運命は交差している | ナノ
23

「ふああ…!」
「おぉ…」

二人は感嘆の言葉しか出なかった。
それもそのはず、二人の客室は豪勢で、なおかつ優雅な、ホテルで言えばスイートルーム張りの部屋だったのだ。
ちなみに、ベッドは配慮されてか天蓋付きのダブルベッドだった。
ソファ、テレビ、テーブル、バスルーム。
どれも豪華で、aaaが普段過ごしている環境とは違った。
「こんなの…いいのかな…?」
「当たり前だろ」
サンジはネクタイを緩めると、手荷物をソファに置いた。
ほかの、替えの服などが入ったキャリーバッグはすでに乗務員が部屋に持って行ってくれていたようで、部屋の隅に置いてある。
「夜にはパーティーがあるけど、それまでは暇みたいだな」
「うん…cccさんも来てるんだよね…?部屋、行ってきていい?」
「ん?あぁ、いいよ、行ってきな」
aaaはcccにメールして部屋を聞くと、部屋に行ってしまった。
「…行っちまった。イチャイチャしたかったのに……まぁ、夜にすりゃいいか」
サンジはソファに座ると、テレビを付けた。

aaaは教えてもらった客室に着くと、静かにドアを開いた。
「失礼します、cccさん…」
「あ、aaaー!」
「おんなじ部屋だ……あれ?ゾロさんは?」
aaaは自分と同じスイートルームの客室を見渡すが、そこには自分とccc以外、誰もいない。
「ん?ちょっといろいろあってね。気にしないで!」
「ふーん…?」
aaaが部屋を見ていると、同じ家具が揃っていても、細部のデザインは違うようだった。
壁紙は色違いで、窓枠やドアのデザインが違っていたり、ダブルベッドも天蓋が付いていないものだったり。
「今日のパーティー楽しみだね」
「う、うん…。誰がいるんだろうね?」
「んー…サニー事務所の人はだいたい来てるかな?予定入ってない人は、多分」
ううん、と考えるccc。
「知らない人、いっぱいかぁ…」
人見知りするaaaにとっては辛い場所かもしれない。
「大丈夫、あたしもサンジさんもゾロもいるから!」
ばしん、とaaaの背中を叩いたccc。

夜の立食パーティーは大賑わいだ。
芸能人がたくさんいて、aaaはどうしたらいいのか困るばかりだ。
「aaaちゃん、これうめェよ」
「ん、うん…、ありがと」
サンジが持ってきた魚をもぐもぐと食べていると、騒ぎ声が聞こえてきた。
「あ、あれって、ルフィさんなんじゃないかな…」
「うお!ほんとだ!」
騒ぎの原因は、ルフィが尋常じゃない量のご飯を貪り食っていたからだった。
サンジはaaaと手を繋ぎ、人混みを掻き分けて、ルフィに近寄った。
「おい、ルフィ!」
「お、サンジじゃねーか!」
肉を食いちぎりながら、ルフィが手を振った。
「誰だ?その女」
「あぁ、おれの女だ」
「へぇ、じゃあこれやるよ」
ルフィがaaaに肉をあげた。
二人は肉を持ったルフィと部屋の隅に行くと、イスに座った。
「お前も来てたんだなー」
「あぁ」
サンジとルフィが話すのを、aaaは横目で見ながらもらった肉を食べていた。

「なぁ、ルフィ。お前なんで俳優になったんだ?」
「なんだ急に」
「別に。気になっただけだ」
サンジはパーティーに紛れている、シャンクス、ゾロ、マルコ、サッチがいるのを見た。
モビー事務所のモデルや俳優もいるようだ。
「んー…、14年前だったか?こどもん時に事故しそうになってな、助けてくれたやつがモデルやってたんだ。それからおれはモデルに憧れてな!モデルやろうと思ってたらいつのまにか俳優やってたんだ!!にしし!」
すごいだろ、とルフィが笑うのを、サンジは呆れながらも笑った。
「へぇ…」
その意志が芝居に表れているのか、とサンジは考えた。
「……あ、bbbさん」
「ん?」
芸能人の人混みから出て来たのは、シャンクスとbbb。

「あ…、しゃ…、シャンクスー!!」

ルフィの叫び声に、サンジやaaa、芸能人たちがシャンクスを見た。
「なんでお前知って…?」
「シャンクス!なんでいるんだよ!!」
いつも以上に明るい表情をしたルフィはサンジの問いに答えもせずにシャンクスに駆け寄った。
「おー!!ルフィじゃねーか!」
シャンクスはばしばしとルフィを叩いた。
サンジ、aaaはルフィとシャンクスの関係がわからず、ただハテナマークが頭上に浮かぶ。
「シャンクス…?」
シャンクスの彼女であるbbbでさえ、ルフィとの関係がわからないで混乱している。
「おう!お前ら紹介するな!」
シャンクスは笑って、ルフィを説明した。

14年前、ルフィが公園で遊んでいた時にボールを追いかけ、車道に飛び出してしまった時に、左腕を失ってまで助けてくれたのが当時近所に住んでいたシャンクスだったらしい。
そして、左腕を失ったシャンクスはモデルを止め勉強をするようになり、ルフィはシャンクスに憧れモデルになったそうだ。

「シャンクスがモデルなんて知らなかったよ!」
「いやぁ、いつ話そうか悩んでたんだ」
へらへら笑うシャンクスと、怒るbbb。
「シャンクス、話したいことがあるんだ!」
「落ち着け、ルフィ。旅行はあと六日もあるんだ、急がなくてもいい」
慌てているというより話したいことがありすぎて困っているルフィに、シャンクスが言った。
「ここじゃ迷惑だ、部屋で話そう」
シャンクスはbbbとルフィを連れて部屋に向かった。

「シャンクス教授がモデル…」
「そんなん知らなかった…」
サンジとaaaは唖然としていた。


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