
目をひそめていたマルコが見ている方向をdddが見てみると、そこには目立つ赤髪の男がこちらを向いていた。
あれは、もしかして。
マルコが早足で男のもとへ向かった。
dddもマルコを追った。
「…なんでいるんですかい」
「知り合いが招待してくれたんだ」
近くで見て確信した。
やっぱりシャンクスだ、あの、マルコとサッチの先輩のベテランモデルのシャンクス。
「今は何を」
マルコがシャンクスに問う。
「教授やってんだ」
勉強をすると言っていたが、教授にまでなっているとはさすがだ、とdddは思った。
シャンクスが隣にいた恋人だろう女性にマルコを紹介する。
マルコは自己紹介をすると、シャンクスの恋人に手を差し延べた。
「bbbです…シャンクスの…」
「おれの妻だ!」
なんて言おうか戸惑っているbbbの後ろから、奥さん宣言をしたのはシャンクス。
「はっ!?」
「奥さん、驚かれてますけど…」
驚くbbbにマルコがツッコんだ。
「まだ入籍はしてねーけど」
シャンクスの台詞に、dddはbbbが驚いた意味がわかった。
いろいろと話をしていると、後ろからサッチがやって来た。
「うお!なんでシャンクス先輩がっ!?」
シャンクスがいることに驚いたサッチは買えたのかポップコーンとジュースを持っていた。
「あ、マルコさん。もう映画の時間ですよ」
シャンクスと話す二人に、dddが言った。
「ん、そうかよい。…それじゃあ」
マルコとサッチはシャンクスに会釈を、dddは深々と礼をして映画館に踵を返した。

映画館の良い座席を探し、座った三人。
「シャンクスさんがいらっしゃるなんて、驚きですね」
「あぁ」
マルコが嬉しそうに微笑んでいることに気が付いたddd。
「シャンクス先輩招待したのって誰なんだろうな」
サッチがむしゃむしゃとポップコーンを食べながらdddに聞いた。
「ん…、知っている方かもしれませんよ」
「はは!」
「ふん」
dddはマルコ、サッチと一緒に笑い、映画が始まるのを待った。


prev next


「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -