運命は交差している | ナノ
20

「今日は前、オーディションしたドラマの収録だぞ!」
チョッパーがそう言った。

「げ!てめーもか!」
楽屋で台本を見ながら台詞を覚えていたサンジの前に現れたのはゾロ。
ゾロもこのドラマの役者に選ばれたようだ。
「なんでてめーがいんだよ」
「あァ!?」
「まぁまぁ」
いがみ合うサンジとゾロを宥めたのはccc。
「cccさん!cccさんも一緒なんですねぇ!!」
cccにメロメロのサンジにゾロが鼻で笑った。
「ん、そうみたい。結構モデルの人とか多いみたいですねー」
cccが他の役者がいる楽屋を見回した。
サンジのような、役者としては素人という人もいるようだ。
「どわぁーっ!!」
ガシャン、と大きな音がして楽屋のドアが壊れた。
なんだ、とサンジが振り向くと、そこには麦わら帽子をかぶった黒髪の男が床に転げていた。
「いってぇ…、ん?誰だお前」
サンジが麦わら帽子男を呆れ顔で見ていると、目が合った。

麦わらはルフィと言うらしく、サニー事務所の先輩で、新人にして天性の才能でのし上がった俳優だという。
ゾロと話しているところを見ると、仲が良いようだ。
「こいつお前の友達かなんかか?」
「ふざけんな」
ルフィとゾロがサンジを指差している。
「ふーん。サンジっつったっけ」
ルフィがサンジの顔をまじまじと見つめた。
「よろしくな!」
手を差し出したルフィ。
サンジはルフィと握手した。

「大丈夫ですか?初めてなんでしょー?」
「あぁ、cccさん。ありがとう」
収録を終えたサンジにどっと押し寄せる疲れ。
cccにお茶を差し出され、いっきに飲んだ。
「サンジー!!」
「うおっ!」
ルフィが大声で呼ぶから、サンジは驚いてしまった。
「…なんだよ」
疲れて重い体をだるそうに動かしたサンジはルフィに向かい合った。
「いやー、お前すっげーな!初めてなのにすげぇうめぇじゃねーか!!」
笑いながらサンジの背中をばしばし叩くルフィ。
「痛ぇよ!加減しろ!」
「うししし!」
へら、と笑ったルフィは今度はcccにちょっかいを出しに行っていた。

「す、すごいね。…cccさんもいたんだ」
「あぁ、しかもルフィっていうやつもいてよォ!」
今夜はサンジの手作りディナーで、サンジはフライパンで野菜を炒めながら話した。
aaaはそれを聞きながら皿を用意する。
「ルフィ…って、新進気鋭の俳優じゃなかったっけ?結構人気みたいだよ」
友達の間でも、とaaaが言う。
大皿をカウンターに置いた。
「そうなのか?…まぁ、わかるような」
気難しいゾロもルフィには心を開いていたから、明るい性格がスタッフにも気に入られているはずだ。
しかも、天性の才能を持っていると言われているが、その言葉に頷けるほど、実力も十分にあった。
「私は、サンジくんのファンだけど…」
aaaがサンジに後ろから抱き着いた。
「ん!…aaaちゃん」
「私の友達にもサンジくんのファンって人いっぱいいるけど、…私が、一番のファンだから…」
サンジはIHクッキングヒーターの電源を消すと、aaaに向き直った。
「おれもaaaちゃんのファンだ!」
サンジは何度もaaaの頬や唇にキスをする。
「ちょっと、サンジくんくすぐったい……あっ」
「aaaちゃん、かわいい。なぁ、おれってそんなに人気なんだ?」
aaaはサンジに抵抗むなしく服を脱がされ、下着があらわになってしまった。
「うん…、当たり前だよ。かっこいいもん」
「はは、aaaちゃんに言われるとクソうれしい」
サンジはaaaの胸にキスマークを付けた。
「なぁ、aaaちゃん。…愛してる」
「…私も、愛し…っくしゅ!」
愛の言葉はくしゃみに遮られた。
「…ここではやめとこうか」
サンジはaaaに服を着せると、IHの電源を入れた。
aaaは鼻をすすりながら、サンジの背中に顔を埋めた。

「…aaaちゃんが嫉妬してくれてるの、嬉しいなァ」
「Sだね、サンジくん…」
「はは!」


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