運命は交差している | ナノ
02

それから八日、ゾロからなんの音沙汰もなく過ごしたcccは、今、サニー事務所にいた。

ゾロがいるかもしれない、と思ったがいつも事務所にいるわけではない。
「……いるわけないか」
と言いつつ、足取りは事務所へ。
「おはよーございまーす…」
事務所のドアを開くと、そこには誰もいなかった。
社長のフランキーか秘書のロビンがいるだろうと応接室を開けると、そこにはフランキーではない金髪の男とロビンがいた。
「おはようございます、ロビンさん……。誰です?この人」
「あ!もしかしてっ、このレディはまさかcccちゃん…!?」
cccが金髪の男を見ながら問うのと、金髪の男がcccに指差して叫んだのが同時だった。
「ccc、おはよう。こちらはサンジ。で、サンジ、こちらはあなたも知ってるccc。この事務所のモデルであなたの先輩よ」
「やっぱり!ドラマに出てるからすぐにわかりましたよ!!」
サンジと呼ばれた男は目をハートにさせてcccの手を握った。
「ありがと…」
若干引き気味のccc。
「ccc。サンジは最近モデルになったのよ。先輩として、よろしく頼むわ」
「ふうん…」
サンジを見ると、そこらのイケメンと言われている男たちより断絶かっこよく、スタイルがいい。
「よろしくね、サンジ……さん?」
「…22です」
「あたし、年下だ!ごめんなさい!あ、先輩だからって敬語じゃなくていーから」
はは、と笑い合っていると、ロビンが口を開いた。
「サンジ。この間の仕事、出来上がった雑誌、見せてもらったんだけど、すごくよかったわ。評判も良いみたいだし…」
「ほんとですか!」
ぱっと表情が明るくなったサンジ。
「えぇ…、あ、ごめんなさい」
会話の途中に電話が鳴り、ロビンが電話に出た。
cccはサンジに「良かったですね」と言うと、「どうも」とサンジが微笑んだ。
ゾロの方がかっこいい。
cccがそんなことを考えている間に、ロビンは電話を切ってサンジに向き直った。
「ごめんなさい、サンジ。用事って言うのはあなたのマネージャーを紹介したかったんだけど、少し遅刻するみたいなの。私、社長に連絡するから、少し席外すわね」
cccは応接室を出ていくロビンの背中を見送った。

「…cccちゃん、あの、ゾロって知ってるよな?」
「そりゃあ、この事務所の先輩だし、知ってますよ」
サンジの問いに、cccはすっぱりと答えた。
「……恋人だから、だろ?」
ぴくりとcccの肩が動いた。
なんで知っているんだろう、と思ったがすぐに、前々から噂になっていたゾロ恋人説を思い出した。
スタッフにはバレバレなのだ。
「ゾロがなんかしちゃいました?」
「それがわからなくて…、聞きたいんだけど」
「……ごめんなさい。今、あたし達、ケンカしてて…」
cccはゾロを頭に思い浮かべながら、がっくりと肩を落とした。
本当はケンカなんかしたくないのに、そんな思いはゾロには伝わらないようだった。
「ケンカ、か。…なぁ、おれも今、彼女とケンカしてんだ。あんなやつやめて、おれにしとけよ」
ふ、と笑ったサンジ。
ゾロの方がと思ったcccだったが、その誘惑に、cccは負けてしまった。
「サンジさん…って、うわぁ!」
cccはサンジに抱き着こうとすると、それを許さないとでも言うように、足にイスが当たって転んでしまった。
「――なんてな…って、大丈夫!?」
サンジが床に膝をついたcccに手を差し延べると、cccはお礼を言って手を握り、体重をかけた。
すると、cccの体重は決して重くなかったのだが、サンジの踏ん張りが利かず、サンジがcccに倒れ込んでしまった。
「うわ!大丈夫か、cccちゃん」
「ごめんなさい、サンジさん…」
サンジとccc、二人ともが驚いていると、応接室のドアが開き、いるはずのない、aaaとゾロがそこにいた。


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