運命は交差している | ナノ
22

「お疲れ様」
フランキーがサンジに言った。

「どうも」
ルフィたちと共演したドラマの撮影が終了したのだ。
「雑誌の影響もあって、てめーの人気はうなぎ登りだ」
ふん、と笑いながらフランキーはビンのコーラを直飲みした。
「そうですか、うれしいです」
「もっと喜べよな、サンジ!」
チョッパーがぴょこぴょこサンジの側で跳ねた。
「いや、十分喜んでるって」
「おい、サンジ」
「はい」
フランキーが何かのチケットを、スッと差し出した。
「これは…?」
サンジはそれを受け取った。
チケットには、「豪華客船オーロ・ジャクソン号一週間の旅」と書かれていた。
「おれの知り合いが作った船でな、特別にもらったんだ。ドラマの撮影も終わったんだ、息抜きに行ってこい。彼女も連れていきゃいい」
「いいんですか」
「遠慮すんじゃねぇ」
チケットをもう二枚出したフランキーはサンジに一枚、チョッパーに一枚あげた。
「ルフィ、ゾロ、cccにはもう渡してある。…ほかの事務所のやつらも来る」
「へぇ…」
サンジはチケットの裏側を見た。
フランキーからチケットを二枚もらったが、どちらもペアチケットのようだ。
つまり、この二枚のチケットで四人行けるということだ。
「……ペアチケット、ですけど」
「ん?あぁ、それペアチケットか?…まぁ、もらってくれ。誰か誘ってもいいし、捨ててくれてもいい」
「ハァ」
そうですか、と言いながら、すでにサンジには誘う相手は決まっていた。

「bbbさんを誘おうと思ってる」
「…うん、いいと思う!早めの新婚旅行って感じ!」
aaaはサンジの提案にすぐに賛同した。
サンジとのケンカと後に、シャンクスとcccの事実上の婚約を聞き、何かしてあげたいと思っていたaaa。
これなら二人も喜んでくれるだろう。
「だったらすぐに電話だな」
サンジはスマホを取り出すと、bbbに電話をかけた。
二、三コールしてbbbが出た。
「よぉ、bbbさん。元気かァ?」
「あ、サンジ?久しぶり。元気だよ」
「なぁ、いいもんもらったんだけどよ…」
サンジはbbbにその経緯を話すと、新婚旅行に、と誘った。
「えー…でもなんか悪いなー」
豪華客船の旅、一週間。
普通の、一般人が味わえることではない。
だからこそ、bbbは遠慮するのだ。
「いいんだ。シャンクス教授にも聞いてみてくれよ」
サンジがそう言うと、bbbの声が聞こえなくなった。
きっと相談しているんだろう。
何分もしないで、bbbの「あ、ちょっと」と言う声が聞こえて、シャンクスが出た。
「よォ、久しぶりだな!ありがたく受け取らせてもらうな!!」
シャンクスがbbbの代わりに答えた。
「よかった。チケットは今度渡します」
「おう、頼むよ」
サンジは電話を切ると、電話を見守っていたaaaに振り向いた。
「…行くってよ!!」
「やった!」
両手でハイタッチすると、サンジはそのままaaaを抱きしめた。
「…楽しみ」
「おれも」

豪華客船の旅、当日。
「うひゃあ…!おっきい…!!」
海外のセレブが楽しむ巨大豪華客船を、aaaはテレビ越しではなく生で、初めて見た。
感嘆の声しか出ない。
「aaaさん」
「よ、サンジ」
シャンクスとbbbが船乗り場に来た。
「シャンクス教授」
「わりーな、なんか。今日から一週間楽しもうじゃねーか」
サンジは「そうですね」と答えると、aaaとbbbを見た。
「いっぱい楽しんでくださいね」
「aaaさんもね」
bbbはaaaの背中をとんとんと叩いて、先にシャンクスと船に乗った。
「さァて、行くか」
「う…うん…!!」
サンジとaaaは手を繋いで、オーロ・ジャクソン号に踏み込んだ。


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