運命は交差している | ナノ
05

「ドラマの撮影も終わったんだろ。休みも必要だ」
そう言って、サニー事務所の社長、フランキーが差し出したものは豪華客船一週間の旅、と書かれたチケットだった。

有り難く休暇をもらい、cccはゾロと一緒に旅行へ。
「ゾロ、もう乗れるんだって」
「ふーん、じゃ、行くか」
見知った金髪やオレンジの髪がいる港を後にした二人は、船に乗った。
「うっわ、ひっろー。すごいねぇ、さすが社長の知り合いの船!」
「知り合いが作った船な。それじゃ、知り合いの持ってる船みてーだ」
「いーじゃん、別に!」
客室に行く前に、きょろきょろと船内を見て回る。
まばらにいる人を掻き分けながら、ショッピングモールを眺める。
「あとでここ行こ」
「んー……あ゛っ!」
ゾロが離れると絶対に迷子になるからと手を繋いでいたcccは、ゾロに強い力で引っ張られた。
「うわ何!?」
「てめぇっ!!」
cccを連れたゾロが向かった先は。
「げっ、ゾロ!」
フランスパンの髪型の俳優、サッチ。
「てめーよくもおれの女に手ェ出したな!!」
「えー…なんのこと?」
ゾロの怒鳴り声に、目を泳がして口笛を吹くサッチ。
「てめーしらばっくれんじゃねぇ!!」
「ンだよ、ほんとになんもしてねーよ!ちょっと…尻触ったりとかは…したけど」
「してんじゃねーか!!」
ゾロがサッチの胸倉を掴む。
「ほかの女の子みてーにホテル行ったり家に誘ったりしてねんだからいいじゃねぇか!ケチ!」
サッチは30後半のおっさんであるにも関わらず、口を尖らせた。
cccはサッチとゾロのケンカを止めもせずに、自分の部屋に向かった。
ロビーでもらったカードキーの部屋番号を確認しながら、aaaにメールを送る。
「aaaちゃんも来てるなんてうれしいなぁ…」
じゅるり、と垂れるよだれを手で拭い、部屋に行った。

部屋に着いた直後にaaaが訪ねてきた。「あれ?ゾロさんは?」
「ん?ちょっといろいろあってね。気にしないで!」
aaaがきょろきょろと部屋を見る。
「今日のパーティー楽しみだね」
「う、うん…」
aaaの性格からして、人見知りで知らない人がたくさんいるパーティーなどは好きでないだろう、aaaはあまり楽しみにしているようには見えない。
「大丈夫、あたしもサンジさんもゾロもいるから!」
ばしん、とaaaの背中を叩き、cccは、にっと笑った。

夜になり、騒がしいパーティーが始まる。
「あっ、ナミー!!」
「cccいたの?」
「いたわ!!」
ワイングラス片手に、ナミがcccの前に現れた。
「社長もすごいよね、こんな船作る人と知り合いだなんて!」
cccは皿に盛った野菜と肉を貪り食う。
「ほんと。ガレーラカンパニーっていうところの知り合いらしくて、社長、もともとそこで働いてたらしいよ」
ナミがワインを一口飲んで言った。
「へー…すげ」
「ねー。あ、アンタにお熱のゾロはどこ行ったのよ」
人混みに目をやるナミ。
「さっきまでルフィと話してたけど?あれ?ルフィ、サンジさんといるなぁ」
cccが騒がしいところにいるはずのルフィを探してみると、部屋の隅でサンジとaaaと一緒に肉を食べていた。
「サンジって、最近人気のモデルだっけ?」
「そーだよー」
「結構イイ男よね」
にやり、とナミが笑う。
「超かわいい彼女いるよ」
「あっ…そーなの」
なんだ、と言ってナミは料理が並ぶテーブルに行ってしまった。
「よぉ、楽しんでるか」
どこからか、ゾロが現れた。
「あ、どこいたの」
「いつの間にかショッピングモールにいた」
「はっ!?あそこ三階だよ!ここはどこ!?二階!!階段上るあたりで気付けよ!」
大袈裟に突っ込むcccを無視して、酒を飲み始めたゾロ。
「おいこら聞け」
「いててててて」
cccはゾロの耳を引っ張った。
「あ、ルフィどっか行った…」
ルフィと赤髪の男がどこかに行くところをcccはたまたま捉えた。
「おい、ccc、食わねぇのか」
「え、食べるー」
cccはむしゃむしゃとパスタを頬張るゾロのもとに向かった。


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