運命は交差している | ナノ
25

四日目はサンジとaaaは明日のcccとのプールに行く約束でいる水着を買うため、船内のショッピングモールに来ていた。

「ショッピングモールまであるってすごいね」
「そうだな」
広々とした店を見回す。
目当ての水着を見つけようとするが、ほかの店に目移りしてしまう。
ドスコイパンダというブランドの店を見付けたaaaはサンジの腕をぐいぐいと引っ張った。
「サンジくん、あそこ、行っていい?」
「ん?うん、行こうか」
ドスコイパンダはモデルも御用達で、主に女の子に人気のブランドだ。
もちろん、aaaも例外ではない。
「初めてのデートで、サンジくんが取ってくれたよね。ドスコイパンダのぬいぐるみ」
「おれも今それ思い出してた!!」
初デートで、ゲームセンターに行った時にUFOキャッチャーでサンジがaaaに取ったぬいぐるみは、ドスコイパンダのぬいぐるみだったのだ。
「前は一緒に寝てたんだけど、サンジくんと一緒に住むってなって、段ボールに入れたままだな…」
はは、と笑うaaa。
「そっか、……おれがいるから代わりはいらねェもんな」
サンジがわざと吐息多めにaaaの耳元で囁くと、aaaは大袈裟に体をびくつかせた。
「うう…言い返せない…」
ドスコイパンダが印刷されたTシャツを広げながらaaaが観念した。
サンジはそんなaaaを可愛いと思いながら、aaaに似合う服を探す。
「aaaちゃんはなんでも似合うからなァ」
「そんなことないよ」
モデルじゃないのに、とaaaが照れて笑う。
「あるって。……あ、これ、可愛い」
サンジが手に取ったのはパステルカラーのフレアスカート。
「ほんとだ。…でもこんなの似合わないよ」
aaaはサンジからスカートを受け取ると、スカートを広げて、「ないない」と首を横に振った。
「…aaaちゃんは何か勘違いしてねェ?」
「え?何を?」
サンジに真面目な顔で問われ、きょとんとしたaaa。
「可愛いaaaちゃんに似合わないもんはねーってこと!!」
つまりはすべての服が似合うと言うサンジの発言には賛成しかねるなぁ、とaaaはほのぼのと考えていた。
「…とりあえず…サンジくんが私のこと好きなのはわかった、うん」
aaaは二、三回頷いた。
「そう!おれはaaaちゃんが好きなのさ!!」
目と吸っていたたばこの煙をハートにして、サンジが叫んだ。

「うるせーぞ、サンジ」

「あぁっ!?……サッチさん」
声の主に怒りを感じ、振り向いたサンジはすぐに怒りを抑えた。
モデルの先輩であるサッチだったからだ。
「よ!」
「ドーモ」
「あ…dddさん…」
マルコとdddもいた。
「こんにちは、aaaさん。aaaさんとサンジさんも来られていたんですね」
大和撫子さながら着物を着たdddはaaaに微笑んだ。
「はっ、はい、そうなんです」
「楽しんでますか?」
「はい!」
aaaは美人なdddに迫られている感じがして、緊張してしまう。
「サッチさんもマルコさんも来てたんですね。てか結構来てますよね、いろんな人」
「そうだな、知り合いも結構いるな」
マルコが頷きながら、サンジの問いに答える。
「サニー事務所からもたくさん来てるし、当たり前のような気がするけど…」
「そうか、そういえばサニー事務所が多いな。モビーは少ねーや」
サッチは昨日のパーティーで見た人々を思い浮かべた。
「そういえば、dddさんはここに何をしに?」
「こんな素敵なところにいるのに部屋にいるのは勿体ないでしょう?船内を見て回ろうと思いまして…」
dddが、ふ、と笑う。
「そうですね!」
「…この服可愛いですね。きっとaaaさんに似合いますよ」
aaaの持っていた服をdddが見て言った。
「えっ、あ、ありがとうございます!」
「あれっ?aaaちゃん、おれが言った時より喜んでねェ?」
がびーん、と悲しむサンジの肩に、どんまいとでも言っているかのようにサッチの手が乗せられた。

「なァ、aaaちゃんってサンジの彼女なんだよなぁ?」
「え?ハァ…、そうですけど」
サンジがdddにメロメロになっている間にサッチがaaaに近付いた。
「もしサンジとケンカしちゃったら、いつでもおれ空いてるから…」
「37のおっさんが何言ってんだよい」
aaaに耳打ちするサッチをマルコが叩いた。
「うっせー!恋愛に歳はカンケーねーだろ!」
バーカバーカ、と子供のようにケンカするサッチとマルコに、aaaがクスクスと笑った。
「…aaaはここで何してたんだよい」
マルコは向き直り、aaaに聞いた。
「えっ、あ……私もdddさんたちと同じで……お買い物に…」
「…そうかよい」
「あっ、マルコ今鼻の下伸ばしてんだろ見せてみろ!」
サッチがマルコに掴みかかった。
マルコは「アホか!」とサッチを一蹴する。
「こーら、大の大人が何してるんです」
dddがサッチとマルコの背中をトンと叩いた。
「あーddd、だってマルコがaaaちゃん見て鼻の下伸ばしてたから!」
「へぇ…、マルコさんはロリコンだったんですね…」
「違うよい!」
マルコから距離を置くdddにマルコが一喝した。

「それじゃあ、aaaさん、ショッピング楽しんでくださいね」
「はい!dddさんも!」
dddと別れた二人は、ショッピングを続けた。
「水着水着…」
「aaaちゃんはこれが似合うよ」
「えー…?ハデすぎじゃない?」
サンジが差し出したのは、下着と見紛うような黒とピンクの縞々の水着。
「そうか?これくらいの方が扇情的…」
ぶふ、と鼻血を出したサンジ。
「いや…でもaaaちゃんの素肌をクソヤローどもにさらすようなマネはさせらんねーからやっぱこっち」
今度はフリルの付いた肌の露出少なめの水着を差し出したサンジ。
「ん…、でもこれかわいい」
色は赤と白で、可愛らしいデザインだ。
「でもこっちもちょっと試着してくれねぇ?」
「水着の試着って出来ないでしょ…?」
「クソ…そうか…」
サンジはaaaの選んだ水着を買うと、自分の水着も買った。

「サンジくんってほんとになんでも似合うね…」
「ピンクのネクタイはちょっと…」
「いや、ほんと似合ってるよ…」
男でピンクが似合うなんて、それほどいないと思う。


prev next


「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -