運命は交差している | ナノ
29

リビングに連れていかれ、ダイニングテーブルに座らされたaaa。
向かい側にサンジが座った。
重苦しい空気がaaaを襲う。
「…サンジくん?」
「いい機会だ」
「?」
サンジは一回、深呼吸をすると、aaaを見た。
ばっちりと目が合う。

「おれと結婚してくれ、aaaちゃん」

サンジははっきりとそう言った。
「………サンジくん、あの、ちょっと考えてもいいかな…?ほら、自分たちだけのことじゃないし…結婚って」
けっこん、結婚。
aaaは頭の整理がつかず、サンジに今は答えられないと言うと、サンジもそれを承諾した。

「けっこん…か」
aaaは大学の帰りに街をぶらついていた。
大規模な店の中にサンジとゾロのポスターが貼ってあった。
最近、サンジのポスターをよく見る。
「あは、サンジだ!」
「ほんとだー。あたしファンなんだよねー」
aaaの手前からやって来た女子高生。
「恋人とかいんのかな?結婚したらやだなー」
横を通っていった女子高生の台詞に、aaaは歩みを止めた。
「……」
cccやdddの、芸能人との恋愛や結婚は大変という言葉がaaaの結婚したいという心を咎める。

「芸能人の恋人って大変だってこと!」
「いろいろと私にもありました」

aaaは家に着いて、玄関のドアを開けた。
「aaaちゃん、おかえり」
今日はモデルの仕事で、すぐに終わると言っていたサンジはエプロンをして出迎えてくれた。
「ただいま…」
リビングに行って、aaaはかばんを置くと、キッチンに立つサンジの背中を見た。
「サンジくん…」
「うん?」
「……結婚さ、ちょっと待たない?ほら、今、サンジくんモデルとかドラマとかで大変でしょ?…だから、落ち着くまで、さ…」
aaaが言っていると、サンジが振り向いて怪訝そうな表情をしていた。
「aaaちゃん…それ本気で言ってんの?」
怒っているのか、いつもより低い声色でサンジが言った。
「え…、うん…」
「aaaちゃん…、結婚やだ?」
「ち、違うよ!!サンジくん大変だろうからって……」
サンジは手を止めると、エプロンをダイニングテーブルのイスにかけて、aaaに近寄った。
「それ、aaaちゃんの本心?」
「っ!」
図星を指され、aaaは一瞬の動揺を見せた。
「誰かになんか言われた?」
「違うよ!ただ……サンジくんは、芸能人だから、私みたいな人と結婚って…駄目だと思う…」
一般人と結婚したら、きっとすれ違いも多いはずだ。
結婚したことでサンジが干されたりしたら、とか、ファンに何かされたら、とかそんなあられもないことを考えてしまう。
「…aaaちゃんはどうなの?」
「……」
本当は、したい、けど。
「aaaちゃん!」
「したいよ!サンジくんと結婚したい!でも私と結婚してサンジくんの仕事に支障が出たら嫌だもん!!」
本音を、率直にぶつけた。
「aaaちゃんは結婚してェんだろ!?じゃあそれでいいじゃねぇか!…おれのことなんか考えなくていいんだ」
サンジはaaaを抱きしめると、aaaの頭を自分の胸に押し付けた。
「サンジくんに…迷惑かけたくないの……、嫌われたくないから…!!」
aaaの目から、ほろほろと涙が溢れる。
「そんなんでおれがaaaちゃんのこと嫌いになるわけねーだろ!」
サンジはaaaと額と額をごつんと合わせた。
結構勢いよくいってしまい、aaaが頬をさする。
「サンジくん、ごめんなさい…ありがと…」
aaaはサンジの首に腕を回すと、サンジにキスをした。
「aaaちゃんが大学卒業したら…結婚しよう」
「うん…!」

それから二年後、二人は無事入籍し、結婚した。


〇Message
読んで下さり、ありがとうございます。
これにて、「運命は交差している」は完結します。
最後の方、バタバタしてしまったんですが、書いていて本当楽しかったです。
この夢小説で少しでも楽しんでもらえたら、と思います。
ちなみに、名前が出ていないワンピースキャラがちらほらいるので、暇だったら探してみてください。
これからも、kissしてっ!!をよろしくお願いします。

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