運命は交差している | ナノ
14

「サンジくん、ただいま。…メイク、つけたままなんだね…」
楽屋に戻ったaaaは、ゾロがいて気まずいのを隠すため、すぐさまサンジに声をかけた。
「うん。してくれたんだし…、」
サンジは優しく笑うのを見ながら、aaaはポケットから使い古しのガラパゴスケータイを出した。
カシャ、と写真を撮る。
「かっこいいサンジくん、保存」
画面をサンジに見せると、サンジは照れて首に手を置いた。
「何それ、恥ずかしいんだけど」
「初モデルの記念…だよ」
「…そっか」
サンジとaaaがイチャイチャしていると、ゾロはチッと舌打ちをして、楽屋から出て行った。
荷物がないから帰ったんだろう。
「……こ、公共の場!…だったね…」
aaaはほんのり頬を赤らめた。
サンジはaaaの手を自分の手で優しく包み込み、「…うん」と言った。
触れ合った唇が、ゾロとのキスの感触を消し去った。

その後、二人はサニー事務所に向かった。
「サンジ、この前はお疲れ様。一週間後にまたモデルの仕事があるからよろしく。今度は個人のね。よろしく」
ロビンは予定表をサンジに渡した。
「……モデルも楽しいでしょう?」
ロビンが間を置いて聞いた。
「…そう…ですね、」
「これからもっと楽しくなるわ。あなたは、絶対に良いモデルになれる」
ロビンが大人っぽい、余裕の笑みを浮かべた。
彼女にそんなことを言われたら、絶対に誰でも自分の才能を疑わないだろう。
「ありがとうございます」
サンジは頭を下げると、応接室を出て行き、外にいたaaaに声をかけた。
「aaaちゃん、お待たせ!」
「…ううん、早かったね」
ココアを飲んでいたaaaは立ち上がると、ココアをぐいっと飲み干した。

その日の夜。
「あ。マリモン」
サンジの言葉に、aaaの体がびくっと震えた。
サンジとaaaが一緒に見ていたテレビ番組にゾロが映っていた。
「あのよ、今日あのカメラマンのレディに聞いたんだけどよ、マリモ付き合ってる女がいるらしいぜ。cccって言う名前なんだけど…、わかる?aaaちゃん」
「ccc?…それって、あ!この人!この人だよcccさん!」
aaaが指差した先には、テレビ画面に映る女性。
この女性、cccはaaaが今日読んだファッション雑誌、サウスブルーのモデルだ。
これのメンズ版、ノースブルーのモデルがゾロ。
その二人がたまたま見ていたドラマに出演していた。
「cccさんとゾロさん付き合ってるんだー…」
「噂だけど、ほぼ本当らしい」
コーヒーを飲みに席を立ったサンジ。
(cccさんと付き合ってるのに、なんで私に、あんなこと……)
aaaは今日のゾロの行動に首を傾げた。


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