運命は交差している | ナノ
06

温泉、映画、ショッピング、そして五日目はaaaと約束したプールの日だ。

超かわいい。
その言葉しか出てこないほど、aaaの水着姿はかわいかった。
「くっ…はぁ…!!」
aaaの可愛さに身悶えていると、aaaが声をかけてきた。
「あ、あの…どうしたの?」
「んっ、いやなんでもないよー」
cccはすぐにいつもの自分に戻ると、プールの出入り口に向かった。

「おおー…」
二人は感嘆の声を上げる。
温水プールは広く、綺麗で、まるでジャングルみたいなデザインだった。
「すっごいねー。あ、ゾロだ、ゾロー!」
cccはゾロを見付けると、走り寄った。
aaaもその後を追う。
「水着似合ってるね」
「ん?あぁ」
ゾロとの会話をすぐに終わらせ、cccは話すaaaとサンジの間に入り、プールに入ろうと言った。

cccは浮輪を体に通し、ばしゃばしゃと泳ぐ。
「aaa、かわいいね」
「だっろー?」
体をくねくねさせるサンジ。
「こら、かっこいいのが台なし……ん?」
cccが視界の隅に映したaaaは、ゾロと仲よさ気で、恋人のように水をかけ合っていた。
「だあっ!?」
サンジもそれを見てしまい、すぐさまゾロのもとに水を掻き分け走り寄り、ゾロを蹴った。
殴り合い、蹴り合いのケンカをするゾロとサンジの間に割って入る。
「サンジさんごめんねー?ゾロほんとやめなよ」
「あいつに言え」
ゾロがそっぽを向く。
cccはハァと溜息を吐いてaaaを見ると、何やらイチャイチャしているようだ。
「TPO考えろよ」
ゾロが二人の後ろから声をかけると、顔を赤くした二人は流れるプールに行き、cccもそっちに向かった。

「いいねぇ、冬のプール」
「ccc……どけろ」
「いいじゃん、重くないんだし」
流れるプールを静かに泳ぐゾロの背中に優雅に乗るccc。
「あーお腹すいてきちゃった…ねーゾロー」
ドンドンと背中を叩くと、ゾロが唸った。
「しゃーねーなぁ」
ぐる、と仰向けになったゾロ。
ゾロの背中にいたcccはプールに落ちてしまった。
「ごぼごぼ……ぷはっ!!」
cccがプールから顔を出すと、すでにゾロは上がってサンジと一緒に売店に向かっていた。

aaaと一緒にゾロとサンジの帰りを待っていると、戻ってきた二人は女性に囲まれていた。
「どうかしたんですか、cccさん……あ」
aaaもそれを見た。
20前半で、自分とさして変わらない年齢の女性がサンジと笑い合っているが、ゾロは無視しているようで、なんの反応もしていない。
「見たことない人だな…一般人もいるらしいし、一般人か…」
「……サンジくん」
サンジを心配しているのか、aaaが小さく呟いた。

「なあ、君、おれ達と遊ばない?」

男性二人組が、aaaとcccに話しかけてきた。
「あたし達、彼氏いるんで」
cccは途端に無表情になり、すっぱりと断った。
「え、君cccちゃんでしょ。本物ちょー可愛いじゃん」
一人の男がcccの腰を抱いた。
cccは鳥肌を立て、男を引き離そうとするが、力が強くてなかなか引きはがせない。
「ほら、君も行こうよ」
もう一人の男がaaaの手を掴んだちょうどその時、サンジがその男の肩に手を置いた。
「おれの彼女になんか用か?」
バキィ、と男を蹴り飛ばしたサンジ。
痛そう、などと思っていると、隣にいた男が小さく悲鳴を上げたので見てみると、そこにはいつの間にかゾロが。

「cccに手ェ出してんじゃねーよ」

鈍い音を立てて男を殴ったゾロ。
男達は悲鳴を上げながら、逃げていった。

「ありがと」
「……上着、着ろ」
cccはゾロにそう言われ、ばさ、とパーカーをかけられた。
「ん」
「ったく、目ェ離せねーな」
ゾロはcccにクレープを渡した。
「……ずっと一緒にいたらいいんだよ」
「いるに決まってンだろ」
「はは!」
cccはクレープを食べながら、にやりと笑った。


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